短編集
「ドギョミヒョ「あ、ジョンハニヒョン!」」
最近ドギョミヒョンはジョンハニのに引っ付きすぎな気がする。2人が仲がいいのは分かっていたことだけど、恋人である僕より一緒にいる時間が長いってどういう事?そっちがその気なら僕だって仕返ししてやる!そう意気込んだのが間違いだった。
「あ、スングァ「ミンギュヒョン〜!!」」
話しかけられる度に他のヒョン達の所に行くようにした。ドギョミヒョンも僕と同じ気持ちを味わえばいいんだ。なんて子供じみたことを思っていた。ヒョンがどんな顔をして僕の背中を見送っていたかも知らずに。
ヒョンと話をしなくなって1週間。何故か、ジョンハニヒョンやホシヒョン、ウジヒョンから睨まれることが増え、ドギョミヒョンの周りには必ずその3人が居るようになった。何?僕が悪者なわけ?そんなヒョン達の態度にイラついて、さらにドギョミヒョンを避けるようになった。なのに、なんでだろう。こんなにも寂しく感じるのは。気のせいだろうと思う事にして1人で休憩をしていたチャニの所へ合流した。
「…ドギョミヒョンと喧嘩でもしたんですか?」
「…え?」
「最近話してないでしょ?
何かあったのかなって思って。」
「…よく見てるね。」
「まあ、それなりに。
2人が話さなくなってから、まず練習室も宿舎も静かだし、何よりヒョンもドギョミヒョンも日に日に元気なくなっていってるから、心配だったんですよ。」
「え?ドギョミヒョンもって、」
「気付いてないんですか?
ドギョミヒョン毎日目が腫れてる。誰かを想って泣いてるんじゃないですか?」
そう言われてドギョミヒョンの方を見ると、確かに元気がないように見える。そしてチャニが言っていたように目が腫れてる。ねぇヒョン、僕のせいで泣いたの?ヒョンが人一倍繊細だって、僕が1番分かってたじゃん。ヒョンが人の感情に敏感だっていうことも、思ったことを上手く口にできない事も、全部分かっていたのに。僕ってなんて馬鹿なんだろう。
「…ありがと、チャニ。」
「早く仲直りして、いつもの楽しそうなヒョン達を見せてくださいね。」
「…うん。」
そう返事をして、ゆっくりとドギョミヒョンの方へ足を向ける。冷たい視線を浴びながらも、唯一僕の方を見ようとしないヒョンだけを見つめる。
「…ドギョミ、ヒョン。」
名前を呼んだだけなのに、酷く懐かしく感じた。
「…なに?なんか用?」
そう答えたのはホシヒョンだった。
ドギョミヒョンは僕の方を見ようともしない。ねえ、、ヒョンなんで泣いてるの?
「…ねえ、ドギョミヒョン、」
「…の?」
「…何?」
「…別れ話、を言いに来たの?」
「…え、?」
小さくそう呟かれた。
「俺のこと、嫌いになったんでしょ?」
「待って、ヒョン誤解してる。」
「…俺のことずっと避けてたじゃん。」
「それはっ、その、なんて言うか、」
「…嫌いになったから、でしょ?」
「あ〜もう!嫉妬です!嫉妬してたの!」
「…へ?」
涙を溜めて潤んだ瞳で上目遣いをするように見上げられると、抑えきれなくなって座っていたヒョンの手を取り練習室を出た。
握った手を拒まれないことから、嫌われた訳では無いんだと安心する。目的もなく黙々と歩いてる僕に黙ってついてくるヒョン。どうしようかと悩んでいると、ちょうど人通りも少なく座れそうな場所を見つけ、そこに2人で腰をかけた。
「ねえ、ヒョン。」
「…なに、」
「ごめんね。」
「何で、俺の事避けてたの?」
「さっきも言った通り、嫉妬してたんです。ジョンハニヒョンに。」
「…え?」
「だってヒョン最近ずっとジョンハニヒョンと一緒に居たでしょ?恋人である僕よりもずっと。流石に嫉妬するでしょう?」
「それは、ごめん、」
ますますシュンとするヒョンをぎゅうっと抱きしめる。
「でも、僕も仕返ししようと思ってヒョンを避けててごめんなさい。ヒョンと話せなくて、触れ合えなくて寂しかった。」
「うん、俺も。」
「ね、ヒョン、仲直りしよう?」
「スングァナは俺の事好き?」
「そんなの、愛してるに決まってるでしょ?」
「ふふ、良かった。」
「ヒョンは?」
「俺も愛してるよ。」
そう言って笑うヒョンがあまりにも可愛くて、思わず顔を近づけると、ばしっと頭を叩かれた。
「痛っ!」
「お前場所考えろ。」
「だからって叩くことないでしょ!
ジョンハニヒョン!」
「怖かったなドギョマ。」
「安心しろホシウジコンビでお前のこと守るからな。練習も始まるし、早く戻ろう。」
「え?俺は大丈夫だよ?」
そんな事を言いながら、2人に連れていかれるヒョンの背中を追いかけようとすると、くるりと顔だけ振り返ったヒョンと目が合う。
(また後でね。)
そう動いた口に僕の動きかけた足は止まり、そのまましゃがみこんで真っ赤になる顔を手で覆った。
「ほんと、ずるい。」
このやり取りをちゃっかり見ていたジョンハンに邪魔をされるのはまた別のお話。
fin.
最近ドギョミヒョンはジョンハニのに引っ付きすぎな気がする。2人が仲がいいのは分かっていたことだけど、恋人である僕より一緒にいる時間が長いってどういう事?そっちがその気なら僕だって仕返ししてやる!そう意気込んだのが間違いだった。
「あ、スングァ「ミンギュヒョン〜!!」」
話しかけられる度に他のヒョン達の所に行くようにした。ドギョミヒョンも僕と同じ気持ちを味わえばいいんだ。なんて子供じみたことを思っていた。ヒョンがどんな顔をして僕の背中を見送っていたかも知らずに。
ヒョンと話をしなくなって1週間。何故か、ジョンハニヒョンやホシヒョン、ウジヒョンから睨まれることが増え、ドギョミヒョンの周りには必ずその3人が居るようになった。何?僕が悪者なわけ?そんなヒョン達の態度にイラついて、さらにドギョミヒョンを避けるようになった。なのに、なんでだろう。こんなにも寂しく感じるのは。気のせいだろうと思う事にして1人で休憩をしていたチャニの所へ合流した。
「…ドギョミヒョンと喧嘩でもしたんですか?」
「…え?」
「最近話してないでしょ?
何かあったのかなって思って。」
「…よく見てるね。」
「まあ、それなりに。
2人が話さなくなってから、まず練習室も宿舎も静かだし、何よりヒョンもドギョミヒョンも日に日に元気なくなっていってるから、心配だったんですよ。」
「え?ドギョミヒョンもって、」
「気付いてないんですか?
ドギョミヒョン毎日目が腫れてる。誰かを想って泣いてるんじゃないですか?」
そう言われてドギョミヒョンの方を見ると、確かに元気がないように見える。そしてチャニが言っていたように目が腫れてる。ねぇヒョン、僕のせいで泣いたの?ヒョンが人一倍繊細だって、僕が1番分かってたじゃん。ヒョンが人の感情に敏感だっていうことも、思ったことを上手く口にできない事も、全部分かっていたのに。僕ってなんて馬鹿なんだろう。
「…ありがと、チャニ。」
「早く仲直りして、いつもの楽しそうなヒョン達を見せてくださいね。」
「…うん。」
そう返事をして、ゆっくりとドギョミヒョンの方へ足を向ける。冷たい視線を浴びながらも、唯一僕の方を見ようとしないヒョンだけを見つめる。
「…ドギョミ、ヒョン。」
名前を呼んだだけなのに、酷く懐かしく感じた。
「…なに?なんか用?」
そう答えたのはホシヒョンだった。
ドギョミヒョンは僕の方を見ようともしない。ねえ、、ヒョンなんで泣いてるの?
「…ねえ、ドギョミヒョン、」
「…の?」
「…何?」
「…別れ話、を言いに来たの?」
「…え、?」
小さくそう呟かれた。
「俺のこと、嫌いになったんでしょ?」
「待って、ヒョン誤解してる。」
「…俺のことずっと避けてたじゃん。」
「それはっ、その、なんて言うか、」
「…嫌いになったから、でしょ?」
「あ〜もう!嫉妬です!嫉妬してたの!」
「…へ?」
涙を溜めて潤んだ瞳で上目遣いをするように見上げられると、抑えきれなくなって座っていたヒョンの手を取り練習室を出た。
握った手を拒まれないことから、嫌われた訳では無いんだと安心する。目的もなく黙々と歩いてる僕に黙ってついてくるヒョン。どうしようかと悩んでいると、ちょうど人通りも少なく座れそうな場所を見つけ、そこに2人で腰をかけた。
「ねえ、ヒョン。」
「…なに、」
「ごめんね。」
「何で、俺の事避けてたの?」
「さっきも言った通り、嫉妬してたんです。ジョンハニヒョンに。」
「…え?」
「だってヒョン最近ずっとジョンハニヒョンと一緒に居たでしょ?恋人である僕よりもずっと。流石に嫉妬するでしょう?」
「それは、ごめん、」
ますますシュンとするヒョンをぎゅうっと抱きしめる。
「でも、僕も仕返ししようと思ってヒョンを避けててごめんなさい。ヒョンと話せなくて、触れ合えなくて寂しかった。」
「うん、俺も。」
「ね、ヒョン、仲直りしよう?」
「スングァナは俺の事好き?」
「そんなの、愛してるに決まってるでしょ?」
「ふふ、良かった。」
「ヒョンは?」
「俺も愛してるよ。」
そう言って笑うヒョンがあまりにも可愛くて、思わず顔を近づけると、ばしっと頭を叩かれた。
「痛っ!」
「お前場所考えろ。」
「だからって叩くことないでしょ!
ジョンハニヒョン!」
「怖かったなドギョマ。」
「安心しろホシウジコンビでお前のこと守るからな。練習も始まるし、早く戻ろう。」
「え?俺は大丈夫だよ?」
そんな事を言いながら、2人に連れていかれるヒョンの背中を追いかけようとすると、くるりと顔だけ振り返ったヒョンと目が合う。
(また後でね。)
そう動いた口に僕の動きかけた足は止まり、そのまましゃがみこんで真っ赤になる顔を手で覆った。
「ほんと、ずるい。」
このやり取りをちゃっかり見ていたジョンハンに邪魔をされるのはまた別のお話。
fin.
4/4ページ