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交わらない視線



今日も悲しさを埋める為、ジミンを求める。
部屋に入ってきた俺の表情から読み取ったのか、「…おいで。」と優しい声で呼ばれる。


ベットに腰を掛けていたジミンに抱きつくと、何も言わずぎゅうと抱きしめられた。
大好きな匂いに包まれて、それだけで酷く安心する。ぎゅうと抱きしめ返すと、ふふ、と優しく笑う声が聞こえた。


「…なに?」


「ううん、可愛いなぁって。」


「なっ、」


驚いて抱きついていた身体を離すと、愛おしいものを見るような目で俺を見つめているジミンと視線が交わって、ますます顔が赤くなるのがわかった。


「あは、真っ赤だよ?」


「だって、」


どう言えばいいか分からず、口をもごもごとさせていると、本日2回目の可愛いと共に唇を奪われた。そのままベットに押し倒され、何度も角度をかえ、重ねられる唇。それだけじゃ物足りなくて、ジミンの唇をペロリと舐めると、そのままその舌を絡み取られ、濃厚なキスをされる。

そのままパジャマのボタンを外され、唇が離れたかと思えば首筋にピリッとした痛みが走った。そんなのを気にしている暇もなく、胸の突起を指で摘まれて、思わず声が出る。


「ここ好きなの?」


「知ってる、でしょ?」


「んー?」


「好き、ちゃんと、触っ、ぁ、!」


言い終わる前に、片方は指でグリグリと刺激され、もう片方は口に含んで軽く噛んだり、吸ったりして弄られる。


「あーあ、乳首で感じるなんて、エッチだね。」


「んぁっ、だって、ジミナがっ、」


「俺が、なに?」


「んっ、ひゃ、ぁ、やっ、」


「ふふふ、もう顔蕩けてるよ?」


「ん、気持ち、もん、」


「それならこっちは?」


俺の反応しているものに触れる。
どう触れば気持ちがいいか分かってるくせに、焦らすような手つきで触られるのがもどかしくて、生理的な涙が溢れてくる。


「テヒョンア?泣いちゃった?」


「意地悪、ぐずっ、しないでよ、」


「ふふ、ごめんね?可愛くてつい。」


「ちゃんと触って?」


「あーもう、」


そう言って前髪をかきあげたかと思うと、雄の顔をしたジミンと目が合った。俺しか見ることの出来ないその表情にときめいていると、下着ごと全部脱がせられ、気持ちいい所ばかりを責めてくる。


「あっ、やっ、待って、」


「ちゃんと触って欲しいんでしょ?」


「あっ、あっ、イく、イっちゃう、からぁ、」


「いいよ、イきな。」


そのセリフとともに呆気なく果ててしまった。
俺の出した白濁を指に絡め取り、お尻に塗りたくられる。そのままするりとなんの抵抗もなく、ジミナの指を受け入れる。


「はは、もう2本入るんだけど?」


「やっ、言わな、で、」


「気持ちい?」


「あっ、んんっ、」


「ふふ、可愛い。」


そう呟かれたのと同時に、指とは比べ物にならないぐらい大きなジミンのものが入ってきた。
一気に奥まで突かれて、2度目の射精をした。

そこから頭も後ろもぐちゃぐちゃにされ、だんだん意識がもうろうとする中、薄らと目を開けると、何故か目の前には愛おしくて堪らないユンギヒョンが居た。

幻覚でもいい。そのまま手を伸ばし愛しい名前を呼びながら、果てると同時に意識も飛ばした。



「ユン、ギヒョン、」




******




意識を飛ばしてしまったテヒョンの体を綺麗にして、いつもならそのまま隣に寝転び、愛おしい寝顔を見つめるのだけど、今日は無理みたいだ。そのまま眠っているテヒョンを彼の部屋へと運んで、キッチンへと向かう。

冷蔵庫からビールをひとつ取り出して、ベランダへと向かった。



冷たい風を受けながらさっきのことを思い出し、胸が痛くなる。

やっぱり俺じゃ駄目なんだ。
あいつが求めているのは俺じゃないんだ。

そう突き付けられた気がした。


あいつが好きだと言った日本の曲を流しながら、ビールを1口飲む。今の自分の気持ちと切ない歌のメロディがマッチして、涙が溢れてそうになる。ぐっと堪えて空を見上げると、ムカつくぐらい綺麗な星空で、お前が落ち込んでいたあの日、ヒョン達に内緒で宿舎を抜け出し二人で見た星空とやけに似ていて、結局涙が溢れてきてしまった。

そのまま空を見上げていると後ろから足音が聞こえてきた。


「…おい、何してんの。」


ああ、見つかってしまった。

今1番会いたくなかった人に。



「…星が綺麗だなあって見てただけです。」


振り返らずにそう答える。


「…あっそ。」


「ねぇ、ヒョン。」


「…ん?」


「俺は、ヒョンが羨ましいよ。」


テヒョンに愛されてる貴方が死ぬほど羨ましい。


「…え?」


「あはは、冗談です。今の言葉は忘れてくださ「俺だって、」…え?」


「俺だってお前が羨ましいよ。」


「…へ、」


「あいつが、テヒョンアが落ち込んでる時、元気がない時、笑顔に出来るのはお前だけだろ。
あいつを1番分かってやれるのもお前。
あいつが1番頼りにしてるのもお前じゃん。」


「っ、」


「だから、俺は最近ずっと思ってたよ。
お前になりたいって。

…馬鹿みたいだろ?」


「もしかして、ヒョンは…」









─テヒョンの事が好きですか?









俺の問いかけに無表情で話していた彼が、少しの動揺を見せた。ああ、やっぱりか。


それから慌てるようにして作業室に戻ったヒョンの背中を見送り、再び窓の外に視線を戻す。



俺があいつを1番分かってやれても

あいつに1番頼りにされてても

1番愛されてるのは貴方なのにね。



俺もそろそろ身を引く時が来たのかな。



─愛してたよ、テヒョンア。



そう呟いて、残りのビールを一気に飲み干した。




******



「……ア、テヒョンア、起きて。」


「ん、ジミナ…?」


「何寝ぼけてんの?ジミンならとっくに起きてるよ!ほら早く起きて準備して!」


「……え、」


俺の顔を覗き込んでいるジンヒョンを無視して、起き上がり部屋を見渡すと、俺は自分の部屋で眠っていたみたいだった。

昨日は確か、ジミンの部屋で…

なんてまたボケーッと考えていると、ほら、行くよ!と強制的に腕を掴まれ、引き摺られるようにしてリビングに連れていかれる。いつもならそのままジミンの部屋で2人で眠って、あいつの優しい声で起こされていたはずなのに。


リビングに着くと、ジミンかユンギヒョンの隣が空いていた。俺はなんの迷いもなくジミンの隣へと向かう。


「ジミナ、」


「おはよ。」


「…はよ。」


「早く食べないと遅れちゃうよ?」


「…うん。」



そう言って俺の事を一切見ずに、今日は直ぐに席を離れていってしまった。なんで?いつもだったら俺が食べ終わるまで待ってくれるのに。急いで追いかけようとすると、「まだ食べてないの!?早く食べて!遅れちゃう!」とジンヒョンに怒られ、大人しく席に着いてご飯を食べた。


遠くでジミンの笑い声が聞こえ、思わず振り返ると、ジョングクと楽しそうに笑っていた。


ズキン。



胸が傷んだ。


痛む胸を押さえながらジミンを見つめている俺を、まさかユンギヒョンが辛そうな顔をして見ているなんて思いもしなかった。
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