G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一度集まった一同は、少し場所を変えることにした。
目に毒なモノが多過ぎるからだ(得にビスケ)。
「ちょっと、場所変えようぜ」
「そおかい?
ここなら、退屈せずに済むのに♠」
退屈………?
っ!!
わかった…!
何がしっくりこなかったかが
キルア自身も、ヒソカの言動に違和感を覚えていた。
場所…!
この場所だ!!
「カシス」
移動するカシスの隣へ行き、今キルアの頭の中で結び付いた糸を話した。
それを確信に変えるため
カシスなら、何等かの返答をくれるはず
「…んで、本当に旅団(やつら)を探しているなら、魔法都市(あそこ)から動かないはずだ
さっきヒソカは、”退屈している”そう言っていた
退屈ってことは、やることがない
つまり、探していないってことになる」
『ふむふむ…それで?』
「カシスが言った”本当のことを言っていない”ってニュアンスからして
もしかしたら、もう何かを探し終えているのかも」
………驚いたな
頭はキレる方だと思っていたけど、そこまで知略的だったとは
これも、暗殺者故の思考なのかもしれない
こればっかりは、感謝しないとね
イルミやお父さん達に
『私も同じ考え
恐らくヒソカは、すでに旅団と会ってる可能性が高い
そして、GI(ここ)で”何か”を待っている』
「待っている…?」
『じゃあ、”何”を待っているのか』
「何を………………!!
除念師!!」
『恐らくね
除念師がGI(ここ)にいることを、ヒソカと旅団は知っている
と解釈すると、ヒソカの言動や行動の辻褄(ツジツマ)が合う』
強気な表情でこちらを見遣るカシス。
それは、核心を付いたような感じ。
その表情に、目を丸くするキルア。
辻褄が合いすぎて、鳥肌が立つほどだ。
自分の考えが合っていた以前に、すでにこの糸を繋げていた彼女に正直驚いていた。 読みの深さは、キルアの比ではない。
これも、経験の差なのか。
改めて、彼女の凄さを感じ取った。
『あ、それから
この事は、まだゴンには言わない方がいいかもね』
「ああ
アイツ、ウソが上手くないからな」
『私達が気付いたことにヒソカが気付けば、恐らくヒソカは姿を消す
そうなると、仲間が減る上に旅団の動向もわからなくなるから』
「それは絶対に避けなきゃな」
移動の最中、ゴンからある提案が出た。
やはり仲間にするなら、ツェズゲラしかいないと。
確かに
ツェズゲラなら仲間もいるだろうし
何より、目的がはっきりしている分、交渉がしやすい
仲間にしないにしても、一度会ってバインダーリストに入れておいて損はない
コンプリートを目指す者として、避けては通れない相手だからね
だが、ゴン達のバインダーには、残念ながらツェズゲラの名前はない。
そこで、ヒソカのバインダーもツェズゲラの名前がないかどうか見せてもらうことに。
キルアやカシスにとっては、ゴンのナイスプレイだ。
ゴンなら裏がなく、まず気付かれる事はない。
逆に、ヒソカがバインダーを見せようとしなければ、キルア達の考えが裏付けられる。
「ツェズゲラ…
ああ、いるね♣」
「ホント!?」
「うん♥
ホラ、ここ♦」
本を見るゴンの両サイドから、2人も覗き込んだ。
だが、旅団の名前は1人もいなかった。
オレ達の考え過ぎだったか…?
アイコンタクトをするキルアに、カシスは”かもしれない”と返した。
・
ゴンとキルアは、ヒソカのバインダーで”交信(コンタクト)”を使い、ツェズゲラと交渉を始めた。
それを遠目で見ていたカシスの背後に来たヒソカ。
『…あんたって、やっぱりペテン師よね』
「褒め言葉として貰っておくよ♥」
『だから…褒めてないって……』
「よくわかったねぇ♠
名前がウソだって♦」
『凝を使えば簡単』
ヒソカのバインダーリストは、彼の念”薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)”によって、旅団の名前が書き換えられていたのだ。
カシスは、ヒソカのバインダーを覗き込んだとき、右目だけで”凝”を使っていた。
それは、キルアに悟られないようにする為。
「でも、いいのかい?
彼に本当の事を言わなくて♠
僕らの目的、解ったんだろ?」
『…今は、このイベントをクリアするのが先決だし、あんたは貴重な戦力なんだから』
「…」
カシスの返答に口角を上げたヒソカは、カシスを後ろからそっと抱きしめた。
「嬉しいなぁ♥
そんなにも、ボクを頼ってくれていたなんて♦
それだけで、興奮しちゃうよ……♥」
カシスの髪を一束手に取り、ちゅっと口づけを落とす。
『ばっ…!! 調子に乗るな!
アンタなんて、必要なのは今だけだし!
このイベントが終わったら用無しだから!
どこへでも行ってしまえ!!
っていうか、は・な・せぇ~(怒」
ぐぐぐっと、ヒソカの顎を押し返すが、ヒソカも引かず顔を近づけてくる。
という攻防を繰り広げていた。
ヒソカは遊んでいるんだろうが…。
そんな2人の姿は、ツェズゲラと交渉していたキルアの目にも留まっていた。
――
―――
”同行(アカンパニー)”でツェズゲラの元へ行き、交渉成立した。
しかし、一応戦力になるかどうか、ツェズゲラの”練”を見ることになった。
「は!!!!」
ぐっと足に力を溜め、一気に上へ飛び上がった。 10メートル近く飛び上がったツェズゲラに、お子ちゃま2人は興奮気味。
好奇心旺盛な2人は、早速マネをする。
飛び上がった2人を見て度肝を抜かれたのは、寧(ムシ)ろツェズゲラの方だった。
ま、当然ね
せっかく忠告してあげたのに、この人修業どころか鍛練もろくにしなかったんだ
あの程度だなんて、ちょっと期待ハズレ
まぁ、戦力にはなるだろうけど…
恐らく
今のキルアとゴンの方が、ツェズゲラより基礎能力は上
経験値は流石に劣るけど
それでもこの中じゃ、上位の実力
正式に手を組むことになり、誰がどのスポーツで戦うか決めた。
そして一週間の猛特訓を開始した。
――
―――
―――――
星達が輝く夜空。
湖畔の淵で夜空を見上げるキルアの姿があった。
そよそよと靡く銀色の髪は、暗闇だからなのか、一際その輝きを放っていた。
「………はぁ」
『何溜息なんかついてるの?』
「……べーつに」
声を掛けた人物を確認すると、少しふて腐れたような顔をして元の位置に顔を戻した。
頭に?を浮かべるカシス。
すると、除(オモム)ろにキルアは口を開いた。
「…お前さ
アイツの事、嫌いだとか言ってるけど
実際は、そこまで毛嫌いしてねーだろ?」
『? …ごめん、話が見えない』
「ヒソカだよ! ヒソカ!
嫌いなくせに、仲間に誘ったり、フツーに話したり
揚句には、抱き着かれる始末」
………何気に…怒ってる?
キルアからは、途切れる事なく、つらつらと文句が飛ばされた。
それは次第に、独り言のように小さくなっていった。
「なんであんなにも無防備なんだよ
戦ってる時は、隙なんか微塵もないくせに…
つーか、嫌いな奴に抱き着かれたりすんなよな!」
『…ぷ』
心の中がだだ漏れのキルアが、やけに可愛く見えた。
まるで、母親に構ってもらいたくて拗ねてる子供みたいに。
・
『キルアって
結構、独占欲強いんだね』
「っ!!!」
座り込んで背中を向けていたキルアの後ろから、ぎゅっと抱き着いた。
突然の出来事に、言葉が出てこない。
カシスは、赤く染まった耳元で、悪戯するように囁いた。
『ヒソカは、人間的に嫌い
でも情報を得るためには、それなりの関係も必要
ハンターとして仕事をしていく上で、ヒソカは結構な情報源だから
必要なら話もするし、仲間にもする
ただのギブ&テイクだよ
お互いの利害が一致しなければ、それ以上の接触も詮索もなし』
「…抱き着かれんのも、その関係を築くためなんだ」
『言ったでしょ? 私は、人間的にアイツが嫌いだって
情報の為に体を売るような真似、私がすると思う?』
「……思わねー」
『でしょ?
あれは、アイツが勝手にしてくるだけ
私をからかって、楽しんでんのよ』
「…」
『納得した?』
顔を赤くして、ぶすっとした表情をするキルア。 そんなキルアを見るのも、また楽しかったりする。
一応納得してくれたのか、小さな返事が返ってきた。
よかった!
そう思い、ぎゅう~っと一層きつく抱きしめた。
「…お前さ」
『ん?』
「抱き着かれると、離せとか言うくせに
自分は抱き着くんだな」
『何言ってんの!
抱き着かれるのと、抱き着くのとじゃ、気分が全然違うでしょ?
抱き着くのはいいの!』
「超自己チュー」
『キルアは、私に抱き着かれるの嫌?』
「……嫌じゃねーけど…」
『なら、いいじゃん♪
いつも生意気なキルアが、今日は弟みたいで可愛いもんv』
「(弟ぉ?!!)」
上機嫌のカシスに、苛立ちを感じる。
が、やはり今の状況が嬉しすぎて、何も言えないキルア君でした。
暫くされるがままだったキルアだか、耐え兼ねたのかポツリと呟いた。
「なぁ、そろそろ交替しろよ」
『交替?』
「カシスばっかズリーだろ
オレも抱きしめたい」
恥ずかしげもなく本音を言い放つキルアだか、カシスは断固拒否。
『ダ~メ!
今は、私がキルアを独り占めしてるんだから』
「……」
嬉しくてしょうがないキルアだが、それでもキルアの鬼畜症は健在だ。
ニヤリと口角を上げる。
「ま、いいけど
オレはその分、カシスの胸の感触が味わえるし♪」
『……』
後ろから隙間なく抱き着いているせいで、キルアの背中にはバッチリ、カシスの胸が押し付けられていた。
『…………えっち』
「男はみんな、そういうもんなんだよ」
『ウソだね
少なくとも、ゴンは違うから』
「わっかんねーぞ?
ああいう純粋そうな奴ほど、ムッツリだったりするんだぜ」
『わー! わー! 聞こえな~い』
両手で耳を塞いで、聞こえないフリ。
それが意外にも、キルアの悪戯スイッチを押した。
「そーいえばアイツ
部屋のベットの下に、”禁断の新妻”ってエロ本を隠してたなぁ(←ウソ」
『いやぁ~! やめて~!!
ゴンの純粋を汚さないで~!!
ゴンはそんな子じゃない……キルアと違って、ピュアなんだから…』
「(どんだけ美化してんだよ…)」
おいおいおい…と、泣き崩れるカシスに、呆れた視線を送る。
「まぁ、実際どうかは知らねぇけど」
『!??』
「取り敢えず、交替な♪」
悪戯猫キルアの顔だ。
そのまま泣き崩れていたカシスを、草の上に押し倒した。
『………あ~…何かなぁ~? キルア君?』
「カシスのわがまま聞いてやったんだから、今度はオレのわがまま聞いてよね」
『わがままって…』
「…」
急に真剣な眼差しで見つめてくるキルア。
目を逸らしたくても、それが出来ないでいた。
・
改めて見ると、キルアも整った顔立ちしてるんだよねぇ…
美少年ってヤツ?
そんな事を考えていると、キルアの顔が寸前にまで迫っていた。
『ぇ?! ちょっ…!』
思わず、目をぎゅっと固く瞑(ツブ)った。
……………っ
あと数センチ。
という距離で、キルアの唇は止まった。
「……なに? このまま、キスしてもいいわけ?」
『!!』
「いつもは、さらっとスルーするくせに」
したり顔のキルアと、至近距離で見つめ合う。
「……」
『………っ』
カァーっと顔を赤く染めるカシス。
『ば、ばかぁ!!』
ばちーん!
夜の静かな静寂の中で、軽快な音が響き渡った。
――
―――
はぁ、はぁ……
キルアを置いて走ってきたカシスは、木に手をつき息を整えていた。
……ありえない
ありえないってば!
なに? 今の!?
あんな…
「いつもはスルーするくせに」
そうだよ
なんで受け流さなかったの?
いつもやってるのに
いつもやってたのに
なのに
無意識に、自分の唇をそっとなぞった。
もしかして
されたかったの………?
どこかで 期待してた?
あの時みたいな
とろけるような キスを……
っ!!
違う違う違う!!
違うよ……
キルアは
友達なんだから…
これ以上
踏み込んじゃいけない
越えちゃいけない
気付いちゃ…いけない
友達
キルアは 友達だから
『……はぁ…』
深い溜息をつき、しゃがみ込んでいた体を立ち上がらせた。
そして、キッと前を見据えて。
皆がいる場所へと歩き出した。
だから
隣に いられるんだ
・END・
13/1/20
22/12/21(修正)
◇最近、こんな話しばかりでまとまりが無い気がします・・・;
軸を戻さねば!
ヒロインの気持ちが傾いてきているのかな?
だけど、それを受け入れられず、再び押し込めてしまいましたf^_^;
さてさて、今後はどうなってしまうのか・・・心配です(ノ_・。)(←オイ!
次回からは、ドッチボールに参戦していきます!
ここは、結構書きたかった所でもあるので、楽しみです☆
→おまけ
「いってェ…」
思い切り、手の跡が付いた左頬を摩った。
ったく
容赦無くひっぱたきやがって…
ま、平手打ちなだけマシか
拳できてたら、この程度じゃ済まなかっただろうし
にしても
アイツ変だったよな
いつもと全然違う反応だったし
あんな、顔真っ赤にすることなんて……
…待てよ
アイツ、何であんなに顔真っ赤に…
……もしかして
もしかしなくても
オレの事
意識してたんじゃ…
だとしたら、やべぇ……
すっげー嬉しんだけど
真っ赤に染まった顔で、緩みそうになる口元を、手の甲で隠した。
少しは
オレのこと
意識してるって
思って いいんだよな?
↓おまけ2
「確か湖に行くって言ってたよね」
夕飯の支度が済んだにも関わらず、今だに戻って来ない2人を呼びに来たゴン。
「あ、いたいた! キルっ!!」
キルアの名前を呼ぼうとした瞬間、とっさに口を塞ぎ、木の後ろへ隠れた。
え? ぇえっ???
思いもしない事態に、頭が混乱気味のゴン。
確かにキルアとカシスがいた。
だが、ゴンが目にしたのは
キルアがカシスを押し倒している。
という現場だった。
キルアがカシスの事、好きなのは知ってたけど
2人って、もうそんな仲だったの??
ドキドキドキ…
妙に心臓が落ち着かない。
自分の身に起きているわけでもないのに、恥ずかしく照れ臭い。
もう一度、そろりと覗いてみる。
わわっ!
ち、ちゅーしてる!?
や、やっぱり
そういう仲なんだ
…………じゃ、邪魔しちゃ、悪いよね…?
後でキルアに怒られそうだし
ゴンは、静かにその場を後にした。
でも
キルア、やったね!
友達の恋が花咲いたと、まるで自分のことのように嬉しくなったゴン。
ルンルン気分で、元来た道を戻って行った。
見事に、勘違いをしたまま…
――
―――
「ゴン、2人は?」
「あぁ……お、お取り込み中…じゃなかった! もうすぐ戻ってくるよ!」
「お取り込み中??
(なになにソレは? 2人きりで何してるわけよ~vV)
全く! 仕方ないわね
あたしが呼んでくるわさ♪」
「ダメだよ! ビスケ!」
「何でよ!
見られてマズイ事でもしてたわけなの?!」
「そ、それは……」
頬を染めるゴンに、ピコーンとビスケの恋愛レーダーが反応した。
「じゃ、覗きにいくわよ~♪」
「!! 呼びに行くんじゃなくて、覗きに行く前提なの!?」
その後
キルアの為に、全力でビスケを止めたゴンでした。
・終わり・