天空闘技場編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
天空闘技場200階。
エレベーターを降りると、禍々(マガマガ)しいオーラが行く手を阻むかのように充満している。
常人では、エレベーターを出る事すら出来ないだろう。
その中を突き進んで行く2人。
ゴンとキルア。
つい数時間前までは、廊下の半分も進めなかった彼等だが、今は難無くクリアした。
そして、この禍々しいオーラを放つ人物の前まで来た。
「200階クラスへようこそ♥
洗礼は、受けずにすみそうだね♦」
禍々しいオーラを放っていたのはヒソカだった。
ここから先は、念能力がない限り生き残れはしない。
だからヒソカは、2人に試練を与えたのだ。
念とは、誰しもが体内に持っているオーラの事。
それをコントロールする力が念能力だ。
今の状況はゴンにとっては好都合。 ヒソカを探す手間が省けたというもの。
「纏を覚えたくらいで、いい気になるなよ♠
念は奥が深い♦
はっきり言って、今のキミと戦う気は全くない♣
だが
このクラスで一度でも勝つ事が出来たら、相手になろう♥」
そうゴンに告げ、立ち去ろうとしたヒソカは、再び2人の方へ向いた。
「そうそう♦ ここまで来たご褒美に、良い情報を教えてあげよう♥」
「良い情報?」
「3日くらい前まで、あの子がここにいたよ♦」
「あの子?」
「ハンター試験で、キミ達と一緒にいた女の子♥」
「「!!」」
2人は同時に顔を見合わせた。
カシスだ!?
ゾルディック家を後にしたカシスは、ハンター試験が行われていたホテルへと戻った。
少し怒られたものの、無事ハンター証を受け取る事が出来た。
その後。
資金調達の為に、天空闘技場へ向かったのだ。
――
―――
上りのエレベーターの中、壁に凭れながら、エレベーターの到着を待つカシス。
軽い電子音と共に、エレベーターも止まった。
『ここも変わらないな~』
受付に向かいながら、懐かしむ。
カシスは、以前にもここへ来た事があったのだ。
懐かしさに浸っていると、知ったオーラがカシスに向けられていた。
構わず進むカシスを出迎えたのは…。
『…やっぱり』
「やぁ♥」
受付のある広いロビーに、ヒソカは座っていた。
『何でアンタがいるわけ?』
「愚問だなぁ♦
キミとボクは、引き合う運命なんだ♥」
『すいませ~ん!
受付お願いしま~す』
ヒソカの目の前にいたカシスは、既に受付の前に移動していた。
『対戦はいつでも
でも、なるべく早い方がいいな』
『畏まりました
こちらが、お部屋の鍵になります』
カウンターに置かれた鍵に手を伸ばすと、直ぐ隣にカシスとは二回りほど大きな手が置かれた。
背後にピタリとついたヒソカは体を屈め、カシスの耳元へ顔を近づける。
「相変わらず、冷たいなぁ♦
ボクはただ、キミともう一度戦いたいだけなんだ♠
本気で♥」
ヒソカの誘いを無視するかのように鍵を握りしめ、部屋へ向かった。
その後ろを、ストーカーの様に付いてくるヒソカ。
『いつまでついて来る気よ』
「キミの返事が聞けるまで♦
まぁ、このまま部屋までい」
『戦いません!』
即効、返事を返した。
コイツの冗談は、冗談に聞こえない
部屋の鍵を開け、扉を開ける。
『言っとくけど、アンタが対戦相手なら、私は棄権するから!
それに、こんな所で本気で戦えるわけないし!』
言い放つが、そんな事で怯むヒソカではない。
開いた扉にカシスを押しつけ、顎を持ち上げる。
「威勢が良いのは嫌いじゃない♦
でも
キミはもう少し警戒心を持つべきだ♠
このままキミを、部屋に連れ込むことだって簡単な事♥」
ヒソカは、ぐっと顔を近づけた。
・
「そのまま部屋に連れ込んだわけじゃねーだろうな」
「ご想像にお任せするよ♥」
「(怒」
「??」
キルアから、殺気立ったオーラがヒソカにぶつかった。
楽しそうな表情のヒソカと、2人を交互に見ながら慌てふためくゴン。
2人の火花が散る中、ゴンがヒソカに疑問をぶつけた。
「3日前にいたって事は、カシスはもうここにはいないって事?」
「一試合だけして降りて行ったよ♦
最も彼女の目的は、資金調達だったみたいだけど♣」
「そっか…会いたかったのになぁ」
「(つーか、ヒソカがいたから即行降りたんだな…あいつ)」
全く持って、その通りだった。
――
――――
逃げ場を無くしたカシスは、ヒソカからの誘いの言葉にこう返した。
『……はっ』
変態を見る目に、口角を片方だけ上げ、鼻で笑った。
ムードもへったくれもないカシスは、ヒソカの腕をどけて部屋へ入って行った。
つられてヒソカも入ろうとしたが。
『変態と嘘つきは、立入禁止です
御引取りください♪』
顔だけ振り返り、有無を言わせぬ笑顔を見せる。
その笑顔に、ヒソカは素直に部屋の扉を閉めた。
くっくっくっ…♦
こちらの問い掛けに、新鮮な答えを出してくる♠
ホント、面白い子だなぁ♥
―――
――
思い出したかのように、妖艶な笑みを浮かべ、ゴン達の元から去って行った。
「(あいつ…カシスに何しやがったんだ)」
その笑みを怪しく思うキルアだった。
・END・
12/2/25
22/12/12(修正)