短編集
俺とテヒョンは付き合っている。
もちろんメンバー公認の仲である。
テヒョンの事は何よりも愛しているし、テヒョンも俺を愛してくれている事が伝わる。だけど、何かが足りない気がする。なんだろう…。
「も〜、グガやめてってばぁ、」
「え〜、ヒョンも嫌じゃないくせに。」
「んふふ、まぁね。」
こっちは真剣に悩み事をしているというのに、目の前でいちゃつく2人にとてもムカついた。
ここでピンときた。そうだ、これだ。
俺は付き合ってから今まで、テヒョンに嫉妬されたことがないのだ。
どれだけメンバーと仲良くしていても、2人で出掛けても、嫉妬のしの字すら見せない。いつも嫉妬するのは自分ばかりで、不安になっていたのだ。
…させてやろうじゃん、嫉妬。
そうと決まれば早速目の前でいちゃつく2人を通り過ぎて、その先にいるユンギヒョンの隣に腰をかけた。
「んあ?ジミナか。」
「ジミナかってなんですかヒョン〜。」
「おい、離れろ暑苦しい。」
「なんで俺には冷たいんですか〜。
テヒョンアには甘いくせに。」
「あいつはいいの。」
「え、なんでで「ユンギヒョン〜?」」
「ん〜?テヒョンアどうした?」
うわ、明らかに声色が変わった。
なんてヒョンだ。
そんなことを思いながらユンギヒョンを見ると、睨み返されたので慌てて目を逸らした。
そのままテヒョンの方へ行くユンギヒョンを後ろからこっそり睨みつけ、リビングから離れ部屋へ戻った。
さっきの様子じゃ絶対にユンギヒョンは協力してくれないだろう。かと言って他のヒョン達と仲良くした所でテヒョンが嫉妬するわけ無さそうだし…。うーん、と考えているとノックもなしにドアが開かれた。
「ジミニヒョン…って、どうしたんですか。変顔の練習ですか。」
「殴っていい?」
「やだなあ、冗談じゃないですかあ。」
ニコニコしながら俺の隣に座るジョングク。そうだ。こいつならテヒョンとも仲がいいし、嫉妬するかもしれない。ただし、こいつがそんな事をすんなりとOKする訳無さそうだし…。そうだ、アレがあったな。俺は奥の手を使ってジョングクに協力してもらうことにした。
「…なぁ、お前に頼みがあるんだけど。」
「…いくらで?」
断られるとは思ってたけど、まさか金を取られるとは思ってなかったなあ。まあ、金以上に価値があるものを俺は隠し持っている。無言で立ち上がり、パソコンを操作する。「何してるんですか。」なんて言うジョングクの声を無視して、今まで誰にも見せたことのなかったファイルをクリックして、 ある画像を画面に表示する。
「コレでどう?」
「……っく、なんですか、」
「ははは、お前ならそうなると思ったよ。
でさ、頼みたいことなんだけどさ、俺テヒョンアに嫉妬されたいんだわ。」
「…あぁ、それで俺にジミニヒョンといちゃついてるフリをして欲しいと。」
「そう。」
「…いやいやいやそんなのしたら、俺がテヒョニヒョンに嫌われますやん。その対価で俺に残るのがこのナース服を着た鬼かわいいテヒョニヒョンだけってか?あ?俺に夜な夜な1人で抜けってか?そりゃあちょっと難しい話ですわ。」
「え?ジョングク…?だよな?」
「そうですけど?」
「(もう怖い。)」
「取り敢えずこの写真は貰っていきますんで。ありがとうございました。じゃあ。」
「え、ちょ、待っ、(バタン」
突然の事で頭がついていかず、そのままドアを見つめていると、控えめにコンコンとノックされ愛おしい恋人が入ってきた。
「なんかグクが上機嫌でスキップしながらこの部屋から出てきたけど、何かあげたの?」
「えっ?いや?」
「……嘘つき。」
「…へ、」
「やだよ、2人だけの秘密とか駄目。最近やたらとふたりで仲良さそうに話してるの見るけど。ジミナは僕の恋人でしょ?
なのになんで僕に隠し事するの?」
「…テヒョンア?」
「なに、」
「もしかして、嫉妬してる?」
「っ、しちゃダメなの?」
もう堪らなくなってぎゅうぎゅうと苦しいほどに抱きしめた。なんでこいつってこんなに可愛いんだろう。可愛くて愛おしくてたまらない唇にふわりとキスを落とした。
「…んもぅ、なんなの。」
「ふふ、俺ばっかりが嫉妬してるって思ってたから嬉しくてつい。」
「え?ジミナも嫉妬してたの?」
「うん、凄ーくね。」
「そうだったんだ…」
「メンバーだからさ、触るなとかまでは言わないから、ちょっとだけ俺の事を気にかけてくれたら嬉しいなって。さっきのジョングクとじゃれあいとかを俺の目の前ではあんまりして欲しくないかなって。」
「…ごめんね、気を付けるね。」
「ふふ、分かってくれたらいいよ。」
「へへ、ジミナ大好き。」
「ん、俺も愛してるよ。」
「…ねぇ、」
「ん?」
「さっきの続き、して?」
「ふふ、仰せのままに。」
さっきとは違ういやらしいキスを合図に、俺たちはひとつになった。
後日
「ジーミーナーー!!!!」
バン!と部屋のドアが勢いよく開かれた。
「!?なに?」
「ちょっと、なんであの写真グク ガとユンギヒョンが持ってたの!?」
「っ!!」
「二人とも待ち受けにしてたんだけど!!!」
「え、」
「もうジミナなんて大嫌い!!!!」
「あ、テヒョンア!!!
これには深い事情がぁ〜!!」
「知らない!!!!」
「あっ、ちょっと待って!!!!」
👴🏻🐰((ニヤリ))
fin.
もちろんメンバー公認の仲である。
テヒョンの事は何よりも愛しているし、テヒョンも俺を愛してくれている事が伝わる。だけど、何かが足りない気がする。なんだろう…。
「も〜、グガやめてってばぁ、」
「え〜、ヒョンも嫌じゃないくせに。」
「んふふ、まぁね。」
こっちは真剣に悩み事をしているというのに、目の前でいちゃつく2人にとてもムカついた。
ここでピンときた。そうだ、これだ。
俺は付き合ってから今まで、テヒョンに嫉妬されたことがないのだ。
どれだけメンバーと仲良くしていても、2人で出掛けても、嫉妬のしの字すら見せない。いつも嫉妬するのは自分ばかりで、不安になっていたのだ。
…させてやろうじゃん、嫉妬。
そうと決まれば早速目の前でいちゃつく2人を通り過ぎて、その先にいるユンギヒョンの隣に腰をかけた。
「んあ?ジミナか。」
「ジミナかってなんですかヒョン〜。」
「おい、離れろ暑苦しい。」
「なんで俺には冷たいんですか〜。
テヒョンアには甘いくせに。」
「あいつはいいの。」
「え、なんでで「ユンギヒョン〜?」」
「ん〜?テヒョンアどうした?」
うわ、明らかに声色が変わった。
なんてヒョンだ。
そんなことを思いながらユンギヒョンを見ると、睨み返されたので慌てて目を逸らした。
そのままテヒョンの方へ行くユンギヒョンを後ろからこっそり睨みつけ、リビングから離れ部屋へ戻った。
さっきの様子じゃ絶対にユンギヒョンは協力してくれないだろう。かと言って他のヒョン達と仲良くした所でテヒョンが嫉妬するわけ無さそうだし…。うーん、と考えているとノックもなしにドアが開かれた。
「ジミニヒョン…って、どうしたんですか。変顔の練習ですか。」
「殴っていい?」
「やだなあ、冗談じゃないですかあ。」
ニコニコしながら俺の隣に座るジョングク。そうだ。こいつならテヒョンとも仲がいいし、嫉妬するかもしれない。ただし、こいつがそんな事をすんなりとOKする訳無さそうだし…。そうだ、アレがあったな。俺は奥の手を使ってジョングクに協力してもらうことにした。
「…なぁ、お前に頼みがあるんだけど。」
「…いくらで?」
断られるとは思ってたけど、まさか金を取られるとは思ってなかったなあ。まあ、金以上に価値があるものを俺は隠し持っている。無言で立ち上がり、パソコンを操作する。「何してるんですか。」なんて言うジョングクの声を無視して、今まで誰にも見せたことのなかったファイルをクリックして、 ある画像を画面に表示する。
「コレでどう?」
「……っく、なんですか、」
「ははは、お前ならそうなると思ったよ。
でさ、頼みたいことなんだけどさ、俺テヒョンアに嫉妬されたいんだわ。」
「…あぁ、それで俺にジミニヒョンといちゃついてるフリをして欲しいと。」
「そう。」
「…いやいやいやそんなのしたら、俺がテヒョニヒョンに嫌われますやん。その対価で俺に残るのがこのナース服を着た鬼かわいいテヒョニヒョンだけってか?あ?俺に夜な夜な1人で抜けってか?そりゃあちょっと難しい話ですわ。」
「え?ジョングク…?だよな?」
「そうですけど?」
「(もう怖い。)」
「取り敢えずこの写真は貰っていきますんで。ありがとうございました。じゃあ。」
「え、ちょ、待っ、(バタン」
突然の事で頭がついていかず、そのままドアを見つめていると、控えめにコンコンとノックされ愛おしい恋人が入ってきた。
「なんかグクが上機嫌でスキップしながらこの部屋から出てきたけど、何かあげたの?」
「えっ?いや?」
「……嘘つき。」
「…へ、」
「やだよ、2人だけの秘密とか駄目。最近やたらとふたりで仲良さそうに話してるの見るけど。ジミナは僕の恋人でしょ?
なのになんで僕に隠し事するの?」
「…テヒョンア?」
「なに、」
「もしかして、嫉妬してる?」
「っ、しちゃダメなの?」
もう堪らなくなってぎゅうぎゅうと苦しいほどに抱きしめた。なんでこいつってこんなに可愛いんだろう。可愛くて愛おしくてたまらない唇にふわりとキスを落とした。
「…んもぅ、なんなの。」
「ふふ、俺ばっかりが嫉妬してるって思ってたから嬉しくてつい。」
「え?ジミナも嫉妬してたの?」
「うん、凄ーくね。」
「そうだったんだ…」
「メンバーだからさ、触るなとかまでは言わないから、ちょっとだけ俺の事を気にかけてくれたら嬉しいなって。さっきのジョングクとじゃれあいとかを俺の目の前ではあんまりして欲しくないかなって。」
「…ごめんね、気を付けるね。」
「ふふ、分かってくれたらいいよ。」
「へへ、ジミナ大好き。」
「ん、俺も愛してるよ。」
「…ねぇ、」
「ん?」
「さっきの続き、して?」
「ふふ、仰せのままに。」
さっきとは違ういやらしいキスを合図に、俺たちはひとつになった。
後日
「ジーミーナーー!!!!」
バン!と部屋のドアが勢いよく開かれた。
「!?なに?」
「ちょっと、なんであの写真グク ガとユンギヒョンが持ってたの!?」
「っ!!」
「二人とも待ち受けにしてたんだけど!!!」
「え、」
「もうジミナなんて大嫌い!!!!」
「あ、テヒョンア!!!
これには深い事情がぁ〜!!」
「知らない!!!!」
「あっ、ちょっと待って!!!!」
👴🏻🐰((ニヤリ))
fin.