薬毒同源
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チヨさんが落ち着いて話せるように店の裏にある広い庭園のベンチに腰掛けた。天気や気温も心地よく丁度良い。チヨさんが好きなあたたかいハーブティーとお茶菓子を出すと微笑んで受け取った。
『さっきは取り乱してすまんかった』
「大丈夫、私こそごめんなさい」
『全然構わん…そうさな…サソリはわしの孫じゃ。20年前に突然姿を消し抜け忍となった。まだ15歳の時じゃった。今はどうしているのかも知らんしとうに死んでいると思ったが…それもどうか全く分からん』
だとすると今は35歳…そういえばサソリは私より年上だと言っていたがとてもその年齢に見える容姿では無かった。本当に本人だったのか不明だがそこで嘘をつく意味もない。しかし、わざわざ名を言った
理由もまだ分からなかった。サソリの事を話す時のチヨさんはとても暗い目をしていて、ぎゅっとカップを掴む手が震える。
『……サソリはどんなだった?』
「一致しないわ。だってその子少年だし、チヨさんの言い分には今その人は35歳でしょ?…とてもそんな歳には…」
『…イタズラか、砂隠れでは今は親世代が知ってるじゃろうし、容姿が似てると誰かが吹き込んだんだ…わしは隠居の身じゃが…』
「そうなの…」
『いや、まさかリリーの口から聞けるとは思いもしなかった。この年になっても不思議な事はあるもんだ…ただな、』
リリー目を見てチヨは何か言いかけ、何か言いたいことが喉元まで出かかっている所で言うか迷っているようだった。
『…もし本当にサソリだとしたら気を付ける事じゃ。あやつは用心深い。子供に変化してるかもしれんし用心する事に越したことはない』
「分かった、…ありがとうチヨさん」
チヨさんが帰った後用心するとは言ったもののどう用心したらいいのかまで聞けなかった。まぁ用心した所で防げるかも不明だがそんな危険な人なのだろうか。帰り際にチヨさんは広いようで狭い世界だと言ったが、チヨさんとサソリが再開する時が来るかもしれないと仄めかすような言い方だった。
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『…よお、また来たぜ』
リリーは店裏の手入れをしていると、わざわざサソリから裏手に顔を出した。いつも不機嫌なサソリの割にはずいぶん機嫌が良さそうだった。
「…急いで表行くから待ってて」
『いや、今日は買う用じゃねェ。お前に用がある』
「…?」
このままではととりあえず中へと移動した。
リリーは何か飲み物を飲むかと提示したがサソリは必要ないと断った。サソリは席に着くなりいきなり話を始める。
『俺と組め、そして新しい毒を開発しろ』
「…いきなり何?」
『木の葉の元暗部だったそうじゃないか。毒使いの』
「……それをどこから…元は元だ。今はしがない薬屋でしかない」
『…名前でピンときた。毒使いなら分かるだろ、日々解毒薬とのイタチごっこなんだよ』
「……」
リリーは研究に明け暮れた日々を少し思い出した。でも作り上げる薬はどれも猛毒の殺人兵器だ。解毒薬とのイタチごっこだったのもよく分かる。作っては破られの繰り返しだったがそのおかげか簡単には作られないような毒作りに専念してきた。
『無理矢理でもお前を連れて行く』
無理なら殺すという言葉がただの脅しじゃない意味合いでサソリは軽く言った。チヨさんが言ってた意味が今ならよく分かる。この人は短気であまり待てる人ではない。
「…木の葉が砂に協力するとでも?」
『…ククッ…ははははは!!!』
サソリは大笑いして机を叩いた。
「何がおかしい…」
『…笑わせるな。お前は無差別大量殺戮の罪で今も指名手配中の抜け人だろうが?……俺も里を抜けてるから木の葉も砂もクソもねェ……のうのうと隠居生活でも暮らせて行けると思ったのか、え?』
「でっち上げだ!…それは…」
『木の葉のでっち上げであろうと今は指名手配の罪人でしかねェよ…こっちは手が足りない。助手だ、助手。俺は今後の計画で色々忙しい。毒作りはあまりにも時間と頭脳を必要とする。今すぐ必要な所に丁度居たんだ。お前が』
話を聞くとずっとリリーに目を付けて調べ上げていたという。そもそも名前だけで探し出すとは様々な情報源を持ち合わせ、連れて行くとなるとサソリはそのような大きな組織にでも居るのだろうか。
「バックがいるのか…」
『俺は暁という組織に今居る。今俺の誘いを断れたとしてもここの薬屋がいつ終わるか分からねェぞ…木の葉にペロっとここの居場所を伝えちまったからな……。あと5分だけ待つ。急いで必要な荷物をまとめて来い』
サソリは巻物を取り出すとヒルコという大きな傀儡を出して用意が出来たら途中で逃げられないようにこの中に入れといった。わざわざ木の葉に告げ口するなんて用意周到な奴……だとするともう時間が無い。リリーは必要な道具をまとめバックに詰め込むと、店を閉めるをふりをしてチヨさんの薬と走り書きした手紙を薬瓶の下に入れた。
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チヨさんが落ち着いて話せるように店の裏にある広い庭園のベンチに腰掛けた。天気や気温も心地よく丁度良い。チヨさんが好きなあたたかいハーブティーとお茶菓子を出すと微笑んで受け取った。
『さっきは取り乱してすまんかった』
「大丈夫、私こそごめんなさい」
『全然構わん…そうさな…サソリはわしの孫じゃ。20年前に突然姿を消し抜け忍となった。まだ15歳の時じゃった。今はどうしているのかも知らんしとうに死んでいると思ったが…それもどうか全く分からん』
だとすると今は35歳…そういえばサソリは私より年上だと言っていたがとてもその年齢に見える容姿では無かった。本当に本人だったのか不明だがそこで嘘をつく意味もない。しかし、わざわざ名を言った
理由もまだ分からなかった。サソリの事を話す時のチヨさんはとても暗い目をしていて、ぎゅっとカップを掴む手が震える。
『……サソリはどんなだった?』
「一致しないわ。だってその子少年だし、チヨさんの言い分には今その人は35歳でしょ?…とてもそんな歳には…」
『…イタズラか、砂隠れでは今は親世代が知ってるじゃろうし、容姿が似てると誰かが吹き込んだんだ…わしは隠居の身じゃが…』
「そうなの…」
『いや、まさかリリーの口から聞けるとは思いもしなかった。この年になっても不思議な事はあるもんだ…ただな、』
リリー目を見てチヨは何か言いかけ、何か言いたいことが喉元まで出かかっている所で言うか迷っているようだった。
『…もし本当にサソリだとしたら気を付ける事じゃ。あやつは用心深い。子供に変化してるかもしれんし用心する事に越したことはない』
「分かった、…ありがとうチヨさん」
チヨさんが帰った後用心するとは言ったもののどう用心したらいいのかまで聞けなかった。まぁ用心した所で防げるかも不明だがそんな危険な人なのだろうか。帰り際にチヨさんは広いようで狭い世界だと言ったが、チヨさんとサソリが再開する時が来るかもしれないと仄めかすような言い方だった。
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『…よお、また来たぜ』
リリーは店裏の手入れをしていると、わざわざサソリから裏手に顔を出した。いつも不機嫌なサソリの割にはずいぶん機嫌が良さそうだった。
「…急いで表行くから待ってて」
『いや、今日は買う用じゃねェ。お前に用がある』
「…?」
このままではととりあえず中へと移動した。
リリーは何か飲み物を飲むかと提示したがサソリは必要ないと断った。サソリは席に着くなりいきなり話を始める。
『俺と組め、そして新しい毒を開発しろ』
「…いきなり何?」
『木の葉の元暗部だったそうじゃないか。毒使いの』
「……それをどこから…元は元だ。今はしがない薬屋でしかない」
『…名前でピンときた。毒使いなら分かるだろ、日々解毒薬とのイタチごっこなんだよ』
「……」
リリーは研究に明け暮れた日々を少し思い出した。でも作り上げる薬はどれも猛毒の殺人兵器だ。解毒薬とのイタチごっこだったのもよく分かる。作っては破られの繰り返しだったがそのおかげか簡単には作られないような毒作りに専念してきた。
『無理矢理でもお前を連れて行く』
無理なら殺すという言葉がただの脅しじゃない意味合いでサソリは軽く言った。チヨさんが言ってた意味が今ならよく分かる。この人は短気であまり待てる人ではない。
「…木の葉が砂に協力するとでも?」
『…ククッ…ははははは!!!』
サソリは大笑いして机を叩いた。
「何がおかしい…」
『…笑わせるな。お前は無差別大量殺戮の罪で今も指名手配中の抜け人だろうが?……俺も里を抜けてるから木の葉も砂もクソもねェ……のうのうと隠居生活でも暮らせて行けると思ったのか、え?』
「でっち上げだ!…それは…」
『木の葉のでっち上げであろうと今は指名手配の罪人でしかねェよ…こっちは手が足りない。助手だ、助手。俺は今後の計画で色々忙しい。毒作りはあまりにも時間と頭脳を必要とする。今すぐ必要な所に丁度居たんだ。お前が』
話を聞くとずっとリリーに目を付けて調べ上げていたという。そもそも名前だけで探し出すとは様々な情報源を持ち合わせ、連れて行くとなるとサソリはそのような大きな組織にでも居るのだろうか。
「バックがいるのか…」
『俺は暁という組織に今居る。今俺の誘いを断れたとしてもここの薬屋がいつ終わるか分からねェぞ…木の葉にペロっとここの居場所を伝えちまったからな……。あと5分だけ待つ。急いで必要な荷物をまとめて来い』
サソリは巻物を取り出すとヒルコという大きな傀儡を出して用意が出来たら途中で逃げられないようにこの中に入れといった。わざわざ木の葉に告げ口するなんて用意周到な奴……だとするともう時間が無い。リリーは必要な道具をまとめバックに詰め込むと、店を閉めるをふりをしてチヨさんの薬と走り書きした手紙を薬瓶の下に入れた。
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