G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
無事に、ビースカフマロへ到着した2人。
「試験の間、カシスはどうすんだ?」
『ここの近くのホテルに泊ってるよ
チェックインしたら、場所をメールしとくから』
「んじゃ、ソッコーで合格してくるわ」
『キルア!』
「ん?」
『くれぐれも、念は使わない事!
あと』
「”試験中は、念の修行禁止”だろ」
『よろしい
頑張って!』
手を振り、キルアの背中を見送るが、その背中はくるりと再びこちらを向いた。
「あのさ、カシス」
『?』
「ソッコーで合格したら、何かご褒美くれねぇ?」
『…………何で?』
「その方が、やる気出るから」
『……いいよ
ただし! 今日中に合格して、帰ってきたらね♪』
「(こいつ……くれる気さらさらねーな)」
笑顔で言うカシスを背に、ぶーたれるキルアは、さっさと試験会場へと向かった。
見送った後、一先ず近くのホテルへ行き宿を取った。
821と書かれたカードキーを持って部屋へ向かう。
ドアを開けると、20畳はある部屋に、ベットが2つ並んでいた。
『なかなか良い部屋じゃん』
さて
どれくらいで終わるかな? ハンター試験
去年は、約一カ月くらいだったから、それくらいは見積もっといた方がいいかな
まぁ
今日中は、無理だろう
そう高を括(クク)ったが、それを打ち砕かれたのは、今から数時間後の事だった。
――
―――
―――――
久々のベットにコロコロ転がっていると、部屋のドアがノックされた。
はて? ルームサービスなど頼んだかしら…
と、閉じそうだった瞼を上げ、部屋のドアを開けた。
「よぉ」
『………』
…夢?
それとも幻覚…か?
全く予想だにしなかった人物に、思わずドアを閉めてしまった。
が、キルアの足によって、それは妨げられた。 そして、勢い良く開けられる扉。
「ちょっと待て! 何で閉めるんだよ!!」
『あぁ、ごめんごめん
キルアに良く似た不審者かと…』
「んなわけあるか!!」
いきなりのボケに、ご立腹のキルアを部屋へと招き入れた。
『っていうか、早くない?』
「当たり前だろ」
『あ! さては、面倒臭くなって試験を途中放棄したな!』
「アホか!
何のために、こっちに帰って来たんだよ!!」
と、カシスの目の前に突き出されたのは、真新しいライセンスカード。
それをマジマジと見ながら、感嘆の声を上げた。
ちゃんとハンター試験に合格してきたようだ。
それにしても、早過ぎる。
キルアと別れたのは、今から数時間前の事。
一体、どんな試験内容だったのだろうか。
キルアによると、一次試験はとにかく人数を絞るために、ナンバープレートを奪い合う。 いわゆる、バトルロワイヤル的な内容だったようだ。
手っ取り早く済ませたかったキルアは、全員を気絶させ合格したのだと。
『…他の受験生、可愛そうね』
「ま、来年また受ければいいだけじゃん
今年は、運が悪かったんだよ
あ、風呂入っていい?」
『はぁ…どうぞ、お入りください』
風呂場へ入って行くキルア。
全く…
まぁ、今のキルアの実力じゃ、当然の結果だけど
運も実力の内
それはキルア自身にも言える事
もしこれが、去年だったら?
まず、こんな合格は出来なかった
念能力者がいなかった
それが合格できた要因
『ま、何はともあれ
合格できたんだから、お祝いでもしてあげようかな』
ホテル備え付けの電話で、フロントへ連絡をした。
・
数十分後。
風呂から上がったキルアが出てきた。
「お! 何だよ、めっちゃウマそうじゃん!」
『無事に合格できたからね
お祝いがてら用意したの』
目の前には、食欲をそそる料理がずらりと並んでいた。
先程ルームサービスを頼んでおいたのだ。
早速、一口食べようとしていたキルアの手をぺチンと叩く。
『の前に、服着なさい! 服!』
「別にいいだろ? 下は履いてんだから」
『はぁ…。風呂上がりのレオリオみたいな事してんじゃないの!
風邪引くでしょうが!』
言うのと同時に、キルアの上着を投げ付けた。
『私もお風呂入ってくるけど、ちゃんと着てから食べるんだよ!』
ビシッと注意をし、カシスは風呂場へと消えていった。
残ったキルアは、少し不貞腐れた顔。
でも、なんだか嬉しそうにも見えた。
言われた通り、服を着てから食べ始めたキルア。
お! ウマイ!
ちょうど腹減ってたしな♪
どんどん食が進んだ。
夢中になってると、いつの間にかカシスが風呂から出て来ていた。
『どう? おいし?』
「ああ、けっこうイケるぜ!」
フルーツの盛り合わせから、葡萄を一粒つまみ口に入れたカシス。
その姿に、手に持っていたフォークが止まった。
キルアの視線の先には、キャミソールに短パン。 下ろした濡れ髪と、火照った肌。
普段、全く見ない艶(ナマ)めかしい姿だ。
カシスは、冷蔵庫からミネラルウォーターを出し、口に含んだ。
「やっぱり、ノーブラ」
『っっ!!!?』
背後から、ビローンとキャミソールの中を覗かれたカシスは、驚きの余り、奇声と同時に振り向いた。
そこには、普通の顔したキルアがしれっと立っていた。
『な、何すんのよ!! この変態!!』
「変態って…
んな格好してる方が悪いだろ
おまけにノーブラって、裸と変わんねーじゃん」
『は、裸!?』
「オレがいること忘れてねーだろうなぁ
男がいる部屋で下着も付けないなんて、恥ずかし奴(笑」
じりじりとカシスの羞恥心を煽るキルア。 思惑通り、カシスは噴火した。
『~~っぅ、うるさい!! あほキルア!
あんたの思考の方が、よっぽど恥ずかしいわ!!
師匠にだって、言われたことなかったのにー!!』
勢い良く風呂場へと駆け込んで行ったカシス。
それに安心したのか、やれやれの表情のキルア。
ったく
アホはお前だっつーの
椅子に座り直し、机に突っ伏した。
煩い心音に、顔に熱が集まっているのが分かる。
風呂上がりってだけでヤバイのに
あんな……
先程の、カシスの艶めかしい姿を思い出した。
胸の形が丸見えだっつーの!
でも、アイツ…
思ったよりムネあんだな…
出てきたカシスは、平静を装っていたが、少しからかってみると案の定、噛み付かれた。
にしてもだ
実際
あいつは、男の前であんなにも無防備になんのか?
師匠に言われた事ないってことは、ゴンの親父の前では、あの格好は普通だったってことだよな
念の前に、まずその辺を教えろよな~
それとも
やっぱオレの事を男として見てねー…とか
…そっちの方が有り得る
ゴンと同じで、弟みたいに思ってんじゃ…
なら
「そうだカシス
ご褒美くれるって約束だったよな?」
男だって
意識させてやる
・END・
12/10/31
22/12/20(修正)