ハンター試験編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
多数決の道に入ったゴン達は、トンパを加え、5人でクリアを目指していた。 右に行くか左に行くかで、騒ぐレオリオの背中を押しながら進んでいく。
「?」
「ゴン、どうした? 行くぜ」
何かを感じ取ったのか、ゴンが上を気にしだした。
それにつられ、キルアも上を見上げる。
「…何か」
風が変わったと思ったら、何か物体が2人の上に落ちてきた。
「「うわぁ!!」」
凄い音に、先を行っていた2人も慌てて戻ってきた。
「どうした?!」
「大丈夫か!」
『ぃたたた…』
「カシス!」
『え?
クラピカ?! に、レオリオ?』
思わぬ再会に驚いていると、下から苦情の声が上がってきた。
「ピンピンしてんなら早くどけよ……重てーだろ」
『ま! 女の子に向かってそんな暴言を吐くなんて! 将来モテないから』
「あはは、大丈夫だよ
落ちてきた衝撃は凄かったけど、重くはなかったし
それに、カシスに怪我がなくて良かったよ!」
なんていい子なんだ…ゴンは
誰かさんにも、爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ
「誰のこと言ってんだよ」
『え? 何が?』
「全部口から出てんだよ」
『これは失礼』
「…」
額に怒りマークを付け、怒るキルアは置いといて。 ゴンはまず、どうして落ちてきたのかをカシスに尋ねた。
『あれは間一髪だったって!
あのままヒソカといたら………』
「ヒソカ?」
「もしかしてヒソカと同じ道だったのか!?」
「マジかっ!?」
…しまった
墓穴を掘ってしまった…
口は災いの元、とはよく言ったものだ。
当然、皆の興味はヒソカにいくわけだが…。
流石に全てを話すのは、恥ずかし過ぎる。
ということで、大雑把に事の次第を説明した。
『で、皆は何の道なわけ?』
「多数決の道だ」
『多数決…』
今一ピンとこないカシスに、クラピカが説明をしてくれた。
話しながら暫く歩くと、部屋が開けた。
部屋の床は見えないほどに深く、中央にはリングの様な闘技場があるのみ。
そして反対側には、マントを頭から被った連中が立っていた。 内1人がマントを脱ぎ、話し出した。
彼等は、審査委員会に雇われた試練官。
ここを通るには、彼等と戦い3勝しなければならないようだ。
戦い方は自由。
引き分けは無し。
満場一致で勝負を受けることになった。
初戦の相手は、スキンヘッドに強持てのベンドット。 対してこちらは、ベテランのトンパ。
毒見役と言って先方を買って出たのだが、始まって早々。
「まいったァーーーーー!!!
オレの負けだ」
さっさと降参しやがった
文句を垂れるレオリオだったが、これで連中の狙いがわかった。
彼等は、超長期刑囚。
受験生を足止めした時間に応じて、刑期を短く出来るようだ。
『時間をかけて私達を足止めするのが狙いなら、オジサンの判断は正しいと思うよ』
「なんでだよ」
「あのボウズ頭、恐らく元軍人か傭兵だよ
戦ってたら、まず最初に喉潰されて、”まいった”さえ言えない状態にされてたね」
それを聞いたトンパの顔色が青ざめていったのは、言うまでもない。
次に出てきたのは、連続爆弾魔のセドカン。 迎え撃つは、ゴン。
ゴン自慢の俊敏性と、意外性から楽勝。
この勢いで三回戦目も楽勝…と思いきや。
対戦相手のマジタニが、クラピカから食らった一撃で気絶してしまったのだ。
この戦いは、デスマッチ。 一方が負けを認めるか、死ぬかしない限り、勝敗は決まらない。
レオリオがクラピカに止めを刺すよう言ったが、クラピカはこれ以上敗者に鞭打つようなマネはしない! の一点張り。
仕方無しに、マジタニが起きるのを待つことになった。
床に座り込み、足を下に投げ出した。 隣に、キルアも同じように座る。
すると徐(オモムロ)に、キルアがポツリと呟いた。
「あのさ、もしかしてあいつ……もう、死んでるんじゃないの?」
『…』
その言葉に、皆の視線がマジタニに集中した。
…死んではいない
だけど
このままじゃ…
痺れを切らしたレオリオが、生死を確認したいと申し出る。 が、向こうの言い分は、あくまで”気絶しているだけ”。
だが、既に気絶してから数時間が経っている。
とても向こうの言い分だけでは、信用できない。
「それじゃ、賭けましょうか?
彼が”生きてる”か、”死んでる”か」
そう提案するのは、賭博法違反等で捕まったレルート。
彼女の言う賭けは、時間をチップ代わりにして賭けるというもの。 それを受けるのなら、マジタニの生死を確認してもいい、と。
仕方無しにそれを受けるレオリオ。
生きている方に賭け、生死を確認した。
確かに、死んではいない
「よし!! まずは、レオリオがリードしたね」
「……まずいな」
「え?」
「あいつ、このままずっと目覚めないかもしれないぜ」
「どういうこと?」
『死んでるよりも、生きてて起きない方が、向こうにとって都合がいいからよ
このまま起きなければ、それだけで72年分の刑期が縮まるからね』
だが、次の問題でレオリオが機転を利かせた。
そのおかげで、クラピカの勝利が確定。
そのまま4戦目に入ったのだが…。
「すまねェ…。 バクチは自信あったんだがな…」
「あのザマでか?」
結局、綺麗なお姉さんには勝てなかったようだ。
『サ・イ・テー…』
じと~…っと、キルアの後ろから視線を浴びせるカシス。
余りにも痛すぎる視線に、クラピカに助けを求めるレオリオ。
「クラピカ、カシスの視線がかなりイテーんだが」
「自業自得だ」
2勝2敗で迎えた最終対決。
キルアの相手は
解体屋(バラシヤ)ジョネス。
ザバン市犯罪史上、最悪の大量殺人犯だ。
「キルア
オレ達の負けでいい
あいつとは、戦うな!!」
この名前を耳にした事くらいあるだろう。
レオリオが皆を納得させているにも拘(カカワ)らず、キルアはさっさと闘技場へと行ってしまった。
「おい! キルア!!」
『レオリオ、大丈夫だよ』
「何がだよ!
あいつは大量殺人鬼なんだぞ! 人を殺すことしか考えねぇような奴なんだ!」
『大丈夫だから』
キルアの背中を見つめるカシスに、レオリオは妙に説得されてしまった。
試合開始早々。 ジョネスとすれ違ったキルアの手には、ドクドクと主から離れても尚、動き続けている心臓が握られていた。
それを握り潰し、試合終了となった。
余りの衝撃に、空気が張り詰めた。
「さて、3勝2敗
これで、ここはもうパスだろ?」
「……ああ、君達の勝ちだ」
闘技場の向こうに小さな部屋がある。 そこで、負け分の50時間を過ごすことになった。
このステージはクリア。 的な雰囲気の中、カシスが手を挙げて待ったをかけた。
『ちょっと待ってー!
私は? 私はどうするのー!?』
見ているであろう試験官・リッポーに問い掛けた。
本来なら、道を逸脱したイレギュラーな存在。 だが、元いた道に戻ることは不可能だ。
だからと言って、何もせずに合格など、虫が良過ぎる。
「そうだな
キミがいたのは、”荊の道”だったね
では、キミにも戦ってもらおう
相手は、ベンドットだ」
スキンヘッドの元傭兵さんね
了解の返事をし、中央へ行こうとするカシスに待ったをかけるクラピカとレオリオ。
「待て! カシス
相手は、元傭兵なんだぞ!」
『うん』
「明らかに、不利だろう!」
『じゃあ、脱落しろって言うの?』
「そうではない! ただ」
『ストップ、スト~ップ!!
2人が心配してくれるのは嬉しいけど…
あんまり、見くびらないで』
そう睨み付けるカシスに、2人は黙り込んでしまった。
そんな2人に、ニッコリと笑顔を見せる。
『大丈夫だから!』
言い残し、闘技場へ。
それでもやはり、不安は拭えないクラピカにキルアが口を開いた。
「大丈夫、だと思うよ
あいつ、あれで結構強いと思うし
何より本人が大丈夫だって言ってんだから」
なんたって
オレの攻撃を止めたんだからな
飛行船でのことだろう。
クラピカは、横に並ぶキルアからカシスへと視線を移した。
それでも心配の色を浮かべるクラピカを余所に、デスマッチは始まった。
・END・
11/11/25
15/11/19(修正)