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短編集

[部屋に来て。]


そう簡潔に送られてきたメッセージに、返信をするよりも先に足が動いていた。それ程期待をしていたんだ。コンコンと部屋のドアをノックすると、ゆっくりとドアが開かれる。


「んふ、どうぞ。」


自分で飾り付けをしたのであろう照明やライトが、程よく光を放っていて、その空間に吸い込まれるように足を踏み入れた。



「…綺麗。」

「ふふ、良かった。」

「全部1人でしたの?」

「うん、気に入った?」

「…凄く。」

「嬉しい。ね、早くこっち来て?」


そう言って幾つか箱が並べられている所へ、手を引かれた。何これ。驚いている俺を他所に、正方形の大きめな箱を空けているテヒョン。


「…ケーキ?」

「うん、2人で食べたかったから。」


だからさっき皆でパーティをした時食べてなかったんだ。なるほど。なんて冷静に分析していると、次に縦に長い長方形の箱が空けられる。


「ジミナ、ケーキといえば?」

「ワイン…?」

「ふふ、当たり。」

「え、これ…」

「そう、俺らの生まれ年のワイン。
そしてジミンが好きな白ワイン。」

「…え、なんで俺が最近白ワインが好きって…
あ、もしかして。」

「そう当たり。グクに協力して貰ってたの。
それに見て、名前入りなの。」

「え、」

「びっくりした?」


Happy Birthday Jimin.
Thank you always.
[いつもありがとう]
I will love you forever.
[ずっと愛してるよ]



「っ、テヒョンア、」


好き。大好き。愛してる。
その気持ちが伝わるように、めいいっぱい抱きしめる。それをしっかりと受け止めてくれるテヒョンア。ああ、やっぱり俺にはお前しかいない。少し体を離すと、恥ずかしそうに俺を見つめる瞳に吸い込まれるように、唇を重ねた。

唇を重ねたまま後ろのベットに優しく倒すと、ハッとして、俺の腕を軽く叩く。何事かと思い唇を解放すると、はぁ、はぁ、と息をしながら俺を見つめてくる。やめて、腰に来るから。


「ん、ふ、ぁ、ジミ、ナ」

「ん、は、何?」

「ケーキ、」

「…へ?」

「あの、俺が、作ったの、」

「…まじで?」

「ん、俺も早くジミンが欲しいけど、一口でもいいから食べて欲しくて。」

「っ、」

どこでそんな殺し文句覚えてくるわけ?
そんな可愛いこと言われて、我慢なんてできるわけがない。せっかく作ってくれたケーキを一口だけで終わらせるわけにはいかないけど、俺だって早くテヒョンが欲しい。


「…あ、いいこと思いついた。」

「んん?」

「テヒョンア、俺のお願い聞いてくれる?」

「うん!誕生日だもん!」



その言葉にニヤリと笑った。







「あっ、やぁ、だめぇ、」


「お願い、聞いてくれるんでしょ?」


「あっ、でも、やぁ、」


「ふふ、テヒョンアのケーキ美味しいよ、」


「んん、やらっ」



生まれたままの姿になったテヒョンに、ケーキの生クリームを塗りたくった。生クリームでベチョベチョになったテヒョンの乳首に吸い付き、綺麗に舐め取りながら、もう片方の手でクリームを掬い取り、後ろの穴にたっぷりと付け、そこにも舌を這わせる。


「あっ、んん、だめっ、」

「はぁ、甘い。」

「あっ、やん、そこ、、あっ、」

「ん?ここ?」

「あぁぁっ、も、やだ、ジミンのが欲しい、」

「はぁ、もう、知らないから、」


性急に自分の下着を脱いで、反応しているものをテヒョンの中に埋め込む。

「ジミ、ナ、」

「ん?」

「生まれてきてくれて、ありがとう。
俺を愛してくれてありがとう、」

「っ、」

言葉では表せないほどの愛おしさがこみ上げてきて、繋がったままテヒョンを力強く抱きしめた。再びゆっくりと唇を重ね、時間の許すまでお互いを求めあった。






眩しくて目を開けると、いつの間にか朝になっていた。隣を見つめると、幸せそうな顔をして眠っているテヒョンアが居た。可愛い寝顔を1枚写真に収めて、昨日貰ったワインも写真を撮ろうと近づく。


「…あれ。なんだろうこれ。」


小さく横に置いてあった箱を手にする。
横に置いてあったということは、これもプレゼントなんだよね?ゆっくりと蓋を開けると、これもまた俺が好きなブランドのピアスが入っていた。直ぐに自分の耳に付けると、後ろでモゾモゾと動く気配がした。


「あれ、ジミナもう起きてたの?」

「うん、ねぇこれ似合う?」

「あ!先に開けちゃったの〜?
でも似合うよ。それで正解だったね。」


ふにゃふにゃと笑うテヒョンを、今度はふわりと優しく抱きしめた。



「愛してるよ、テヒョンア。」


「俺も愛してるよ、ジミナ。
誕生日おめでとう。」


そう言って笑うテヒョンに触れるだけのキスをした。


fin.
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