ハンター試験編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まって!
おいてかないで!
わたしも つれてって!!
あの頃の…
あの時の光景が、重なった
いやだ……
嫌だ!!
我に返ったカシスは、立ち上がり走り出した。
キルア
キルア
キルアっ!
『キルア!!』
壊れるんじゃないかという程、開け放たれたホテルの正面玄関の扉。
通行人の好奇の目がこちらを向くが、そんなもの気にもならない。
右を見ても左を見ても、お探しの銀色の猫は、影も形も無い。
心臓の鼓動が、やけに大きく揺れた。
あの時と…同じ
私は
何も変わってないの…?
そんなこと……ない!
後を追いかける事しか出来なかったあの時とは、違う
私には
追いかける術がある
手が届かなかった
だけど
今なら、届く!
まだ…間に合う!
身を翻し、来た道を急いで戻って行った。
周りに目配せをしながら、ある人物を探した。
……いた!
ヒソカと共に、中庭にいた人物。
『イルミ!!』
その無機質な瞳が、こちらを向いた。
『キルアは、何処へ行ったの?
あんたなら、知ってるでしょ!』
藪から棒に聞きつけるカシスに、イルミは疑問をぶつけた。
「知ってどうする」
『会いに行く』
「…無理だね
キミじゃ、辿り着けない」
カシスは、イルミの胸ぐらを掴んだ。
『キルアは何処へ行ったんだ!』
「…」
自分を睨み付けるカシスに、手を伸ばした。 キルアの時と同じように。
だが、カシスはその手首を躊躇することなく掴んで止めた。
……コイツ
脅威には成り得ないが、放っておいても後々こちらに害が出るだけ
出る芽は、早目に摘んでおかないと
「…♣」
と思ったイルミだがヒソカからの、自分に注がれる威圧の視線が少々気になった。
「キルは、自宅に戻るはずだ
ククルーマウンテンの頂上にある自宅に」
ククルーマウンテン…
『聞いたことある……確か、パドキア共和国にある山
ありがとう!』
さっきまでの表情とは一変、嬉しそうにお礼を言うとイルミを離し、走って行ってしまった。
その後ろ姿を見るイルミに、ヒソカが声を掛けた。
「面白いコだろ♦」
「ヒソカが気に入るのが良くわかる」
「だろ?
言っておくけど、カシスは僕のおもちゃだから
横取りするなよ♦」
「…心配しなくても、オレにはそういう趣味無いから」
という会話をされていたとは知らずに、カシスは一人ホテルを後にした。
・END・
12/1/22
16/3/30(修正)