G.I編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「じゃあ、ハンター試験の前までジンといたの?」
『3週間くらい前までね
いきなり”試験を受けて来い”って言われて』
「そうなんだ」
『そこまではいいのよ! 問題はその後!
あの人で無し、何したと思う?!』
「……何したの?」
『上空約500メートルを飛行中の怪鳥から、あろう事か弟子を突き落としたのよ!!
ありえない……
人として、あるまじき行動だわ!』
前を歩くゴンとカシスは、ジンの話で盛り上がり中。
その後ろを付いて歩く、キルアとビスケ。
中でもキルアに至っては、機嫌が良いとは決して言えない。
ポケットに手を突っ込みながら、ムスッとした顔だ。
カシスの師匠がゴンの親父だってのは、正直ビックリしたけど
―『ハンターとしては、すごく尊敬してる
私の憧れであり、目標でもある人』―
恋する乙女みたいな顔しやがって……
モンモンとしているキルアの横を並んで歩くビスケ。
その表情を不思議そうに覗き込む。
「何拗ねた顔してんのよ」
「っ! ……別に
それよりカシスと知り合いだったんだな」
「今回は、あの子が誘ってくれたのよ!」
「ふ~ん」
そうなんだ……とでも言いたげな返事。
「何? 知らなかったわけ? 友達なのに」
師匠であるジンの事も含めてだろう。
「聞かなかったのもあるし
それに
他人には言えない事の一つや二つ、誰にだってあるだろ」
キルアの意外な答えに内心驚いたビスケ。
おや
意外に気を遣ってんのね
づかづか聞きそうなタイプだと思ったのに
3時間ほど歩くと、前方に大きな球体が無数に浮かんでいるのが見えた。
魔法都市・マサドラ。
アントキバとは、また違った雰囲気の街だ。
一先ず、ビスケの指示通り、デパートへ行く事になった。
「コレとコレと……コレもいるわね」
『そんな物、何に使うの?』
「原石を磨く道具だわさ♪」
『………』
怪しく微笑むビスケに、顔が引き攣(ツ)った。
せっかくマサドラに来たというのに、呪文(スペル)カードを買わず、元の岩石地帯へ戻る事になった。
戻った所でビスケは、先程買った物を”ゲイン”で元に戻した。
出てきたのは、シャベルやトロッコ。
「では、これからマサドラへ向かう
ただし
今度は文字通り、本当に真っ直ぐ進んで行く!!」
「え………真っ直ぐって、岩山は?
もしかして……」
「そ! 掘るのv
それから、カシスはこっちね!」
と、渡されたのは、子供が砂場で使うスコップ。
『え…私もやるの?』
「当然! あんたの今の実力も見ときたいし
それから、カシスは往復2時間で帰ってくる事!」
『2時間?!
……ビスケの鬼』
「なぁに?」
『なんでもないです』
スコップを持ち、先に始めている2人の隣の岩山から進むことにした。
まさか、私もやるはめになるとは……
2時間で行って帰ってくるとなると、本気でやらないとマズイなぁ…
それも計算しての2時間だと思うし
『よし! やるか!』
スコップをオーラで強化していく。
”纏”の応用技”周”。
ビスケの狙いは分かってる
2人の念能力の基礎を向上させること
土台がしっかりしてないと、その上にスキルは積み上がらないからね
ザクザクと、まるでプリンをすくうように岩山を掘り進めて行く。
2分もしないうちに、大きな岩山は開通してしまった。
思ったより速いわね
スコップに纏うオーラを最小限に抑え
掘る穴も、あの2人に比べたら確実に小さい
人一人通れるくらいの大きさに抑えて、掘る面積を少なくする
なかなか考えたわね
・
すでに日も暮れ、星が輝き始めた頃。
「開い……たァ」
「もう……ダメ…」
ドサリと仰向けに倒れ込む2人。
恐らく、200メートル程しか進んでいないだろう。
だが疲労は、昨日の100倍くらい。
『お疲れ様』
2人を覗き込むカシスに、どれくらい進んだか聞いた。
『私はもう終わったよ』
「なっ」
「…んだよ、それ……」
「当り前だわさ!
カシスはあんた達より、ずっと前から念の修行をしてるんだから
これくらい差があって当然」
それを言われたら、何も言えない。
修行をしながら、数週間かけて漸くマサドラに到着した。
「よーし!
じゃ、また元の場所に戻るわよ!!」
「「また!?」」
というわけで、三度目のスタート地点。
今度は、岩石地帯で遭遇したモンスターを全種類ゲットする事。
「カシス、ここに来る途中、どれだけのモンスターに遭遇した?」
考えるカシスはバインダーを出し、ビスケに見せた。
フリーポケットには、沢山のモンスターカード。
『これくらいかな』
「オレ達が倒せなかったモンスターも全部あるぜ」
「カシスってやっぱ凄い!」
『あはは…』
素直に褒めてくれるゴンだが、正直それほど嬉しくはない。
苦労をして倒したと言うよりも、先へ進むのに邪魔だったから、と言うのが本音だからだ。
「これくらい出来て当然!
それに、今のあんた達でも倒せないモンスターはいないわよ」
「ホントに?!」
「もしも、倒すために足りない物があるとすれば
敵を観察し、分析する力」
早速、修行に入った。
よく考えてあるゲームだ
順序良く進めて行けば、確実に強くなれるよう設計されている
恐らく、全ては
ゴンを強く育てるため
だよね
師匠
――
―――
―――――
数週間後。
2人共、課題のモンスターを全てゲットできた。
次の修行は、念による攻撃と防御。
”纏”
”絶”
”練”
”発”
”凝”
全てを複合した応用技。
”硬”
体中のオーラを全て体の一部に集め、攻撃する。 それ故、通常の攻撃を遥かに上回る威力がある。
これを、”纏”と”練”の応用技”堅”を使って、”硬”で強化した拳を全て受けて防ぐ事。
「ゴンはあたしと
キルアはカシスと、ペアでやるわよ」
・
実践、系統別の修行と徐々に力を付けてきた2人。
「じゃ、今日は休みにしようかしらね
ちょっと早いけど、パーティーでもやる?」
「え?」
「んふふ
修行に夢中で気付かなかったでしょ?
もうすぐ外の世界は新年よ」
『ゲームの中でも、外と同じ時間の流れだからね』
新年と聞き、ゴンがある事に気付いた。
「しまった……!!」
「ん?」
「ハンター試験!!」
・END・
12/10/9
22/12/20(修正)