ヨークシン編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ダメだ…何も浮かばないよ」
何か糸口はないかと試行錯誤してはみるが、これといった必殺技は思いつかない。
『だいぶ煮詰まってるみたいだね』
「カシス!」
入口に目を向けると、出掛けていたカシスが顔を覗かせていた。
そうだ!
カシスなら、何かヒントになるような事を教えてくれるかも!
早速、カシスに相談をしてみた。
『いい? ゴン
結論から言うと、強化系に必殺技なんていらないんだよ』
「え! 何で?」
『6つの系統の中で最も攻守のバランスが良いから
単純に言うと、”纏”と”練”を極めていけば、それが必殺技と呼べる程凄い威力になる
だから、”纏”と”練”を毎日続けていくのが一番の近道よ!』
「それじゃ、間に合わないよ~!」
これは
かなり焦ってるな
まぁ
キルアは既に”発”の修業に入ってるからな
『さっきも言ったけど、強化系に必殺技は必要ない
ゴンがその人に見せたのは、普通の”練”だけでしょ?』
「うん」
『なら、今度は全て同時に見せてみて!』
「全て…を?」
『そ。
ゴンが今までに覚えた念能力を全部、同時に!
私から言えるのはここまでだよ』
パタリと部屋の扉を閉めた。
頑張れ! ゴン
――
―――
2人が部屋に籠って丸3日が経った。
「え!?
カシスとクラピカ、帰っちゃったの!?」
「また会えるし、今は修業頑張れってよ」
「え〜…
よかったのに、そんなの…」
残念と思いつつも、選考会は明日に迫っていた。
2人共部屋に籠り、最後の追い上げにかかった。
・
「ふぅ~…」
汗だくになったキルアは、一休みするため窓辺に座った。
外から吹き込むそよ風が心地良い。
また
暫くは
会えねーのか……
「つーか
行くんなら顔ぐらい見せてから行けよな!」
……………。
あ~~~~~~~!!
はぁ…
銀色の髪をクシャクシャに掻き乱して、乙女な自分を恥じらう。
好きだって気付くだけで、こうなんのかよ……
もっと
一緒にいたいって
思っちまう
また、クラピカと一緒か……
あん時は感謝したけど、実際クラピカも好きなんだよな…あいつの事
あいつは
どう、思ってんだろう……
上手く事が進まないのが、恋というものだ。
――
―――
―――――
ノストラード氏の屋敷へ行くと、あれだけいた護衛がダルツォルネを含め、半分以下になっていた。
今回の依頼は、ヨークシンから帰るまでの護衛。
既に依頼を終え、帰って行った者もいる。
カシスもその中の1人だ。
ノストラード氏に強く引き止められたが、丁重に断った。
本来の目的は果たした。
これ以上、彼につく必要はなくなったのだ。
屋敷の外まで、クラピカが見送りに来てくれた。
『ここでいいよ、クラピカ』
「ああ…」
歯切れの悪い返事。
何か言いたそうだ。
『無責任だと思ってる?』
「…いや
むしろ、潔いだろう」
あれだけの働きをして、当初の依頼金のみで手を打ったのだ。 追加報酬を要求してもいいくらいなのに。
仕方がない。 念能力を失ったネオンに、ノストラード氏は酷く混乱していた。
それに、お金には困っていない。 引き止められる方が、カシスにとって厄介なのだ。
『クラピカ』
この事は
伝えてもいいのだろうか…
むしろ
伝えるべきか
クラピカ自身も、分かっている事かもしれない
黙るカシスを、不思議そうに見遣る。
『いずれ、戻るよ』
「?」
『クラピカの念を解いて、クロロは必ず蜘蛛に戻る』
「! やはり、そうか……
念をかける事が出来るんだ
解く方法もあるのではないかと思っていた」
『”除念”っていうの
特殊な念能力を持った、除念師と言われる人を探し出せれば、解く事が出来る
だけど、除念師は世界に数えられるほどしかいないから、探し出すのも難儀
でもクロロなら、探し出すと思う』
険しい表情になるクラピカ。
当り前だ。
今回は、クロロを蜘蛛から離せはしたものの、それは一時的なもの。
何も、終わっていないのだ。
『ま、無理はしないでよ!
命あっての物種だからね』
「……ああ」
微笑むクラピカに、今度は大丈夫かなって思った。
・
それじゃ、と背中を向け離れるカシスの手を、ぎゅっと掴んだ。
『! ……クラピカ?』
振り返ったカシスの瞳には、切なげな表情をしたクラピカが映った。
どうしたのか、再び面と向かい合う。
「……ずっと考えていた事がある
カシス
私の、パートナーになってほしい」
『パートナー?』
「カシスなら、仕事のパートナーに申し分ない」
『クラピカ…』
そんな風に思っていてくれたなんて
なんだか、嬉しいな
「出来れば、仕事だけではなく……プライベートでも」
『……?』
プライベート……?
えっ…?
それって……
「好きだ…カシス」
突然の告白に、ポッポッと段々顔が赤くなっていくのが自分でもわかった。
生まれて初めて異性から、愛の告白とやらをされたのだ。
真剣に。
きゅっと握られた手に、徐々に視線が下がっていく。
ドキドキと鳴り響く心音を、深呼吸で落ち着かせる。
『……ありがとう
でも、今はクラピカと組むつもりはないよ
クラピカの抱えているモノが、全部片づいたら
その時は、喜んでパートナーとして一緒に仕事がしたい』
「……」
『だから……今は………』
「…カシス」
そう答えるので 精一杯
貴方の
その真っ直ぐな想い
嬉しい半面
私にとって とても 受け入れ難いもの
だから
今の私には その想いに
YESとも
NOとも
答える事が 出来ない
『もう、行くね』
「カシス」
『!!』
強く抱き寄せられた。
愛おしそうに
切なそうに
「元気で
また、会おう」
そう耳元で囁くと、ふわりと離れていった。
『うん』
その時のクラピカは
とても優しく微笑んでくれた
本当に
綺麗な笑顔で
ありがとう クラピカ
貴方に出会えて
良かった
・END・
12/9/1
22/12/17(修正)
◇今回でヨークシン編は、終了です!!
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました(>_<)
次回からは、GI編へ突入していきます☆
キルアと、どう絡ませようか今からウハウハですvV
今後とも宜しくお願いします!!