ハンター試験編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
トリックタワーも何とかクリアした面々。
残る試験は、2つ。
次の四次試験は、ゼビル島という島で行われるようだ。
さてさて
四次試験の内容だが。
”狩る者”と”狩られる者”
受験生達はくじ引きをし、ターゲットナンバーを決めた。
今回はそれぞれのナンバープレートに点数がついている。 合計6点分のナンバープレートを集め、期日まで守り抜き、スタート地点に戻ってくる事。
これが合格条件だ。
島での滞在期間は、一週間。
ゆらりゆらりと揺られる一隻の船。
船の先端に座り、海からの潮風を受けながら、紺色の髪が靡く。
「カシス、こんな所にいたのか」
『クラピカ』
声を掛けてきたのは、クラピカ。 カシスの隣まで行き、船の縁に手を掛けた。
「落ち着いているな」
『え? だって、慌てたって試験内容が変わるわけじゃないし
リラックスしとくのが一番かな~って』
「カシスらしいな」
海を見て、暫くの静寂が流れた。
海鳥の鳴き声が心地よく響く中、クラピカが口を開いた。
「…聞いていいのかどうか、迷ったのだが…」
言い難そうにするクラピカに、何が聞きたいのか直ぐに分かった。
『心配しないで! 私のターゲットは、クラピカじゃない
勿論、他の3人でもないよ』
「私もだ」
少し安心した様子のクラピカに、カシスの目が止まった。 視線の先には、クラピカの綺麗な金髪。
「どうした?」
『クラピカの髪って、キレイだよね』
無意識にクラピカの髪に触れていた。
思わぬ行動に、ドキリとしてしまったことは、内緒にしておこう。
「そうか?」
『うん! なんかキラキラしてる…羨ましい』
「カシスの髪の方が、綺麗だと思うが」
そうかなぁ…
私の髪って、紺色で暗い感じがするし
髪の量も多い方だし……
いいトコ無し!
と、クラピカに抗議したら
「私は、この髪の方が好きだ
カシスに一番似合っている」
って言われた
なんかちょっと
照れるんですけど…
『クラピカってさ、たまにキザだよね』
「キザ…」
『でも、ありがと!』
笑顔で言うと、クラピカも笑顔になった。
これを世間では、王子様スマイルというのだろう。
2時間後、ゼビル島へ到着。
トリックタワーの脱出順にスタートして行った。
カシスもスタートし、森の中を歩いて行く。
滞在期間は一週間
まずは、水の確保をしないと
これからのプランを考えながら歩いていると、突然何かに口を塞がれ、茂みの中へと引っ張り込まれた。
『結構、強引な誘拐だこと』
「誘拐じゃねーし」
犯人は、キルア。
どうしたのか聞いてみると。
一週間、一人でいるのも退屈だから。
だそうだ。
『素直に”寂しい”って、言えばいいのに』
「退屈しのぎに、丁度お前がいたんだよ」
『私は、子供のおもちゃじゃありませ~ん
よって、交渉決裂』
「何だよ
一緒にいてくんねーの?」
寂しそうな瞳でこちらを見やるキルア。
キュンってなってしまうのは、私だけではないだろう。
『……仕方ないなぁ』
「(カシスって意外に、チョロいな)」
確信犯だ。
と、いうわけで共に行動することになった。
――
―――
―――――
それから、約2日。
『ねぇ、キルア
そろそろ、片付けといたら?』
「あ~…めんどいしなぁ」
『このまま尾けられたら、私水浴びも出来ないし』
2人が合流してから、何者かに跡を尾けられているようだ。 とっくに気付いている2人だが、向こうから襲ってくる気配も無く、放っておいたのだ。
やれやれといった感じで、キルアは溜息を漏らす。
「時間のムダだぜ
いくら尾けまわしたって、オレ達はスキなんか見せないよ」
そう告げるも、向こうからの返事はなし。
「来ないなら、こっちから行こっと」
すると向こうから、何やら声が聞こえた。
あれは、ヤモリ三兄弟…アモリだっけか? いや、イモリ……?
その末っ子が兄貴達に怒られていた。 どうやら、尾けていたのはこの末っ子だったようだ。
怒られた末っ子は、渋々と言った感じでキルアの前に来たかと思えば、プレートを寄越せと言ってきた。
勿論渡す訳もなく、キルアは思い切り腹を蹴飛ばされた。
『あらら…』
かなりの威力かと思いきや、キルアは直ぐに立ち上がり、その手にはナンバープレートが一つ握られていた。
「198番か
コレ、カシスのターゲットじゃね?」
『本トだ
思わぬ収穫!
なら、キルアのターゲットの199番って、後ろの2人のどっちかじゃない?』
と呑気に話していると、向こうの顔つきが変わった。 キルアを只者ではない、と判断したのだろう。
『気をつけてね~』
というカシスの言葉も虚しく、一人があっさりキルアに捕まってしまった。
「お前、どっちの味方なんだよ」
『私は、弱い者の味方v』
無事、6点分のプレートが集まった。
「あと4日、暇になっちまったな~」
『アンタ、暇にならないように私と組んだんじゃなかったの?』
「そうだっけ?」
やることもないまま歩いていると、キルアがある物を発見した。
大木の割れ目。
丁度子供1人、通れるくらいの大きさだ。
『これが何?』
「中、見てみろよ!」
『おお~!』
感嘆の声を上げたカシス。
中を覗いてみると、空洞が広がっており、子供2人なら楽に入れそうだ。
「なぁ! ここオレ達の秘密基地にしようぜ♪」
なんて言うキルアの表情は、12歳の子供そのもの。 好奇心が溢れ出てる感じだ。
カシスもその提案に乗り、試験中だというのに既に遊びモードに入っていた。
幸い、近くに川も流れており、試験が終わるまでここで過ごすことになった。
ーー
ーーー
河原で魚を焼き、森で木の実を採り、有り難く頂いております。
「そういえば、慣れてるよな」
『何が?』
「こういう野宿みたいな事
木の実とかもさ、食えるか食えないか知ってたし
女って、慣れてないじゃん。 こういう事」
『ん~…。 他の人は知らないけど
私の場合、大体野宿ばっかだったから』
「へぇ…」
そういえば、カシスと知り合って結構経つけど
オレ
カシスの事、ほとんど何も知らない……よな
ハンターの志望理由も知らねーし…
「そういえばさ
カシスは、何でハンターになりたいわけ?」
『…言ってなかったっけ?』
「オレが聞かなかったのもあるけど」
『私の師匠を見つけなきゃいけないんだ
でも、見つけるためには、ハンターの資格がいるの』
「見つける?」
『そ!
師匠に、一人前だって認めてもらうためにね』
「お前の師匠って、何やってんだ?」
『ハンターだよ』
なるほど…
妙に納得する自分がいた。
すると、何かを思い出したのか、カシスから声が上がった。
『キルア、私水浴びしたい!』
「はぁ?」
『水浴びしてくるから、見張ってて!
…でも、そうなるとキルアを見張る人もいないといけないか…』
「安心しろよ
そんな発展途上の体、見る気無いから」
『そ。 じゃあ頼んだよ~』
キルアの言葉の意味を理解していないのか、手をヒラヒラさせて水浴びに向かうカシス。
「…だから、怒るところだろ…フツー」
意地悪のつもりで言ったのだが、普通にスルーされてしまい逆に恥ずかしくなるキルアだった。
夜も更け、小鳥の囀(サエズ)りが夜の者へと変わっていく。
静かな川のせせらぎを聞きながら、そっと小さな体を水の中へ沈めていく。
『ふ~…気持ちイイ~
キルアー! ちゃんといる?』
応えるかのように、茂みから手を出した。
なんだかんだ言っても、ちゃんといてくれるんだ
かわいいヤツめ
体の汚れがある程度落ちたのか、川から上がりタオルで水滴達を拭き取っていく。
ふと見上げた空。
そこには、無数の星達と一際輝く月がいた。
この光景は、いつ見ても見飽きる事がないくらい神秘的だ。
すると、カシスは静かに口を開いた。
『ね、キルア』
「ん~?」
『お月様って、可哀想じゃない?
夜はあんなに輝いてるのに、昼間は全然見えない』
「そりゃ、昼間は太陽が出てるからな」
『そうじゃなくって』
「じゃあ、なんだよ」
『まるでさ
太陽に、置いてけぼりにされたみたい…だね』
そう言って空を見上げるコイツの顔は 初めて見る表情で
どこか
儚げで 切なそうで
だけど
魅入っちまうぐらいに
『こら、キルア! 見ないんじゃなかったの!』
「あぁ、わりぃ…」
綺麗だと思った
・END・
11/12/1
15/12/25(修正)
◇最後思わず覗いてしまったキルア君
残念ながら、ヒロインは短パンとキャミソールを既に着ていました・・(補足