短編集
「ジミニヒョン〜」
「もぉ、ジミニヒョン!!」
「ジミニヒョンwwwww」
ジミニヒョンジミニヒョン。最近のジョングクはジミンにべったりだ。そんな2人の光景を見たくなくて部屋に引きこもる。リビングで楽しそうにしていたジョングクの顔をベットに寝転びながら思い浮かべる。
俺の前であんな顔してたのはいつ?
ジミンといる方が楽しい?
…俺はもう必要ないの?
きっとそうだ。俺なんて必要ないんだ。
確かに俺よりジミンのほうが可愛いくて、優しくて、素直で甘え上手で、近くにいたら好きになっちゃうよね。
「もう、潮時かぁ。」
そう呟き、溢れてくる涙をそのままにしておいた。目を閉じると、顔を真っ赤にして告白してきたジョングク。俺が頷いたのを確認すると今までで1番嬉しそうな顔で笑ったジョングク。始めてキスをした日。始めて体を重ねた日。今までの楽しかった記憶たちが走馬灯のように浮かんでくる。
でもやっぱり最後に思い浮かぶのは、俺じゃなくてジミンと楽しそうに話しているジョングクの姿だった。
「好き、好きだったよ、」
今日で最後にするからと眠るまで、ジョングクを思って涙を流した。
~♪
「…ん、…………はい、」
誰かからの着信で目が覚める。
名前を確認せずに通話ボタンを押した。
『…。』
「…あれ?」
イタズラかなと思って1度耳から携帯を離すと、ジョングクと表示されていた。そこで一気に目が覚めると同時に、ボソボソと何か呟かれたが、焦った俺はすぐに通話終了ボタンを押した。
たったそれだけの事なのに、無駄に体力を使った気がして、再びベットに体を預けていると、コンコンとノックされ返事をする前に、ガチャっと部屋のドアが開かれた。こんな事する人は一人しかいない。
「なんですか、ユンギヒョン。」
きっと顔を見られたら泣いてたのがバレてしまうから、ドアの方に振り向かず、そのまま声をかける。
「…飯、起こして来いって。」
「うーん、俺今日いらない。」
「…泣いたのか?」
「……え?」
「声が違う。」
「…泣いてないよ?」
「ふーん、目赤いけど?」
「っ!?」
いつの間にか近くに来ていたユンギヒョンに顔を見られる。
「テヒョンア?」
ああもうだめだって。そんな優しい眼差しを向けられると、また涙が出てくるんだよ。そんな俺を見てあの大きな手で頭を撫でられる。
「…ヒョン。」
「ん?」
「ぎゅってして…」
「はいはい。」
抱きしめられ、その背中に腕を回し思い切り抱きしめると、苦しいよ、なんて少し笑いながらもヒョンも抱きしめる腕に力を入れた。
「俺ね、グガと別れようと思う。」
「…そっか。」
「ヒョンは今日も作業?」
「そ。だから寝れねぇの。」
「…ふふ、そっかあ。」
他の人が聞いたらよく分からない会話だろうけど、俺たちはこれで十分なのだ。ユンギヒョンのおかげで、さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいに、心が軽くなった。ありがとう、の気持ちを込めて再び抱きしめる腕に力を入れると、痛い痛い、そう言って笑うユンギヒョンを見て、なんだか楽しくなって俺も笑った。
「ちょっとユンギ〜??」
「「あ」」
ジニヒョンの大きな声が聞こえてきて、2人して忘れてたね。なんてまた笑いながらリビングへと向かった。ベットから降りる時に握られた手はそのままで。
リビングに着くと、もう他のメンバーは食べ終わってたみたいで、俺とユンギヒョンの分だけが残してあった。ちらりとジョングクを見ると、目が合ってしまい慌てて逸らした。あぁ、もしかしてさっきの電話の件で怒ってるの?きっとそれだな、と勝手に解決をして、俺から逸らされることのない視線に気付かないふりをしながら、ユンギヒョンとご飯を食べた。
ご飯を食べ終え、「頑張れ。」そう言って俺の頭をふわりと撫でて、作業室へと向かったユンギヒョンを見送る。自分の両頬を軽く叩いて、よし、と気合を入れジョングクの部屋に向かう。
コンコンとノックして中に入ろうとすると、中からジミンの声が聞こえてきて、入るのをやめた。誰も入ってこないのを不思議に思ったのか、「誰ですか?」と中から声をかけられ、聞こえるか聞こえないかの声で、俺。と言うと、ドアが開かれた。
「…なに?」
明らかに不機嫌そうなジョングク。そりゃそうだよね。ジミンとの楽しい時間を邪魔しちゃったんだから。
「ごめんね、すぐ終わるから。」
「…。」
「俺達別れよう。」
「…………え?」
「今までありがとう。
大好きだったよ。」
ジョングクが驚いて固まっている間に、その場を立ち去ろうとする俺の腕を掴むジョングク。その目には薄らと膜が張られていた。
…なんでそんな顔するの?初めて見たその表情に心が痛くなって、思わず手を顔に伸ばしかけたところで、後ろから「どうしたの?」とジミンの声が聞こえてきて、我に返りその手を元に戻した。
「…ほら、ジミナが待ってるよ。」
そう言って離れようとする俺の腕を、まるで離さないとでも言うように更にぎゅうと握られる。
「…っ、グガ離し「ジミニヒョン、」」
「なぁに?」
「ゲームまた今度でいいですか。」
「おっけー。」
そう言って部屋を出て行こうとするジミンと目が合い「ユンギヒョンには俺から伝えとくから、ちゃんと話し合いな。」と、俺にしか聞こえないように囁いてから部屋を出ていった。
「…。」
「…。」
二人の間に沈黙が訪れる。
「……で、」
「ん…?」
「なんで、?」
「…グガ?」
「俺、何かした…?」
「ううん、お前は何もしてない。
俺に、何もしてないんだよ。分かる…?」
「…っ!それは、」
「分かってるよ。
ジミンの事が好きなんでしょ?
だから、俺はもう必要な「違う!!」…え、」
「俺は、その、」
「うん…」
「嫉妬、してほしくて、」
「…え?」
「俺、ジミニヒョンとくっ付いてたの、ヒョンの前だけなんです。」
「何でそんなこと、」
「ヒョンって、俺にそれこそ何も言わないじゃないですか。怒ってても、ヤキモチ妬いてても、悲しい時もいつもユンギヒョンに相談して。それが悔しくて、わざとヒョンに冷たい態度とってたけど、こんな裏目に出るならもうやめます。」
「…お前は今誰が好きなの?」
「今までもこれからも俺にはヒョンだけだよ。だから別れるなんて言わないで?」
そう言って抱きしめられる。久しぶりのジョングクの香りに包まれ、やっぱりこいつじゃないと駄目なんだなぁ、と思った。
「ん、ごめん。
でも、ジミナとあんまり引っ付きすぎないでね?」
「うん、ごめんね。
これからはずっとヒョンにくっ付くね。」
「うん?」
「ん?」
最後の一言が気になったけど、ジョングクの笑顔を見て、どうでも良くなった。そのままジョングクの部屋で離れてた分を埋めるように、お互いを求め合った。
おまけ
コンコン。
「…誰?」
「ジミンです〜。」
「あー、上手くいったのか。」
「みたいですね。てか、入れてくれません?」
「次泣かせたらジョングガの奴ぶん殴ってやろう。」
「あれ?僕の声聞こえてます?」
「わざわざ報告ありがとうな。」
「あ、や、はい。」
「じゃあ遅いからお前も寝ろよ。おやすみ。」
「おやすみなさい…」
…相変わらず入れてくれないんですね。
fin.
「もぉ、ジミニヒョン!!」
「ジミニヒョンwwwww」
ジミニヒョンジミニヒョン。最近のジョングクはジミンにべったりだ。そんな2人の光景を見たくなくて部屋に引きこもる。リビングで楽しそうにしていたジョングクの顔をベットに寝転びながら思い浮かべる。
俺の前であんな顔してたのはいつ?
ジミンといる方が楽しい?
…俺はもう必要ないの?
きっとそうだ。俺なんて必要ないんだ。
確かに俺よりジミンのほうが可愛いくて、優しくて、素直で甘え上手で、近くにいたら好きになっちゃうよね。
「もう、潮時かぁ。」
そう呟き、溢れてくる涙をそのままにしておいた。目を閉じると、顔を真っ赤にして告白してきたジョングク。俺が頷いたのを確認すると今までで1番嬉しそうな顔で笑ったジョングク。始めてキスをした日。始めて体を重ねた日。今までの楽しかった記憶たちが走馬灯のように浮かんでくる。
でもやっぱり最後に思い浮かぶのは、俺じゃなくてジミンと楽しそうに話しているジョングクの姿だった。
「好き、好きだったよ、」
今日で最後にするからと眠るまで、ジョングクを思って涙を流した。
~♪
「…ん、…………はい、」
誰かからの着信で目が覚める。
名前を確認せずに通話ボタンを押した。
『…。』
「…あれ?」
イタズラかなと思って1度耳から携帯を離すと、ジョングクと表示されていた。そこで一気に目が覚めると同時に、ボソボソと何か呟かれたが、焦った俺はすぐに通話終了ボタンを押した。
たったそれだけの事なのに、無駄に体力を使った気がして、再びベットに体を預けていると、コンコンとノックされ返事をする前に、ガチャっと部屋のドアが開かれた。こんな事する人は一人しかいない。
「なんですか、ユンギヒョン。」
きっと顔を見られたら泣いてたのがバレてしまうから、ドアの方に振り向かず、そのまま声をかける。
「…飯、起こして来いって。」
「うーん、俺今日いらない。」
「…泣いたのか?」
「……え?」
「声が違う。」
「…泣いてないよ?」
「ふーん、目赤いけど?」
「っ!?」
いつの間にか近くに来ていたユンギヒョンに顔を見られる。
「テヒョンア?」
ああもうだめだって。そんな優しい眼差しを向けられると、また涙が出てくるんだよ。そんな俺を見てあの大きな手で頭を撫でられる。
「…ヒョン。」
「ん?」
「ぎゅってして…」
「はいはい。」
抱きしめられ、その背中に腕を回し思い切り抱きしめると、苦しいよ、なんて少し笑いながらもヒョンも抱きしめる腕に力を入れた。
「俺ね、グガと別れようと思う。」
「…そっか。」
「ヒョンは今日も作業?」
「そ。だから寝れねぇの。」
「…ふふ、そっかあ。」
他の人が聞いたらよく分からない会話だろうけど、俺たちはこれで十分なのだ。ユンギヒョンのおかげで、さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいに、心が軽くなった。ありがとう、の気持ちを込めて再び抱きしめる腕に力を入れると、痛い痛い、そう言って笑うユンギヒョンを見て、なんだか楽しくなって俺も笑った。
「ちょっとユンギ〜??」
「「あ」」
ジニヒョンの大きな声が聞こえてきて、2人して忘れてたね。なんてまた笑いながらリビングへと向かった。ベットから降りる時に握られた手はそのままで。
リビングに着くと、もう他のメンバーは食べ終わってたみたいで、俺とユンギヒョンの分だけが残してあった。ちらりとジョングクを見ると、目が合ってしまい慌てて逸らした。あぁ、もしかしてさっきの電話の件で怒ってるの?きっとそれだな、と勝手に解決をして、俺から逸らされることのない視線に気付かないふりをしながら、ユンギヒョンとご飯を食べた。
ご飯を食べ終え、「頑張れ。」そう言って俺の頭をふわりと撫でて、作業室へと向かったユンギヒョンを見送る。自分の両頬を軽く叩いて、よし、と気合を入れジョングクの部屋に向かう。
コンコンとノックして中に入ろうとすると、中からジミンの声が聞こえてきて、入るのをやめた。誰も入ってこないのを不思議に思ったのか、「誰ですか?」と中から声をかけられ、聞こえるか聞こえないかの声で、俺。と言うと、ドアが開かれた。
「…なに?」
明らかに不機嫌そうなジョングク。そりゃそうだよね。ジミンとの楽しい時間を邪魔しちゃったんだから。
「ごめんね、すぐ終わるから。」
「…。」
「俺達別れよう。」
「…………え?」
「今までありがとう。
大好きだったよ。」
ジョングクが驚いて固まっている間に、その場を立ち去ろうとする俺の腕を掴むジョングク。その目には薄らと膜が張られていた。
…なんでそんな顔するの?初めて見たその表情に心が痛くなって、思わず手を顔に伸ばしかけたところで、後ろから「どうしたの?」とジミンの声が聞こえてきて、我に返りその手を元に戻した。
「…ほら、ジミナが待ってるよ。」
そう言って離れようとする俺の腕を、まるで離さないとでも言うように更にぎゅうと握られる。
「…っ、グガ離し「ジミニヒョン、」」
「なぁに?」
「ゲームまた今度でいいですか。」
「おっけー。」
そう言って部屋を出て行こうとするジミンと目が合い「ユンギヒョンには俺から伝えとくから、ちゃんと話し合いな。」と、俺にしか聞こえないように囁いてから部屋を出ていった。
「…。」
「…。」
二人の間に沈黙が訪れる。
「……で、」
「ん…?」
「なんで、?」
「…グガ?」
「俺、何かした…?」
「ううん、お前は何もしてない。
俺に、何もしてないんだよ。分かる…?」
「…っ!それは、」
「分かってるよ。
ジミンの事が好きなんでしょ?
だから、俺はもう必要な「違う!!」…え、」
「俺は、その、」
「うん…」
「嫉妬、してほしくて、」
「…え?」
「俺、ジミニヒョンとくっ付いてたの、ヒョンの前だけなんです。」
「何でそんなこと、」
「ヒョンって、俺にそれこそ何も言わないじゃないですか。怒ってても、ヤキモチ妬いてても、悲しい時もいつもユンギヒョンに相談して。それが悔しくて、わざとヒョンに冷たい態度とってたけど、こんな裏目に出るならもうやめます。」
「…お前は今誰が好きなの?」
「今までもこれからも俺にはヒョンだけだよ。だから別れるなんて言わないで?」
そう言って抱きしめられる。久しぶりのジョングクの香りに包まれ、やっぱりこいつじゃないと駄目なんだなぁ、と思った。
「ん、ごめん。
でも、ジミナとあんまり引っ付きすぎないでね?」
「うん、ごめんね。
これからはずっとヒョンにくっ付くね。」
「うん?」
「ん?」
最後の一言が気になったけど、ジョングクの笑顔を見て、どうでも良くなった。そのままジョングクの部屋で離れてた分を埋めるように、お互いを求め合った。
おまけ
コンコン。
「…誰?」
「ジミンです〜。」
「あー、上手くいったのか。」
「みたいですね。てか、入れてくれません?」
「次泣かせたらジョングガの奴ぶん殴ってやろう。」
「あれ?僕の声聞こえてます?」
「わざわざ報告ありがとうな。」
「あ、や、はい。」
「じゃあ遅いからお前も寝ろよ。おやすみ。」
「おやすみなさい…」
…相変わらず入れてくれないんですね。
fin.