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交わらない視線

あれからジミナとまともに話をすることが出来ず、
そのまま仕事へと向かった。
バンの中でも相変わらずジョングクと楽しそうに話をしていて、なんだか今は聞きたくなくてイヤホンを耳に入れ目を閉じようとすると、隣に誰かが座ってきて閉じかけた目を薄く開いた。
ちらりと横を見るとユンギヒョンが座っていて、薄く開いていた目を思い切り開きユンギヒョンを見ると、丁度視線がぶつかった。


「…なんだよその顔。」

「あ、いや、珍しいなって…」

「まあな。
今のうちに本気出しとこうかと思って。」

「…?」

「はは、変な顔。」

「っ!!」

「うそうそ、可愛いよ。」

「っ!?」

「なにか言えよ。」

「…ヒョン俺の事嫌いなんじゃなかったんですか?」

「…………は?」


そこから今までの勘違いや誤解も解け、仕事場へ着く頃にはユンギヒョンと普通に話せるようになった。
嫌われていなかった嬉しさと、会話が楽しかったのとでジミンのことなんて忘れていた。やっぱりユンギヒョンが好きだなあなんて思いながら、楽屋のドアに手を掛けようとすると中から話し声が聞こえてきた。
声からしてジミンとジョングクのようだ。


「好きだよ。」


俺が聞き間違えるはずがない。
行為中何度も聞いたジミナの優しい声だった。
ドアを開けようとした手を
ドクドクと音を立てている胸に持っていく。


何これ、何でこんなに胸が苦しいの。


何でこんなに泣きそうなの。


「テヒョンア?どうしたんだ?」

「ユン、ギ、ヒョン、」

「…泣いてんのか?」

「っ、違!」


この気持ちを認めたくなくて、理解したくなくて思わず大きな声で否定をしてしまい、咄嗟に口を塞ぐ。


『テヒョンア?』


「っ!ユンギヒョン行こ!」

「あっ、ちょ、」



中からジミナの声が聞こえてきて、急いでユンギヒョンの腕を掴んで楽屋から離れた場所に向かう。


「あれ?気の所為かな?
確かにテヒョンアの声が聞こえたんだけど。」

「俺には聞こえませんでしたけど。」

「…ちょっと俺近く見てくるね。」

「はいはい、行ってらっしゃーい。」

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