G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕飯も終わり、カシスはベットで本を読み、キルアは広いスペースで基礎修行。
すると、キルアから疑問の声が上がった。
「そういやぁ、何でツインにしたんだ?」
部屋の事だろう。
確かに、キルアを待つ間だけ泊まるのであれば、シングルにするのが普通だ。
『一応、休んでから戻るつもりだったから』
「ふ~ん
じゃあ、今日は泊まるってこと?」
『そうだね
明日、出発かな』
また、暫くの沈黙。
「なぁ、カシス」
『ん~?』
「今日中に合格して戻ってきたら、ご褒美くれるって約束」
『…』
「♪」
読んでいた本から視線を上げると、ベットの縁に両腕と顔を乗せ、こちらを見ているキルアと目が合った。
猫のような目に、してやったりの顔。
どんだけ期待してたんだか
もしかして、ホントはこのために早く終わらせたんじゃ…
疑いの眼差しを向けるカシスだが、約束は約束だ。
『あんま高いのは却下するから』
「心配すんなよ。 金は使わねーから」
『……(何を要求する気だ…?)
じゃあ、なに?』
ニヤリと笑うキルア。
そのままベットに上がり、カシスの隣に座った。
「キス」
少しの沈黙。
…なんだ、ただのチューか
もっと、ヘンなことを要求されるかと…
ほっぺにチューなんて、子供だなぁ
と、心で笑いながら早速済ませようと読んでいた本を枕元に置き、キルアに近寄る。
ほっぺに顔を寄せるが、キルアはそれを制した。
『なに?』
「してくれんのもいいけど、今回はオレがする」
『なんで? ご褒美なんでしょ?』
「いいんだよ! オレがしたいから」
よくわからない事を言いながら、キルアに肩を押され少し距離を置かれた。
まぁ
本人がしたいって言ってるんだから、別にいいけどさ
その方が楽だし
「ほら、目ぇ閉じろよ」
『はいはい』
何の疑いもせず目を閉じるカシス。
その無防備さに、少しの溜息。
なんつーか
ここまでくると、呆れる
それとも、それだけ心を許してくれているのか
「(…睫毛なげーな)」
『キルア~? まだ?』
だから
勘違いしそうになる
カシスにとって、オレは
”特別”なんじゃないかって
ベットの上にあるカシスの手にそっと手を重ねた。
そして小さなその唇に、自分の唇を重ねる。
・
ん?
来るであろう感触が、想像と全く違ったところにきた。
そのせいか、カシスの思考を停止させた。
あれ?
こっち?
キルアの胸を押し、唇を少し離した。
「なんだよ?」
『なんだよ、じゃない
ご褒美のチューと言ったら、ほっぺでしょ』
「何で? オレ、ほっぺにするなんて言ってないし
それに、ちゃんと”キス”って言っただろ?」
……私としたことが…ハメられた
てっきり、ほっぺだと思って…
いや、少し考えたらわかることだった
相手はキルア
これがゴンだったら、間違いなくほっぺにチューだったのに…
迂闊(ウカツ)だった
「もういいだろ?」
『へっ! 待て待て! もうしたでしょ!!』
己の思考の甘さに打ちひしがれていると、続きを要求してくるキルア。
そんなキルアの両頬を必死で止めに入った。
「今のは、カシスが勝手に離したんだろ
だから、まだ終わってない」
『うっ…
ぁあ…で、でも、ほら!
前にも言ったでしょ!? こういうことは、好き同士じゃないと』
「はぁ…
カシス、コレただのご褒美だぜ?
それとも、カシスはオレの事、そういう風に見てるわけ?」
『………それはない』
「(キッパリ否定すんなよ)
なら、深く考えんなって」
ニッコリ笑ったキルアは、再び口づけをした。
こういう”キス”の意味もあるのか…と何故か納得してしまった
なんか、言いくるめられた気もするけど…
すると、唇をトントンと何かにノックされた。
…ん? なに?
意味がわからず、目を開いてキルアに瞳で訴えた。
ほんの数ミリ唇を離し、一言。
「…口、開いて」
すると今度は、さっきよりも深く、優しく口づけた。
え?
くち?
と考えている間に、口が勝手に開いていたのだろう。
その隙間から、キルアの舌が侵入。
カシスの舌先にチロっと触った。
びっくりしたカシスは、反射的に後ろに下がろうとするが、それは叶わぬ夢。
キルアの左手がしっかりとカシスの後頭部を抑え、右手でぐっと身体を寄せていた。
身長差もあり、自然と上を向く形になる。
……っ!
前に、キルアに無理矢理された時のことが脳裏に過り、身体が強張った。
しかし、キルアは無理矢理入ってくることは無く、カシスの様子を見ながらゆっくりと触れる面積を広げていった。
次第に優しく舌は絡まっていく。
『……んっ』
キルアの肩下を少し押した。
だが、左手はキルアの手に包まれ、そこから離されてしまった。
包まれたその手も、優しく指を絡め取られる。
・
不思議と、抵抗はしなかった。
約束だったっていうのもあるが、普通はここまでしないし、させない。
それは、カシス自身思ったことだ。
言えば、キルアは止めてくれる。
それも分かっていた。
なら
何故、抵抗しないのか
キルアの触れてくるすべてが
とても優しかったから
繋がる唇も
触れられる手も
以前のものとは、まるで違う
一つ一つの行為が、割れ物を扱うように優しい
抵抗しないんじゃない
できなかった
その優しさが
本当に温かかくて
心地良かった
キルアが
誰かが側にいてくれる
それだけで、すごく安心したから
ねっとりとした舌を、ゆっくりと味わうように絡ませる。
そんなキルアに、カシスの頭は麻痺したように思考が停止していた。
『………っ…んっ』
何度も角度を変え、深く更に深く繋がろうとする。
その行為に、カシスの口からたまに漏れる小さな甘い声。
それが、キルアの小さな心臓の鼓動を速めていた。
正直、抵抗されるか怒られるかすると思った
ここまでさせてくれるとは思わなかった
抵抗されたら、やめるつもりだったし
だが
普段、聞くことの出来ないカシスの甘い声に、興奮した自分を抑えられるはずもなかった。
そのまま、ゆっくりとベットへ沈ませる。
漸く離れた唇からは、銀の糸が繋がり、ぷつりと切れた。
『はぁ………キル、ア…』
〜っっ!
なんつー顔してんだ!!
潤んだ瞳と、濡れた唇。
ぼーっとした感じに、ほんのりと色付く頬。
めったに見られない表情だ。
簡単に理性を打ち砕かれたキルアは、ほぼ無意識にカシスの首筋に顔を埋めた。
同時に、キャミソールの肩紐を肩から外す。
『っ!!』
ビックリしたのか、カシスの肩が跳ねたのがわかった。
これ以上は…ヤバイって
頭ではわかっているが、それとは裏腹に興奮した身体は止められない。
カシスの首筋に舌を這わせる。
このまま
最後まで……
キルアの右手が、カシスの柔らかい胸に触れた瞬間だった。
鈍い音と同時に、キルアからは小さなうめき声が上がった。
半壊状態の顔で固まったキルアは、横に倒れてベットの下へと転げ落ちていった。
ベットの上から覗き込むと、小さく震えながらうずくまっている姿があった。
それを冷たい視線で見下ろす。
『ご褒美は終わりでいいんだよね? キルア君?』
「ぁ、あぁ………サン…キュー……な…」
覗かせた顔をニッコリスマイルにしながらも、額には青筋を浮かべていたカシスさん。
『んじゃ、私寝るから
ちゃんとベットで寝なさいよ』
手際良く、部屋の電気を消した。
おやすみ~。の台詞に寂しさが込み上げるキルア。
……カシスの奴
確かに
さっきはヤバかったし、オレが悪かったけど
抵抗すんなら、もっとかわいらしく抵抗しろよな~
股間蹴るとか、有りえねぇ………
興奮していた分、かなり効いたのだろう。
カシスがベットに入った後も数分、その場で悶え苦しんでいたキルア君でした。
あぁ……失敗した
・END・
12/11/12
22/12/21(修正)
→おまけ
漸くベットに潜り込めたキルアが、眠りについた頃。
そっと瞳を開いた。
さっきまで触れていた唇に、指先で触れた。
とくん
とくん…
いつもよりも少し速くなった自分の心音。
ただの
ご褒美…だよね
そんなわけ、ないよね
私とキルアは
友達だから
ただのご褒美
それ以上でも、それ以下でもない
だから…
これ以上は、考えちゃいけない
考えたくない
もっと頑丈に鍵をかけて
私の中に
心に
入られないように
心の奥底に しまい込んで
掛け布団を深く被り直し、カシスも眠りについた。
・おわり・