このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

嫉妬大作戦



「うーん、次はどうしようかな…」

かれこれ1時間俺の部屋に居座って考え込んでいるジョングク。何やら1人でボソボソと呟いているが、無視して隠し撮りしておいたテヒョンの画像を見ていると、「ご飯できたよ〜!」とジンヒョンの大きな声が宿舎に響き渡った。


「……ご飯?あ、そうだ!!」


「!?何?」


急に大きな声を出したジョングクに反射的に反応すると、ニヤリと俺を見てきた。
やだなあその顔。
めちゃくちゃ悪い事考えてるよなあ。


「ジミニヒョン俺に…」


その続きを聞いた俺は即座に否定したが、目の前に突きつけらた動画を見て、首を縦に振ることしか出来なかった。



作戦2 [食事中のあーん]


ジョングクと2人でリビングに行くと、もう既に他のメンバーは集まっていた。


「やー!ご飯冷めちゃうでしょ!?」

「すいませんジニヒョン。
ジミニヒョンと話が盛り上がっちゃって。」


嘘つけ。
1時間ぐらい一切会話しなかっただろ。そんな事は飲み込んで、笑顔で「そうなんですよ〜。」と答えながらジョングクの隣に座る。ちらりとテヒョンの顔色を伺うと、何やら嬉しそうにしていた。
え、なんで?


「ふふ、グガってば本当にジミナのこと好きだよね〜。」

「へ?いや、俺はテヒョニヒョンが好きです。」


あ、馬鹿。
お前それ台無しになるんじゃねえの?


「ふふ、ありがと。」


「ジニヒョン今日砂糖の量間違えました?」

「ごめんホソガ。調味料全部砂糖にしてみたんだ…」


「え?本当に?
俺全然分かんないよ??
寧ろ凄い美味しいよヒョン!!」


「もー!テヒョンアは可愛いなあ〜!」


「…???」


いや弄られてるんだよ…テヒョンア…
そんな鈍感な所も可愛いけどさあ…

なんて思っていると、グイグイとそりゃあもうこのシャツXLサイズにでもなるんじゃないかってぐらい引っ張られる。


「…なに、」


「さっきの忘れてませんよね?」


「はあ、分かったよ…」


ごめんなテヒョンア。
俺のことは嫌いにならないでくれよ…
なるならこの頭いかれたチョン、ジョンクソ野郎を嫌いになってくれ、そしてできればそのまま俺のことを好きになってくれ…


「あ、ジミニヒョンそれ美味しかったですよ!」


「あ、ほんと?僕もうお腹いっぱいだし、お前食べる?」


「え?いいんですか?」


「うん、ほらあーん。」


くそ、なんで俺がこんな事!!
我慢しながらスプーンをジョングクの方に差し出す。それをなんの躊躇いもなく美味しそうに食べたジョングク。


『ねえ、俺にあーん。してくれません?』

『はあ?やだよ。』

『そりゃ俺だって嫌ですよ。』


つい先程までの会話を思い出す。
なあ、俺ら役者なれるんじゃね?
そんな馬鹿げた事を思いながら、テヒョンの様子を見ると特に気にしてないようで、隣のユンギヒョンと楽しそうに話している。効果ゼロだぞジョングク。そう思いながら隣のジョングクを盗み見すると、ブルブルと震えていた。はは、残念だったな。


まあ俺はやるべき事やったから、特に気にすることも無く食事を続けていると、事件は起きた。


相変わらず楽しそうに話しているユンギヒョンとテヒョンア。いいな〜ユンギヒョン。なんて思いながら2人を見ていると、ユンギヒョンの指がテヒョンの口元に触れた。


「…?何?ヒョン。」

「はは。お前急いで食いすぎ。
ご飯ついてたぞ。」

「え?本当!?恥ずかしい…」

「ふは、可愛いからいいんじゃね?」

「…やー!ユンギヒョン〜!!」



「「「「……。」」」」


これは、さすがにやばいんじゃない…?
ちらりとジョングクを見ると、他のヒョン達も思った事は同じだったのか、向かいにいたナムジュニヒョンと目が合う。すると、バン!と立ち上がり腕をグイッと引かれた。え、また連行されてんの?俺。


「ご馳走様でした。
行きましょジミニヒョン。」


「あっ、おい、俺まだ食べてるのに!」


そんな俺の言葉を無視してズルズルと部屋に引っ張られる。そんな俺の様子を見てキョトンとしているテヒョンと、その隣でニヤニヤしているユンギヒョン。そして心配そうに見つめてくるヒョン達の視線を浴びながら自分の部屋に戻ってきた。


部屋に入っても何も話さないジョングクに今回ばかりは流石に可哀想だなあと思い、声をかけようとすると、ジミニヒョン。と名前を呼ばれる。


「…何?」

「なんでテヒョニヒョンってあんなに可愛いんですかね。」

「…はあ?」

「あの人が可愛すぎるから俺がこんなに嫉妬しなきゃいけない羽目になるんだ。絶対そうだ…」

「まあテヒョンアは可愛いけどさ…」

「あ?なんつった?」

「いやなんできれんの?」

「ちょっとテヒョンア呼びにイラついただけです。どうぞ続けて。」

「イラつくとこそこ!?
まあいいや。あいつだけじゃなくてお前にも原因あると思うぞ?」

「え?」


「嫉妬して欲しいくせに、即答で好きとか答えたりするしさ、」

「だって好きなんですもん。」

「まあそうだけどさ、」

「何が問題なんですか??」

「…いや、もういいよ。
お前の好きにやれ…」


もう話しても無駄だ。
賢い俺はややこしくなる前に話を終わらせ、ベッドに横になった。


「あ!それでまた思いついたんですけど、」

「……懲りないねお前。」

「嫉妬して貰えるまでやりますから!」

「………はあ。」


続く。




おまけ。



あーん。をして欲しいと頼まれた時に突きつけられた、最中にジョングクにおねだりするスーパー可愛いテヒョンの動画をもらってないことに気づく。


「そういやあの動画俺もらってないんだけど?」

「はあ?馬鹿ですか?
あげるわけないでしょう?」

「…まじ殺す。」
2/2ページ
スキ