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短編集

スケジュールが終わり、楽屋で着替えながらメッセージを打つ。すぐに帰ってきた返事を見ようとすると、携帯が取り上げられてしまった。


「[今から迎え来ます😘]…ふーん?」



「あっ、ジミナ。」




まずい。
1番見られてはいけない人にバレてしまった。



「…楽しんできな?
まぁ、朝帰りとかしたらあいつ殺すから。」



「…っ、」



「…ふふ、お前が帰ってくるまでちゃあんと起きてるからね。」



そう言って頬にキスをされたのが4時間前のことだった。そして俺は今僅かしか残っていない体力をフル活用して全力で走っている。時刻は夜の2時。宿舎まではもうすぐだ。


明日はオフのため、まだまだ時間に余裕はあったのだが、ミンジェと楽しく食事をしていたら、突然着信音が鳴り響いた。

ごめん、と一言言って電話に出ると電話の相手から「ヒョン、大変なことになってる。早く帰ってきて。」と、普段聞くことない弱々しい声が聞こえてきた。


「えっ、な、に?どうしたの?」

「いいから早く帰ってきて。
ヒョンしか居ないんです…。待ってますから。」
そう言い残して切られた電話。
通話が切れたあと動揺している俺を見て、「…ヒョン、急用でしょ?俺はいつでも暇してますから、また誘ってください。」笑顔でそう言ってくれたミンジェに「本当にごめん!」と謝罪をして、急いでお店をでた。



*****



はぁ、はぁ、と息を整えながら宿舎に入ると、全力疾走した俺と同じように息を切らしている、ヒョン達の姿が目に入った。


「…どう、したの、みんな、はぁ、」



「…っ!ジミナ、テヒョンだよ、」



「え?ホビヒョン何言ってんの?あいつは今他の男のとこに居るんだよ?もう少し面白い冗談言えないわけ?ねえ?」


そう言ってヒョンに近づくジミンは、後ろ姿でも分かるように殺意で溢れていた。
今まで見たことないジミンに呆然と立ち尽くしていると、「テヒョンア、早く来い!」と叫ぶヒョン達の声でハッとした。



「っ、ジミナ?」


「……え?テヒョナ?」



振り返ったジミンはいつものジミンだった。いつものように微笑みながら俺の方へ近づいてきて、ぎゅうと抱きしめる。
…ものすごくお酒の匂いがする。


「皆で飲んでたんですか?」


「こいつが1人で飲んでたんだよ。」


「…で、1人は寂しいだろうからって、一緒に飲もうとしたら既に出来上がってて。」


「ものは投げるわ、暴言吐くわ、暴れまくるわで大変だったんだよ。」



確かに床を見ると、粉々になったガラスの破片やら何やらが散らばっていた。



「これ、全部ジミナが…?」


「…ああ。」


「何でこんな「もー、テヒョンア!いつまでヒョン達と話してんの?俺待ってたんだから、早く部屋行くよ。」あっ、でも片付けしないとっ」


「片付け俺らでやっとくから、お前は早くそいつをどうにかしてくれ。」


酔っ払いの癖に物凄い力で俺の腕を引っ張るジミンの腕を離せる訳もなく、そのまま引きずられるようにしてリビングを後にした。




*****



部屋に入った途端ベッドに押し付けられ、俺の上に跨り、深いキスをしてくるジミナ。



「やぁ、ちょっと、待ってよ、んっ」



「だいぶ待ってたけど?」



服を捲り、胸の突起に触れられる。


「あっ、ちょ、んぁっ、」


「俺っていい彼氏だと思わない?
恋人が他の男とご飯行くの許してんだよ?」



そう言いながら爪で引っ掻いたり、指で摘んだりして弄られる。それだけで感じてしまうのは紛れもなく、目の前のこいつのせいだ。



「やっ、んっ、ああっ、」


「ねぇ、聞いてる?」


「んっんっ、き、てる、から、」


「ふふ、乳首だけでこんなんなってんの?」


「…お前、の、せいだろっ、」


「うん、俺のせい。」


「…も、下も、触って?」


「…ねえ、そんな姿あいつにも見せてないよね?」


「…あいつ?」


「ミンジェ。」


「見せるわけなっ、あっ、」


パンツごと下ろされて、直に触られる。
敏感になっている俺の体は、それだけでイってしまいそうになる。


「ふふ、もうこんなになってんね、」


激しく上下に手を動かされ、呆気なく果ててしまった。そんな俺を見て、「はぁ、かわい、」そう呟いたかと思えば、後に熱いものが入ってきた。



「あっ、まっ、…はっ、あああっ、」


無理やり捩じ込まれ、息が止まりそうになった。


「凄いね、全部入っちゃった。」



ゆっくり腰を動かすジミン。
その動きがもどかしくて、涙が溢れた。



「…やっ、もぅ、ジミナっ、」


「…ん?なぁに?」



こいつ、分かってやっている。



「ね、もっと、」



「もっと、なに?」



「激しく、してっ、あっ、やぁっ、」



待ってましたと言わんばかりに激しくいい所を突かれて、すぐにイってしまった。そんな俺にお構い無しに腰を打ち付けるジミンに、ぎゅうと抱きつくと、中でジミンのものが大きくなった。


「あっ、あっ、もうっだめ、」



また限界が近付いてきた時、動きが止められる。


「…ジミナ?」


「ねぇ、テヒョンア、」


「っん?」


「…お前は、誰のもの?」


「ジミナの、もの、」


「…じゃあ俺だけ見てろよ、」


「俺は、いつも、ジミナしか、見てないよ?」


「…っ、くそ、」



そう言ってまた動きが再開される。



「好きだよ、テヒョンア、」


「俺もっ、好き、だよ、」


「…っ、」



中に熱いものが注がれたと同時に、意識を手放した。




*****




「昨晩は大変申し訳ありませんでした。」



「…全くだよ。」


「俺まじで殺されるかと思った。」


「本当にごめんホビヒョン。」


「それで、ちゃんとテヒョンに言えたのか?お前がヤケ酒した理由。」


「え?何それ。」


「あっ、ちょ、ユンギヒョン!!」


「言ってねぇの?こいつ嫉妬してた「わー!!!!」…うるせえな。」


「え?嫉妬?…本当なの?ジミナ。」


「だって、俺がいるのに、」


「え?」


「…。」


「ジミナ?」


「もー、なんで本人には言えないんですか。俺がいるのに、他の男とご飯行ったりするのが嫌だって、俺だけでいいじゃんて思ってるって言えばいいだけでしょ?」


「ジョングガ!!おまっ、」


「なんですか。こっちだってやけ酒してまた暴れられたら困るから伝えてんですよ。」


「…そっか、ごめんね。ジミナ。
寂しい思いさせてたんだね…」


「…っ!」


「でも、俺はジミナの恋人だし、それに俺はお前のものでしょう?だから心配なんてしなくていいんだよ?」


「テヒョンア…」


ぎゅうっと抱きしめられる。


「イチャつくなら他所でやれ。」

「ほんとほんと朝から辞めてよね〜。」

「一応一件落着かな?」


ヒョン達がそう言いながら、各々好きな事をしようと動き始めた時、俺の携帯から着信音が鳴り響いた。


「あ、ミンジェだ。きっと昨日のこと心配してくれてるんだ。ちょっと出てくるね〜。」


そう言ってジミナに腕からするりとぬけ、リビングを出てミンジェからの電話に出た。






「ジミナを押さえろ!!」

「落ち着け!!!」

「何となくそんな気はしてました…」

「グガ!悟り開く前に手伝え!!」



後でテヒョンを呼び出して、ちゃんと言い聞かせないといけないな、と思うメンバー達であった。
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