嫉妬大作戦
1人で部屋でのんびりしていると、ドンドン!と強めにドアがノックされる。またあいつだな。居留守を決め込んでいると、先程よりも大きくドンドンドン!!とドアが叩かれている。いや、壊されかけている。
急いで鍵とドアを開ける。
「やっと開けてくれましたね。」
「……。」
壊れるのが嫌だったからとは口にせず、ニコニコと笑うジョングクを睨む。
「上目遣いのつもりですか?
それにしては凄いへったくそですよ。」
「…死にたいわけ?」
「それより聞いてください。」
イラついている俺を無視して、ベットの下に座るジョングク。
「どうせつまんないこと考えてんでしょ。俺関わる気ないから早く出て「ヒョンはさ」おい無視か?」
「好きな人に嫉妬されたいタイプの人ですか?」
「…は?」
「俺は元々そう言うの嫌いなんですよ。なんですけど!!テヒョニヒョンは1ミリも嫉妬してこないわけですよ!!俺が誰と居ようが何しようがニコニコしてて、なんでですか!!俺はヒョンが誰かと話してるだけでも相手の男殺したくなるのに!!」
「いやお前は病的すぎるよ…」
「びょ!?まあ俺の話はいいんですよ。
テヒョニヒョンって嫉妬っていう感情空にでも置いてきたんですか??ねえ、どう思います??」
「さあ…?俺にはわからん。」
「はぁ〜!?あんだけ俺らソウルメイト💜みたいな面してんのに分からないんですか?まじ役に立たねえ。」
「…そろそろ怒っていい?」
「あ!でもそのソウルメイト取られたら流石に嫉妬しますよね??」
「……はあ?」
何だか嫌な予感がする。
そんな俺の予感は外れることなく、何故か今満面の笑みを浮かべたジョングクに両手を握られている。
「協力して下さいね?」
「はあ、や「断ったらヒョンがテヒョニヒョンをオカズにして1人で抜いてるのバラしますから。あ、あとこっそり隠し撮りしてるのとか、俺らのセックス覗いてるのとか」分かったからやめろ!!」
「ふふ、交渉成立って事で。」
何も言い返せなかった俺は繋がれたままだった両手を骨を折るぐらい力強く握り返してやった。
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作戦1[ジミニヒョンって可愛いよね]
ジミニヒョンに協力してもらえる事になった俺は早速罠を仕掛ける。
あ、居た。
リビングのソファからはみ出ている愛おしい頭の主の所に向かい、隣に腰を下ろす。
「ねえ、テヒョニヒョン」
「ん〜?」
「ジミニヒョンってさ可愛いよね。」
「あは、いきなりなんだよ〜。」
「いや、可愛いなって思って。」
「そう…?」
少し声のトーンが下がったヒョン。
「ヒョン?」
「確かにジミンは可愛いけどさ…」
「うん。」
「…。」
黙り込んだテヒョニヒョン。
いいんだよヒョン!言っても!!
なんで恋人の俺の前で言うの?って!!
俺よりあいつの方が可愛いの?って!!
「…ヒョン?」
「こんなこと言っても怒らない?」
「う、うん!!全然怒らない!」
寧ろ早く言って!!
ヒョンの方が可愛いに決まってるでしょって抱きしめさせて!!!
「俺ジミンはカッコイイと思うよ。」
「俺だってヒョンの方が…え?」
「え?」
「今なんて?」
「だから、ジミンは可愛いんじゃなくてカッコイイんだよって。」
「……は?」
「あ!で、でもジョングクももちろんカッコイイよ!?ジミンだけをカッコイイって思ってるわけじゃないからね?誤解しないでね?」
「あ、うん…?」
いやそこじゃないんだけど…
とりあえずテヒョニヒョンには怒ってないよって伝えて、後ろで嬉しそうにガッツポーズをしたジミニヒョンを連行して再び部屋に戻った。
「えへ、俺かっこいいんだ〜♪」
「……。」
「ジョングク君完敗だねぇ〜」
「…次の作戦だ。」
「まだやんの?」
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