ヨークシン編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
クラピカが出て行ってから、どれくらい経っただろう。
時計の針は、丑三つ時をさしていた。 しかし、眠りにつく者は誰一人としていない。
すると、窓から外を眺めていたカシスの携帯が静かに鳴った。 皆、クラピカかと思い視線を集める。
が、携帯のディスプレイには違う名前。
首を横に振り、クラピカでない事を伝えた。
そして、そのまま部屋を出た。
廊下の窓に寄り掛かり、今だに鳴り響く着信音を切った。
――
―――
―――――
ゴン、レオリオがスヤスヤと夢の中にいる頃。 窓辺には寝付けないのか、キルアの姿があった。
はぁ…
溜息を吐き、携帯を見つめる。
その眼差しは、どこか寂しげな雰囲気だ。
メールしても、返答なし
そんなに忙しいのか…?
まぁ
旅団の奴らが、こんだけ騒ぎ起してるからな…
徐(オモムロ)に携帯を操作し、左耳に当てた。
…出るわけない、よな
そう思いつつも頭の片隅で、もしかしたら…なんて淡い期待をしている自分がいる。
出ないと思いながらも、数回のコールを聞いていた。
やっぱりな…
電話を切ろうと、耳から離した時だった。
『--もしもし?』
「!!」
………出た
・
電話に出て数秒が経った。
相手からの返事は無い。
『……』
「……」
『おーい、キルアでしょ?』
「……」
『…用無いなら切るけど』
「……会いたい」
『ん?』
「カシスに会いたい」
たった一言
まるで、消え入りそうな
いつもと違う声色
何かあったのか
いつものキルアじゃなかった
だから、なるべく優しく聞いた
『…どうしたの? 何かあった?』
「………ぶっ
冗談だよ! もしかして、本気にした?」
少し間を空けて、キルアからは、いつも通りの憎まれ口が返ってきた。
『嘘』
さっきの声は、冗談でも何でもない
一緒に過ごした時間は、そう長くは無いけど
だけど
冗談かどうかくらい、分かる
そう、まるで
寂しがりの子供みたいな…
キルアからの返事が無いことから、冗談ではないと確信できる。
カシスは小さく溜息を吐き、廊下にある古時計に目をやる。
『競売市場にある噴水、わかる?』
「え? …ああ」
『じゃあ
明日、19時に噴水の前で』
「…………は? 明日!?」
『何? 都合悪い?』
「いや…大丈夫だけど
……時間取れんの?」
『まぁ…明日なら、何とか』
「…わかった
じゃ、明日」
ピッと電話を切った。
マジで?
…駄目元って、やってみるもんだな
思いながら、嬉しさの余り顔が緩んでしまっているキルア。
意気揚々のまま、ベットに入っていった。
「~♪」
「(…青春だぁね~)」
その一部始終を聞いていたレオリオ氏であった。
・END・
12/5/19
22/12/13(修正)