薬毒同源
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
-
「…とても冷たい手をしているのね」
何気なくリリーに手を握られた時サソリの肩が少し揺れた。そして握られた部分から何かチャクラ以外の何かが身体全体に周りを包み込み顔が紅潮したような不思議な感覚に襲われた。それは…人間だった以来の感覚だった。
いつからだろう
自分の世界が灰色だったのは
リリーをひと目見た時にそう思った。少しずつ世界が色づいている事に。そして自分が今まで見てきた世界が灰色だったことに。なんて言い表したらいいか分からないがその表現が1番近かった。
薬屋を出た時の見上げた空の色がこんなにも青かったのかとサソリは晴れて澄んだ秋空を眺めた。そしていつもよりも自分に時間を使っていた。ちょっといつもよりも良いものを使ったり、些細な事だったが今までの自分では考えられない事だった…。見えないものが見えるようになったような…やはり言葉では上手く表しきれないがリリーに出会ってから少しずつ自分の変化に気付いた。
『…人間でも傀儡でもない俺が…』
自ら名を名乗ったり慎重派のサソリにとってはもはや調子が悪いくらいで先月のメンテナンスが足りなかったせいなのかもしれない…それよりもっとリリーに興味が出てきた。足早にサソリはリリーの情報を集めるためにアジトに戻りリリーは見た目的にデイダラくらいの年端に見えたのでそこから近い人物に聞くことにした。
アジトに戻ると丁度大広間にはデイダラと飛段が作業をしていた。デイダラは何十キロもある粘土を細かく裁断し、飛段は武器の整備など次の出発に向けて調整している。
『デイダラ、リリーって名前の人物聞いた事あるか?』
『リリー…?聞いたことねェけど…ちょっと団子っ鼻の子だったら、俺の里かもなー…うん』
『…飛段は聞いたことあるか?』
『うーーん…ジャシン教名簿に載ってねェ奴はサッパリ分からね、そもそも死んでる奴の方が多いしな、ゲハハ!』
『おい!油がついた手で俺の粘土触んじゃねェ飛段!』
『あーー…ごめんごめん!』
『………』
少しすると任務から鬼鮫とイタチが帰ってきた。名前だけだと埒があかなそうなので簡単な似顔絵と今ある情報を元に見せてみることにした。
『…さぁ?この女性、私の里では聞いたことありませんねェ、…その位置からすると砂と木の葉の間に位置しているのでサソリさんが知らないとするとイタチさんなら分かるかもしれません…どうです?』
『どれ……あぁ、リリーは元暗部で俺の後輩だった。…ただ、木の葉の情報によればリリーはもう里を抜けているぞ』
イタチが言っていた事とリリーの名でもっと詳しく調べるとイタチと同じ木の葉の里の者で今は抜け忍の指名手配だと知り、思わずガッツポーズが出た。もはやサソリの中では仲間に引き入れる以外思い浮かばなかったのだ。
大蛇丸が抜けた後釜を探していたペインにも相談しやすい事もありサソリの中だけでは着々とリリーを引き入れる準備をしていた。彼女がそれを受け入れまいが自分にとってはコレクションを増やす位の感覚で再び薬屋へと足を運ぶ。それは自分も暁へと率いられた時は一緒だったからだ。戦闘に負け力づくで組織に入れられ、小南に負けたというのも気に食わないが…まぁいい、と思いながらサソリは到着した薬屋に顔を出すがいつもの姿がない。裏手に周り石畳を抜け畑の方に回るとリリーがせっせと作業をしていた。
『…よぉ、また来たぜ』
声をかけるとリリーは顔をあげ不思議そうにこちらを見上げた。土を触っていたからか鼻の頭が汚れていたがそこはあえて言わなかった。
「…今から表行くから待ってて…」
『今日は買う用じゃねェ、お前に用がある』
-
「…とても冷たい手をしているのね」
何気なくリリーに手を握られた時サソリの肩が少し揺れた。そして握られた部分から何かチャクラ以外の何かが身体全体に周りを包み込み顔が紅潮したような不思議な感覚に襲われた。それは…人間だった以来の感覚だった。
いつからだろう
自分の世界が灰色だったのは
リリーをひと目見た時にそう思った。少しずつ世界が色づいている事に。そして自分が今まで見てきた世界が灰色だったことに。なんて言い表したらいいか分からないがその表現が1番近かった。
薬屋を出た時の見上げた空の色がこんなにも青かったのかとサソリは晴れて澄んだ秋空を眺めた。そしていつもよりも自分に時間を使っていた。ちょっといつもよりも良いものを使ったり、些細な事だったが今までの自分では考えられない事だった…。見えないものが見えるようになったような…やはり言葉では上手く表しきれないがリリーに出会ってから少しずつ自分の変化に気付いた。
『…人間でも傀儡でもない俺が…』
自ら名を名乗ったり慎重派のサソリにとってはもはや調子が悪いくらいで先月のメンテナンスが足りなかったせいなのかもしれない…それよりもっとリリーに興味が出てきた。足早にサソリはリリーの情報を集めるためにアジトに戻りリリーは見た目的にデイダラくらいの年端に見えたのでそこから近い人物に聞くことにした。
アジトに戻ると丁度大広間にはデイダラと飛段が作業をしていた。デイダラは何十キロもある粘土を細かく裁断し、飛段は武器の整備など次の出発に向けて調整している。
『デイダラ、リリーって名前の人物聞いた事あるか?』
『リリー…?聞いたことねェけど…ちょっと団子っ鼻の子だったら、俺の里かもなー…うん』
『…飛段は聞いたことあるか?』
『うーーん…ジャシン教名簿に載ってねェ奴はサッパリ分からね、そもそも死んでる奴の方が多いしな、ゲハハ!』
『おい!油がついた手で俺の粘土触んじゃねェ飛段!』
『あーー…ごめんごめん!』
『………』
少しすると任務から鬼鮫とイタチが帰ってきた。名前だけだと埒があかなそうなので簡単な似顔絵と今ある情報を元に見せてみることにした。
『…さぁ?この女性、私の里では聞いたことありませんねェ、…その位置からすると砂と木の葉の間に位置しているのでサソリさんが知らないとするとイタチさんなら分かるかもしれません…どうです?』
『どれ……あぁ、リリーは元暗部で俺の後輩だった。…ただ、木の葉の情報によればリリーはもう里を抜けているぞ』
イタチが言っていた事とリリーの名でもっと詳しく調べるとイタチと同じ木の葉の里の者で今は抜け忍の指名手配だと知り、思わずガッツポーズが出た。もはやサソリの中では仲間に引き入れる以外思い浮かばなかったのだ。
大蛇丸が抜けた後釜を探していたペインにも相談しやすい事もありサソリの中だけでは着々とリリーを引き入れる準備をしていた。彼女がそれを受け入れまいが自分にとってはコレクションを増やす位の感覚で再び薬屋へと足を運ぶ。それは自分も暁へと率いられた時は一緒だったからだ。戦闘に負け力づくで組織に入れられ、小南に負けたというのも気に食わないが…まぁいい、と思いながらサソリは到着した薬屋に顔を出すがいつもの姿がない。裏手に周り石畳を抜け畑の方に回るとリリーがせっせと作業をしていた。
『…よぉ、また来たぜ』
声をかけるとリリーは顔をあげ不思議そうにこちらを見上げた。土を触っていたからか鼻の頭が汚れていたがそこはあえて言わなかった。
「…今から表行くから待ってて…」
『今日は買う用じゃねェ、お前に用がある』
-