G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヒソカに事情を話し、協力してくれることになった。
先を歩くお子様4人(一人除く?)。
小声で切り出したのはキルア。
先程の、念の文字が気になったからだろう。
『正確に言うと、ウソというより本当のことを言っていないって感じかな』
「何でわかんの?」
『まだ確実ってわけじゃないから、何とも言えないけど
ちょっと、引っ掛かるんだよね…色々』
「なんだよ、それ」
「ま、”クロロ”に関して何か隠している以上、身近において様子を見るのも一つの方法だし
何より、見たとこ
アイツかなり強いでしょ?」
「うん」
――
―――
―――――
緑豊かな森の中。
木々からこぼれる木漏れ日が、とても綺麗だ。
そんな心地の良い山道を歩いていると、何やら気色悪い視線に背筋を震わせるゴンとキルア。
「見られてるよね…確実に」
「オイ、ちょっと前歩けよ!」
振り向き文句を飛ばすキルア。
やっぱりと言うべきか。
犯人はこの変態しかいない。
「そおかい?
ボクは見られるより、見てる方が好きだけどなぁ♦
でも、前を譲ってくれるって言うんなら、遠慮なく前に行かせてもらうよ♣」
意味深な台詞をいいながら、2人を抜かして行く。
その姿を目で追っていると、ヒソカの台詞の意味がわかった。
ぁんのヤロ~!
「カシス!」
『?』
――
―――
不適な笑みを浮かべながら前を歩くヒソカ。
その後ろでは、キルアとゴンに挟まれ歩くカシスがいた。
『何カリカリしてるの?』
「なんでもねーよ…」
プリプリご立腹のキルアに、?を浮かべる。
『ねぇ、どうしたの? あれ』
「気にしなくていいよ」
『そう?』
理由を知っているゴンは、あえて何も言わないでおいた。
キルアの気持ちも、なんとなくわかるから。
「ちょっと!
なんであたしは、呼ばなかったわけよ!!」
「見られても別にいいだろ、ババアなんだし」
バキッ!!
カリカリしているせいか、つい本音が出てしまったキルア君。
言うまでもなく、ビスケの強力な拳をくらい、ノックアウトした。
キルアって、一言多いよね…
哀れみながら、そう思うゴンとカシスであった。
・
ワイワイ楽しくやりながら(?)一行が着いた先は。
「恋愛都市・アイアイ♥」
街の中心には、ハートのバルーンなのかオブジェクトなのか。 どちらにしても、ろくでもない所だと直感した。
やはりと言うべきか、ネーミングセンスがゼロに等しいようだが。
「ここは、色んな出会いを楽しめる街なんだ♥」
何作ってんだか…
ていうか
師匠って、恋愛うんぬん言う人だったっけ…?
ゲッソリするカシスを最後尾に、街中へ入って行った。
街へ一歩入ると、いたるところで、ありきたりな出会いが繰り広げられていた。
メガネを探す少女に会ったり。
曲がり角で、気の強そうな少女とぶつかったゴレイヌだったり。
カットモデルを探していると、イケメンに声を掛けられたビスケだったり。
ベタからマニアックなものまである。
溜息をつきながら、歩いていると、とある告白現場に遭遇した。
「貴方の事が好きなの!」
「ありがとう…嬉しいよ……」
『……』
「あ~ぁ。せっかく告白まで行ったのに♠
あれじゃ、バットエンドだねぇ♦」
『…え?』
「曖昧な答えほど、相手を傷つけることはないからね♣」
『! そうなの?』
「だって、”考えさせてくれ”なんて先延ばしにして、OKならまだしも
結局振る、なんて残酷だろ?
そのままフェイドアウトってこともあるし♦」
ツキン…
ヒソカの言葉に、胸のどこかが小さく痛んだ。
――
―――
しばしの自由時間。
ショップや情報収集などなど、各々散らばった。
「あれ、カシスは?」
見渡したが、カシスの姿はなかった。
「あそこで、塞ぎ込んでるよ♠」
近くにいたヒソカが指差す先には、言葉通り
階段に座り込んで、膝に顔を埋めているカシスがいた。
小首を傾げながら、カシスに近づいていった。
「なに塞ぎ込んでんだよ」
『……キルア…』
顔を上げたカシスの表情は、何だか沈んでいた。
疑問に思いつつ、隣に座る。
「なんかあったのか?」
『……キルアってさ
”好き”って、言われたことある?』
「は?」
『言ったことは?』
「なっ、なんだよ…急に…」
俯くカシスからの思わぬ質問に、焦るキルア。
何故いきなりそんな事を聞くのか。
訳がわからないキルアは、カシスの言葉を待った。
『…曖昧な返事は、相手を一番傷つけるんだって』
「?」
『私さ……もしかしたら、クラピカをすごく傷つけたのかもしれない』
「は? なんでクラピカ?
てか、なんの……」
話か聞こうとした時。
ある仮定が頭を過ぎった。
カシスが、なんの話をしているのか。
それは
キルアにとって、嬉しくない話。
少しモヤモヤしながらも、確認した。
「告白でも、されたわけ?」
『………好きって…言ってくれた』
目を丸くしたキルア。
カシスに向けていた視線を、地面へと下ろした。
やっぱり…
抜け駆けしやがって
って、違うか…
先を越されたって言うのか
カシスは、何て返事したんだ?
急に気になったキルアは、カシスに再び視線を向けた。
・
「…ふ~ん
で、なんて答えたんだよ?」
不自然じゃないよう、冷静を装いながら聞いた。
様子からすると、OKしたって感じじゃない
だから意外に冷静になれたのかもしれない
『返事は…してない』
「…なんで?」
『…好きだって言ってくれて、もちろん嬉しかったよ
私もクラピカ、好きだし…
……でも』
わからない
これが、もし恋心だったとしても
やっぱり
今の私には、返事を返すことができない
だけど、このままにしておくのも…
黙ったままのカシスに、複雑な気分のキルア。
「迷ってんの?」
『ぇ?』
「なんて返事するか」
『……それ以前の話…かな』
「?」
一度キルアの方を向いたカシスは、伏せ目がちに視線を落とした。
広場の噴水の周りには、楽しそうにデートをする男女や、相手を待っている人。
どこもかしこもピンク色に染まっている。
その中にいる事に、嫌悪感はない。
カシスの小さな声が、ぽつりと響いた。
『………怖いんだ』
「こわい?」
『誰かを愛する事も
誰かに愛される事も……私は、怖い…』
その言葉の意味を、キルアはすぐに理解できた。
カシスは、親に捨てられた。
愛情を注がれ、幸せだった。
だが、疑わなかった愛情は
たやすく打ち砕かれた。
誰もがそうではない
頭では解っている
しかし
心が拒んでしまう
だから
答えられなかった
どうしたらいいのか、わからない
「心配いらねーと思うぜ?」
『?』
「”また、会おう”
クラピカは、そう言ったんだろ?
なら、心配いらねーよ」
『…クラピカ、私のこと嫌いになってないかな?』
「なってたら、”また”なんて言わねーだろ
アイツは」
『……そう…だよね
…うん
ありがとう、キルア
なんだかスッキリした!』
立ち上がり、階段を下りていくカシス。
…って
オレは、なに2人の仲を取り持ってんだよ…
ガックリ項垂れたキルアは、深く溜息を吐いた。
そして、それは無意識にキルアの口から出ていた。
「もし…
オレが、好きだって言ったら?」
『え?』
「っ……か、勘違いすんなよ!
もしもだよ、もしも!
オレとか…ゴンに言われたら、どうするんだよ」
慌てて補足するキルアに、眉毛を八の字にして笑った。
『困る…かな』
そう答え、戻ってきたビスケとゴンの元へ行ってしまった。
ポツンと残されたキルア。
……困る、か
今はまだ
言わない方がいい
それ以前に
今言えば、この関係を壊しかねない
それは、嫌だ
なら
振り向かせばいい
夢中にさせればいい
オレの事しか
考えられないように
そうすれば
断れねーだろ?
迷わねーだろ?
オレの事
好きにさせてやるよ
お前は
オレの獲物だからな
覚悟しろよ
カシス
・END・
13/1/3
22/12/21(修正)
◇明けまして、おめでとうございます!
今年も、ハンターでいきます☆
独占欲の強いキルアであってほしい(>_<)
だから、クラピカに告白された事実を伝えちゃいました☆
さぁ、これからどう行動するのか!?
些細な事で、幸せ感じちゃう・・とか
おさわり、増やしちゃう・・とか?