ハンター試験編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まって!
まってよ!!
おいてかないで!
『 ーっ!!』
はっ!
夜も更ける丑三つ時。
カシスは、魘(ウナ)されて起き上った。
……また
乱れた呼吸を落ち着かせる。
ちらりとキルアの方を見ると、ぐっすり眠っているようだ。 ほっと、胸を撫で下ろした。
キルアを起こさないようにして、そっと外へ出た。
静かなせせらぎが心地よい河原。
静かな川の流れの中に、思い切り顔をつけた。
ポタポタと滴り落ちる雫。 その一滴一滴が、やけに冷たく感じた。
昨日も…同じ夢
なんで
今になって……っ
短いこの腕を、目一杯に伸ばしても
決して、届く事はなかった
そして
目の前の光は、ぽっと消えてしまった
ぐっと握りしめる拳と、噛み締める下唇。 まるで、泣くのを我慢しているような。
「悪い夢でも見たわけ?」
『…』
声の主は、見ずともわかる。
『…ごめん、起しちゃった?』
「別に
昨日も魘されてたみたいだったし」
バレてたんだ
キルアはゆっくりとカシスの隣まで行き、静かに座った。
お互い口を開かないまま、暫くの時が流れた。
ちらりとカシスを見やるキルア。
髪から滴り落ちる雫。 それに阻まれ、表情が伺えない。
「あの…さ」
切り出し辛そうに、口を開く。
「オレ…こう言うの慣れてないっつーか……
クラピカみたいに、気の利いた事言えねーけど…
話くらいなら、聞いてやれるから…さ…」
戸惑いながらも、キルアなりに自分に気を使ってくれている事は、十分過ぎるほど伝わってきた。
だからなのかな
余計、泣けてきた
「……もしかして、来ない方がよかった…?」
根本的な事を聞いてくるキルアに、カシスは首を横に振った。
そして、キルアの手をぎゅっと握る。
「…」
『隣にいてくれるだけで、いい』
「…あぁ」
そう言って、キルアも握り返してくれた。
理由も何も聞かず、ただ隣にいてくれた。 それが、無償に嬉しかった。
何も言えなくて ごめん
いつか
ちゃんと話すから
だから
今は このままで…
カシスが落ち着いた所で、大木に戻ってきた。
ころりと仰向けに寝転がる2人。
『ね、キルア』
「ん?」
と、キルアに手を見せる。
キルアも、何を意味するのか直ぐにわかった。
ぎゅっと繋がった小さな手。
『不思議だね
キルアとは、つい最近知り合ったばかりなのに、ずっと昔から一緒にいるみたいに思える』
「なんだそれ
やっぱお前、ヘンだぜ? そんなに夢見が悪かったのかよ」
『…そうかもしんない
キルア…私ね…
…私……キルアの…こ‥と……』
話が途中で途切れたので、キルアはカシスの顔を覗き込んだ。
「寝てやがるし…
っていうか、いいトコで寝るなよな
続きが気になるっつーの」
溜息をつき、再度カシスの寝顔を見る。
安心してくれるのは嬉しいけど
無防備に寝過ぎだし
オレ
お前より年下だけど、一応男なんだぜ?
そこんトコ
わかってんのかよ
カサリと、衣擦れの音が響く。
「…お前が悪いんだからな」
静かに重なり合う二つの影。
それを見ていたのは、闇夜に輝くお月様だけ。
・END・
↓おまけ
スッとカシスから離れたキルア。
………
初めてしたけど
こんなにも、柔らかいもんなのか…
やべー…
ハマりそう
11/12/10
16/2/17(修正)