G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
陽の沈んだ空には、キラリキラリと星達が輝き出していた。
『おーい、ご飯出来たよ~』
静かな夜空に、カシスの声が上がり、その声を聞いた3人はワラワラと集まってきた。
いっただっきまーす!
焚火を囲んで夕食タイム。
目の前に並ぶ料理は、美味そうには見えないほど豪快な料理ばかり。
初め見た時は、みな箸が止まったほどだ。
しかしながら
見た目とは裏腹に、味は上手いときた。
聞くと。
野宿生活も長く、師匠であるジンは料理はできるものの得意でもなく、面倒臭さがり屋だ。
当然の事ながら、食事の用意はカシスがやっていたという。
料理の手本がジンなため、見た目があんな豪快さになったのだ。
なんともアンバランスなカシスの料理も、一週間も食べていれば普通に思えてくる。
「どう? キルア
ゲンスルーをハメられそうな良い作戦は浮かんだ?」
「いくつかは
でも、どれもリスクが高い上に、確実性が薄い」
「もう少し、練った方がよさそうね」
「あぁ
あ、カシス
ソレ、俺にもくれ」
『ん』
「…ん。サンキュ」
カシスが口に運んだ肉を見て、キルアもその肉を要求。
カシスは、自分の箸で肉を掴み、キルアの口に入れてやる。
なんとも自然なやり取りに、見慣れたビスケは思わず口を開いた。
「なんかもう、慣れてきたわね。 アンタ達」
「…しゃーねーだろ! この手じゃ、食えねぇし」
『それに、慣れるも何も……特別なことでもないし……ねぇ?』
とは言っているものの。
初めはキルアもかなりの抵抗があった。
これが2人きりだとしたら、嬉しさ満点なのだが。
傍観者が2名もいれば、嬉しさよりも羞恥心が煽られるのだ。
そんなキルアとは反対に、カシスは初めから変わらない。
なんの抵抗もなく、キルアの食事の手伝いをしていた。
強いて言うなれば。
初めは、ちゃんとキルアと自分の箸を使い分けていたが、途中から面倒臭さくなったのだろう。 1つの箸で食べるようになったことだ。
それがまた、キルアの幸福度と羞恥心のメーターを上げる事となった。
そんなことを感じつつ
あっという間に2週間が過ぎた。
相も変わらず、放出系の修行に苦戦しているゴン。
その傍(カタワラ)ら
作戦組は、何やら糸口を見出だしていた。
『…なるほど
なら、これをこう使ったらどう?』
「あー! そしたらこう動くしかなくなる」
着実に作戦が立っていく。
キルアの手をマッサージしながら、話しが弾んだ。
『いんじゃない? この作戦』
「上手くいくかは、ゴン次第かもしんねーけど」
『言えてる
はい。 キルア反対』
反対の手をマッサージし始める。
その様子を、何気に見つめるキルア。
ホワンとした柔らかな雰囲気に、心が安らぐ。
………なんか、抱きしめたい
自然と湧き出た気持ちは、無意識に彼女の髪に手を伸ばしていた。
そして、そっとカシスの前髪にキスを落とした。
『? なに?』
「別に。 何でもねぇ」
『?』
なんか
凄く、優しい瞳で微笑まれた
どうしたんだろ…キルア
疑問に思いつつも、何でもないと言うので、気にせずマッサージを続ける。
その様子を見てキルアはまた、心地良い心音を感じていた。
暫く、2人の世界(キルアだけ)に勝手に入っていたキルアは、漸く気づいた。
「…」
「ムフフ…v」
「…っ!」
何時から見ていたのか、修行をしているはずのゴンとビスケがこちらに視線を寄越していた。
ゴンは、ほっぺたを赤くし。
ビスケにいたっては、後で絶対からかわれる。 そんなニヤケっぷりだ。
少なくとも、カシスの前髪にキスした所は、見られていたようだ。
(キルアって……やっぱり大人だ)
(後で、どう質問攻めしてやろうかしら♪)
(……またやっちまった)
・END・
13/6/17
22/12/28(修正)