G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
作戦により、ツェズゲラ達がゲーム外に出て10日が経過した。
ゴレイヌから、ゲンスルーのターゲットが、ツェズゲラからゴン達へと変わったと連絡を受けた。
そして。
「何の用だ?」
ゲンスルー組との対決。
「取引しに来たんだ」
「取引……?
こっちには、ないね!」
「まぁ、そう言うな
悪い話しじゃないぜ」
正体はバレているのに、白々しい。
だが、奴らにそれを悟られてはいけない。
あくまでも、何も知らず、圧倒的に弱い立場を演じなければいけない。
そして
”あの場所”へは、逃げ回った結果、たどり着いた。
そんな印象を与えなければ、この作戦は成立しない。
マサドラ郊外。
「…いないぞ」
「遠くへはいっていない
森の…中か
気配を消して隠れたか
なるほど…
こりゃ、考えていなかった」
仕方ない
確かめよう
「”同行(アカンパニー)”使用(オン)
ゴン!!」
呪文(スペル)カードで逃げ回るゴン達を、徐々に追い詰めていくゲンスルー組。
「くくく
どうした、鬼ごっこは終わりか?
あきらめて、カードをよこしたらどうだ?」
「やだね
絶対、お前らになんか渡すもんか
渡すくらいなら、やってやる!!」
「おい、ゴン!!
くそっ…
ビスケ、カシス!! お前らは逃げろ!」
「でも、でも…」
「いいから、行け!!」
ビスケとカシスは、走り出す。
予想通り。
奴らの一人が追ってきた。
「カシス」
『(コクン)』
ある程度離れた所で、カシスはバインダーを出した。
1枚カードを手に取り、カードが変身したと同時に、追って来ていたバラに瞬時に近づいた。
「っ!?」
『”同行(アカンパニー)”使用(オン)!
ソウフラビ!』
アカンパニーでソウフラビへ飛んだ。
――
―――
波打際の砂浜に着地した2人。
「……仲間を大勢集めて、待ち伏せさせてたわけでもなし…か
わからねェな
なんで、そんな面倒なマネしてまで、オレと一対一(サシ)になりたかったのか」
『理由は一つ
アンタが、他の2人に助けを求めたら面倒臭さいでしょ?』
「は?
ますます意味わかんねー」
『はぁ……女で子供だからって、油断してない?
アンタよりも、強い女子供もいるって言ってんのっ』
「!?」
言うのと同時にバラの懐に入り、鳩尾に肘を減り込ませる。
バラの肩を掴み、上へ飛び上がり、膝を後頭部へたたき付け地面へ平伏せた。
しかしバラは、間髪入れずに立ち上がり、カシスの頬を右手の甲で払い飛ばした。
「手加減しねーぞ、お嬢ちゃん
恨むなよ」
『…やっぱり、なかなかタフだね
なら、こっちもそのタフさに敬意を評して、手加減なしでいくから』
「…寝言は寝て言えや!」
『だから…』
ニヤリと口角を上げる。
死なないでよね
――
―――
待ち合わせ場所であるビスケの元には、既にカシスとキルアが、相手をKOさせて集まっていた。
「……つーか、コイツ死んでねーか?」
『だーいじょうぶ、だーいじょうぶ!
ちゃんと生きてるから!
虫の息だけど』
「…」
敵ながら、少し同情してしまうキルア。
それほど、バラの受けたダメージは計り知れない。
暫くして、ゴンからの連絡が入った。
ゲンスルーを倒したものの、その代償もかなり大きかった。
ゴンの両手は、もう使い物にならない。 右手にいたっては、吹き飛ばされていた。
喉も潰されたのか、まともに声すら出せない状態だ。
当初から話し合っていた通り”大天使の息吹”で、全員の怪我を治癒した。
合流したゴレイヌの申し出で、ゴンのバインダーに99種類のカードが揃い、G.I初となる、NO.000のイベントが発生。
全員参加の、指定ポケットカードに関するクイズ大会が開かれた。
正解率の最も高かったプレイヤーに、NO.000”支配者の祝福”が贈呈されるという。
結果
最高得点は、ゴン。
よって、カード100種コンプリート!!
島の支配者から、城へ招待された。
・
城下街(リーメイロ)。
「そういえば、カシスはよかったの?
ジンの手掛かりを探しに来たんでしょ?」
城にいるのは、恐らくゲームマスター。
だが城に入れるのは、招待状のバッチを持つ1人だけ。
『ん、いいよ
もともと期待薄だったし
レイザーの話を聞く限りだと、他のゲームマスターに聞いても返ってくる応えは同じだと思う
それに、ゴンと違って
師匠の昔話に興味ないから、私』
「そっか
10年も一緒にいたんだもんね」
行ってくる、とゴン1人で城の中に入って行った。
その後。
クリアイベントで、街をあげてのパーティーが行われた。
ゴン達4人は、城へと招待され、盛大な宴が催(モヨオ)された。
夜も更けた時間にも関わらず、宴はまだまだ盛り上がっている。
騒ぎ疲れたのか、少し夜風に当たろうと、バルコニーに出ていたカシス。
そんな彼女に近づく一つの影。
「どうしたんだよ、こんなトコで」
『キルア…ちょっとね』
カシスの隣に並ぶキルア。
少し冷たい夜風に吹かれながら、夜空を見上げる2人。
『G.Iクリアしたね』
「…だな」
『ねぇ
G.Iが終わったらさ、キルア達は、また師匠を探しに行くんだよね』
「あぁ。 オレは自分のやりたい事が見つかるまで、ゴンの親父探しに付き合うつもりだから」
『そっか…
私はどうしようかなぁ』
「なんだよ。 一緒に来ねーの?」
疑問に思うキルア。
ゴンと目的は同じ。
ならば、カシスも当然、一緒に行くものとばかり思っていた。
しかし、彼女は迷っている模様。
『それもいいんだけど
ハンターとしての仕事をこなしつつ、探すつもりだったからさ
仕事してた方が、そういう情報は入りやすいんだよね』
「ふ~ん…」
一緒に来てほしい
なんてのは
オレの我が儘
…かな……?
「…悩むくらいなら、一緒に来いよ
その方が、ゴンも喜ぶし」
と、ゴンをダシに使ってみたり。
キルアなりの我が儘でもあり、足掻きだった。
これで駄目なら、自分にカシスを引き留める術はない。
ゴンならば、素直に一緒に行こう! と、言えるのに。
『…キルアは?』
「?」
『キルアは、嬉しくないの?』
「………嬉しいって、言ってほしいわけ?」
『うん』
なっ……んだよ
その反応は
そこは、否定しろよな
こっちが恥ずいだろうが!
冗談のつもりで返したのに、素で答えられて慌てるキルア。
その反応が面白かったのか、さらに続ける。
『キルアが一緒に来てほしいって言うなら、ついて行こうかな♪』
「…べ…別に
付いて来たきゃ、付いて来りゃいいじゃん」
『………ぷっ!
あははは…、本ト素直じゃないよね、キルアって』
「…………お互い様だろーが」
笑うカシスに、ぽつりと呟くキルア。
こうして
楽しい宴は、幕を閉じるのであった。
・
そして4人は、現実に帰ってきた。
「うーん
これで、現実に戻ってきたのかな~?
実感ないね」
「まあ。 あっちも現実の一部だったしな」
「ちょっと、早く早く!!
バインダー出してみてよ」
急かすビスケにゴンは、バインダーを出した。
クリア報酬として、指定ポケットカードから3枚だけ、現実世界に持って帰れるのだ。
夢にまで見た宝石”ブループラネット”。
ビスケがゲームに参加したのは、報酬金とこの宝石だった。
あと2枚は。
一坪の海岸線。
聖騎士の首飾り。
一坪の海岸線は、”擬態(マグネティックフォース)”で、指定ポケットカードに変身させた”同行(アカンパニー)”。
その呪文(スペル)を解くために、聖騎士の首飾りを選んだのだ。
本当に欲しかったカードは、”同行(アカンパニー)”ということ。
「オレが一番でゲームに入った時、近くには誰もいなかった
つまり、オレがゲーム内で最初に遭ったのは、2番目に入ってきたゴレイヌさんのはず
けど、自分のバインダーを調べてみたら、その前に1人遭っている人物がいた」
”ニッグ”。
ジンのスペルは
”GING”。
そう
”NIGG”は、アナグラム。
つまり、ゴンは赤ん坊の頃、ジンと一緒にG.Iに来たということになる。
ジンからゴンへの、メッセージだったのかもしれない。
『おそらく
師匠は、ゴンにこう言いたかったんだね
何を捨てても
オレに会いたいなら
このゲームをクリアするくらい
強くなれってね』
そのために
こんな大掛かりな足跡を残したんだよね、師匠
ほんと
素直じゃないんだから
「ジンに会ったら
まず、何をする?」
「もちろん
キルアを紹介するよ!
”オレの最高の友達だ”って」
「よせよ…恥ずいだろ」
『ゴン、私は?』
「もちろん、カシスも!」
「…そう
カシスも、2人と一緒に行くのね」
『うん
また、何かあったら連絡するよビスケ』
「待ってるわよ」
3人は、”同行(アカンパニー)”によって、ビスケの前から飛んで行った。
――
―――
―――――
ザシュッ
着地した3人の目に映ったのは。
綺麗に舞う、ピンクの花びら達。
花吹雪の中。
その奥に、1本の小さな花の木が満開に咲き誇っていた。
その傍らで、釣りをしている一つの影。
「…………………ジン…!?」
・END・
13/7/7
22/12/31(修正)
◇G.I編完結しました!
かなり、走ってしまいましたが・・・(-.-;)
もう少し、丁寧にやっても良かったのですが
一先ず、完結させたかったので(>_<)
次から、いよいよキメラアント編に突入します☆
カシスちゃんの過去が明らかになったり、キルアとの関係が大きく変化します!
そして、2人には堪え難い出来事が待ち構えている!
って感じですo(^-^)o
キメラアント編も、よろしくお願いします☆