G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここに立つのは二度目。
「おかえり、キルア!! カシス!!」
ゴンの元気な声と笑顔に迎えられた。
と、喜びの再会はここまで。
ビスケに見せられたのは、出る前には無かった大量の呪文(スペル)カード。
ビスケとゴンでは、何をどうすればいいのか、いまいち判らなかったため、ゲームに強いキルアに聞くのが一番だと考えたのだ。
習うより慣れろ。
ということで、色々使ってみる事にした。
「とりあえず、こいつ使ってみろよ
今まで何人くらい遭ったか、チェックしてみよーぜ」
「”交信(コンタクト)”使用(オン)」
ゴンのバインダーにずらりと並んだプレイヤー名。 上から確認していくと、ある人物の名前が目に留まった。
「おい、ゴン…
一体いつ、こいつに遭ったんだ?」
「え?」
ゴンと共にカシスもバインダーを覗き込む。
そこにあった名前は
クロロ=ルシルフル。
ゴンに聞いても、ゲーム内では遭っていないという。 だとすると、お互い知らずにニアミスしたか、向こうだけが先に気づいたか。
仲間ハズレのビスケにゴンが説明をしている間、キルアはカシスに意見を求めた。
「どう思う?」
『う~ん…
考えられるのは、大きく分けて二つ
クロロ本人か、名前だけ借りた別人か
このゲームは、名前が自由に決められるからね
後者の場合でも、少なくともクロロに関係のある人物だと思うけど…』
「旅団の誰かってことか…
でも本人っだったとしても、どうやってゲーム内に入ったんだよ
アイツは、クラピカの念の刃で念能力が使えなくなってんだろ?」
GIをプレイするには、ゲーム機に”発”をしなければスタートしない。
その疑問に答えたのは、調度ゴンの話を聞き終わったビスケだった。
「あるわよ
念を外す方法」
ビスケは、”除念”と”除念師”のことを2人に話した。
何の目的で来たのかはわからないが、一応クラピカに連絡することにしたが。
『その必要はないよ』
「どうして?」
『クラピカには、もう伝えてあるから
除念のこと』
別れる際にクラピカには、伝えてある
クラピカも、それは予想していたみたいだったけど
それはいいとして
気になるな
この”クロロ”と名乗る人物
もし本人だとしたら
ヨークシンから、まだ半年も経っていないこの短期間で、除念師を見つけ、除念したということになる
別人だとしても、無関係とは思えない…
けど、ゴンのバインダーには、他の旅団員の名前はなかった
ということは、単独で行動しているのか
それとも除念自体、まだ終えていないのか
いずれにしても、今の段階では情報が少な過ぎる…か
「んじゃ、そろそろ始めようか」
その一言で修行開始!
と思いきや
「修行じゃないわさ
始めるのは、本格的なゲーム攻略!」
てなわけで、本格的にゲームスタート!
・
二ヶ月後。
57種のカードが集まった。
そんな時、他プレイヤーから召集の声が掛かった。
内容は、もうすぐクリアしそうな奴らがいる、というもの。
そこで、集まった6組でクリア阻止をするため、共同戦線を張るのだという。
クリアしそうな組は、ゲンスルー組・カード96種。
GI内を騒がせている、プレイヤー狩りの爆弾魔(ボマー)の組だ。
奴らのコンプリートを阻止するには、奴らがまだ持っていないカードナンバーを独占すること。
NO.2の”一坪の海岸線”だけは、どのプレイヤーにも入手されていない。
これを独占するため、入手場所であるソウフラビへ”同行(アカンパニー)”で飛んだ。
街へ着くと、まず手分けして聞き込みを開始した。
長期戦を予想していたが、案外すんなりと情報が出てきた。
どうやら、ある条件を満たさなければ発生しないイベントだったようだ。
レイザーと14人の悪魔。
この街を仕切っている海賊だそうだ。
場所を聞き、溜まり場になっている酒場へと向かった。
古びた扉を開けて中へ入ると、数人の男達が貸し切り状態で酒を飲んでいた。
「なんだ? テメェら
今日は、オレ達の貸し切りだ。 帰んな」
街から出て行くよう言ったが、当然のことながら、素直に応じるような連中ではない。
連中の中の一人、一番太った男・ボポボが前に出た。
「今すぐペシャンコにしてやりたいが、全ての決定権は船長(ボス)にある
相談なんて言わずによ、腕ずくでやってみろよ」
持っていた酒を周りにばらまき、火を放った。
すると、ボポボを中心に炎の土俵が出来上がった。
ボポボを土俵から外に出すことが出来たら、船長に会わせてくれるという。
自信があるのか、スキンヘッドの男が相手をするようだが…。
てんで話しにならない
強化系が聞いて呆れる
あの程度の”練”に時間かかり過ぎだし
修行不足がまるわかりだっつーの
思った通り、男はあっさりと負けた。
「さあ、どうした!?
ビビッちまったなら、さっさと…ん?」
嘲笑うボポボの視線に、何かが止まった。
「おい、そこの女」
『…?』
「ああ、お前だ
ちょっと前に出ろ」
周りを見渡し、自分を指差すと見事に指名されていたカシス。
素直に前に出ると、ボポボはいやらしい目つきに変わり、カシスを上から下まで舐め回すように見遣った。
その視線に嫌悪感を覚える。
「少しガキだが……
へへへ、どうだ? 今夜オレのベットの相手をするんなら、船長に会わせてやるぜ?」
『…』
「こんのヤロ~…
てめぇ、ふざっ」
『いいよ』
「なっ!? おい! カシス! 何言って」
『ただし
この勝負で、キルアが負けたらね』
キルアを制していた左手の親指で、後ろにいるキルアを指名した。
少し驚くキルアとボポボだが、キルアが相手と聞き笑い声が上がった。
「はっはっは!
いいぜ! オレを一歩でも動かせたら、勝ちにしてやる」
「……おいカシス、悪乗りすんなよなぁ」
『別にいいでしょ? 負ける要素がないんだし♪
それよりも、ちゃんと私の処女守ってよねv』
「ばっ…!!」
キルアの面白い反応に、ぷぷっと笑いながら、土俵へと送り出す。
ったく……
・
キルアはボポボの前から消え、カウンターにある酒を手に取った。
酒瓶の上部をへし折り、ボポボの頭からその酒を浴びせる。
同時に、指先に電気を走らせ発火させた。
当然、酒まみれのボポボの頭部は激しく燃え上がる。
助けに入る仲間達を、キルアは制止した。
「まだ勝負はついてない
この俵の外に出るまでは負けじゃない、だろ?」
堪らず、ボポボは転がりながら土俵の外へ出た。
だが、やられっぱなしで頭にキテいたのか、再びキルアに襲い掛かろうとする。
だが次の瞬間。
ボポボは思い切り吹っ飛んでいった。
連中の一人が、飛び蹴りを食らわしたのだ。
「てめェが約束したことだろ、キレてんじゃねーよ
ついて来な。 ボスに会わせてやる」
――
―――
案内されたのは、灯台を改造した要塞。
中に入り、学校の体育館のような部屋に通された。
そこには、同じような格好をした奴らが何人もいた。
その中で格別オーラの違う奴が一人。
こいつが親玉だろう。
早速、本題に入った。
スポーツ勝負をして先に8勝すれば、奴らはここから出て行くという。
簡単に言えば
勝てば、”一坪の海岸線”をゲット出来るということだ。
最初の勝負は、ボクシング。
――
―――
―――――
「あんたは、どうすんの?」
「お前らと同じさ
もっと強い仲間を探す
続ける気だろ? このイベント
でなきゃ、あの作戦変更は意味ないからな」
結局、戦力不足だと判断したキルア達は、情報収集に切り替えたのだ。
パーティーを入れ換えて、8勝できるメンバーを集めるために。
そして、もう一つ。
”一坪の海岸線”のカード化限度枚数は、たったの3枚。
仲間割れの危険を回避するためでもある。
しかし、そうなると最低でもあと3人の手練が必要だ。
3人組の手練なら、言うことはないのだが…。
前途多難?
・END・
12/12/9
22/12/21(修正)
↓おまけ
本格的にゲームを始めるため、移動を開始していた一行。
ゴンとカシスが話しながら前を走っている中、ビスケは隣を走るキルアに声を掛けた。
「で? 現実(向こう)で、何か進展はあったわけ?」
「何だよ、進展って」
「まったまた~、とぼけちゃって!
カシスと何かあったのかって聞いてんのよ!」
「……あるわけねーだろ」
「えぇ~! 何も? 二人っきりだったのに?
あんた、何もしなかったわけ!?
せっかくのチャンスなのに、アプローチも何もしなかったなんて…男として全っ然ダメね」
「(ムカッ!
つーか、何でビスケにんなこと言われなきゃいけないんだよ!
意味わかんねーし」
「だってアンタ、カシスの事好きなんでしょ?
ああいうお固い子には、ちょっとしたアプローチの積み重ねが大事なんだわさ!」
「なっ……」
「フフフv
バレないとでも思ってた?
伊達に長年女やってるわけじゃないわさ♪
で? で? 実際、どうだったのよ!」
「二人とも! 大木が見えてきたよ!」
「お! あそこか、オオクワガタがゲット出来る木は♪」
「あ! こら、キルア!
チッ、逃げられたか」
でも
あの様子からすると、キルアがカシスに惚れてるのは、間違いなさそうだわさv
あぁ~、いいわね~!
青春って感じで♪
新たな楽しみを見つけ出したビスケ。
逆に、とんだネタを握られてしまったキルアは、少々危機感を覚えたのだった。
キスの事は、ぜってー言わねぇ…
・おわり・