ハンター試験編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
最終試験合格条件は
たったの1勝。
勘違いしてはならないのが、このトーナメント表だ。
これは、敗者が上へ上って行くシステム。 よって、表の頂点は不合格を意味する。
つまり、不合格者はたった1人ということだ。
質問タイムに入り、皆色々な質問をしていたが、そんな事はどうでも良かった。
「他に質問は無いかな?」
『はーい! なんで私の相手が、あの変態なんですかー』
「さっきも言ったじゃろ
これまでの成績と、諸君らの生の声を吟味した結果、こうなったと」
『私、あいつとは戦いたくないって言いましたけど?』
「戦いになれば、誰とでも戦う、とも言っておったがの」
『ム…』
カシスは、ああ言ってしまった事を後悔した。
ふと、視界に入った隣の銀色猫っ毛。 何やら、不満げな様子だ。
『どうしたの? 何か腑に落ちないって顔してるけど』
「別に…」
素気ない返事に、再度トーナメント表を見た。
あぁ…なるほど
キルアの不満の原因。
トーナメントは、評価の高い人ほど多く対戦できる仕組みになっている。
見てみると、キルアよりもゴンの番号の方が前にあった。 つまり、ゴンの方が総合的に評価が高いことになる。
試験の成績だけだと、キルアの方が上。
しかし、ネテロの言っていた印象値。 ハンターとしての資質。
これが、キルアよりもゴンの方が優れていた、ということになる。
キルアからしたら、腑に落ちないかもね
ハンターの資質なんて、目に見える値じゃないから
最終試験、ルールは
戦い方は自由。
武器OK、反則無し。
相手に”まいった”と言わせれば勝ち。
ただし、相手を死に至らしめてしまったら即失格。
その時点で、残りの受験生は全て合格となる。
第一試合。
ヒソカVSカシス
はぁー……
溜息ばかり漏らすカシスに、キルアが声を掛けた。
「カシスも案外、くじ運悪いんだな」
『…くじじゃないし』
「カシス! 無理はするな
負けたって、次があるからな!」
『そんなにヒソカを上に上げてほしくないわけ?』
「当り前だ!!」
「威張って言うことではないぞ、レオリオ」
「カシス、頑張って!」
仲間の声援(?)を受けながら前に出た。
始まりの合図が響く。
カシスは直ぐさま後ろに飛び退き、ヒソカと一定の距離を取った。
両者、睨みあったまま数秒が経つ。
すると、ヒソカの口角が上がった。
「来なよ♠
レディーファースト。 お先にどうぞ♦」
その台詞に、一度息を吐いた。
スッとヒソカを見据える瞳は、先程までとは全く違うモノ。 一瞬にして、纏うオーラが変わった。
戦闘開始。
カシスは、目にも止まらぬ速さでヒソカの目の前まで行き、拳を振りかぶった。
余裕の表情で防御に入るヒソカだが、衝撃が走ったのは、ガードした腕ではなく腹部だった。
顔面への攻撃はフェイク。 攻撃の直前、瞬時に腹部へ入り込んだのだ。
もろに食らったヒソカは、そのまま後ろへ吹っ飛ぶ。
カシスは攻撃の手を休めず、吹っ飛んだヒソカの先に素早く回り込んだ。
その勢いのまま、背中に肘鉄がめり込む。
体がクの字に曲がるヒソカの上に飛び上がり、再び攻め込んだ。
あぁ……いい♦
いいよ…♥
ボクに向かってくる、その瞳♦
壊してしまいたい♠
でも
まだ、ダメ★
もっと
もっと、熟すまで……我慢♥
攻めるカシスの右足首を掴み、勢いよく投げ飛ばした。 壁に激突する前に上手く壁に足を付け、ダメージを回避する。
だが、息もつかせずヒソカの一撃が入る。
壁は脆くも崩れ、土埃が舞った。
土埃の中から、衝撃を殺すようにカシスが出てきた。
間一髪、かわしたようだ。
ハイレベルな戦いに、皆息をするのを忘れるほど見入っていた。
「……すげー戦いだな
あのヒソカと、渡り合っちまうなんてな」
「あの身のこなし
三次試験の時にも思ったのだが、相当戦い慣れしている
我々とは、遥かに戦闘経験が違う」
「ああ…開始して、ものの数分でこれだもんな
凄過ぎて、鳥肌立ってきやがった」
外野が感心する中、土埃が晴れてヒソカの姿が見えてきた。 さほどダメージは、無さそうだ。
「くっくっく♦
いいねぇ。 いいよ♠ ゾクゾクする♥」
『…』
「今度は、こちらから行くよ♣」
ヒソカの手には複数枚のトランプ。 無数のトランプが、カシスに襲いかかる。
避けるカシスだが、無数のトランプに紛れ、ヒソカを視界に捉えた。
寸前で避けたため、空を切るトランプ。 だが、それは気を逸らすためのもの。
カシスはヒソカに蹴り飛ばされ、壁に激突した。
強い……思った以上に…
恐らく、向こうは全力を出していない
そんな相手に、まいったを言わせる方法は……
ヒソカとの攻防戦は平行のまま。
だがヒソカは、この戦いを楽しんでいるようにも見える。
…っ
このまま戦っても、埒が明かない
だからと言って、アレを使うわけにもいかないし…
どうする……
糸口が見えないまま、少しの焦りだけが募っていく。
戦いの手を休めるわけにもいかず、ヒソカに走り込んで行く。
カシス自身、体術のレベルが低い訳では無い。 ただヒソカ相手では、どうしても劣ってしまう。
「キミは、使わないのかい?」
『……残念ね。 試験では使わない約束だから』
その返答を聞いたヒソカからは、思いもよらない一言が飛び出した。
「まいった♠」
『?!』
突然の言葉に、攻撃の手を止めるが、勢いがつき過ぎて、そのままヒソカに突っ込む形に。
「僕の負けでいいよ♦」
カシスを受け留めながら、満足げに言うヒソカ。
周りがざわつく中、はっとしたカシス。
『な…っ!
ちょっと! まいったって言うなら、もっと早く言いなさいよね!
って言うか、離せ!』
「おや、残念♥」
離れないヒソカを引っぺがした。
『なんで、急に降参したの?』
「おいしい果実になるまで、もう少し我慢しないとね♦」
『?』
訳のわからない事を口走るヒソカに、首を傾げた。
何はともあれ
カシスが、合格者第一号となった。
あんまり実感が湧かないけど
何より、皆が喜んでくれた事が嬉しかった
第一試合。
ヒソカVSカシス。
勝者・カシス。
・END・
11/12/28
16/2/29(修正)
◆戦闘シーンは結構好きなんですけど、上手く表現できているかどうか…(-.-;)