暁短編
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
安宿
『お前くらいだ、このモノ好きめ』
「それは角都だからだよ…角都じゃないと…意味ない…」
角都の苛立ちは殺意となってリリーに向けられるが最近はわざと私が角都を苛立たせているかもしれない。骨が軋み折れてしまいそうな力で首を絞められると意識が遠のいていく先に魂と肉体が分離するような解放的な快楽と生死の狭間を行き来する。この人の力加減でその命が左右されてしまうなんて呆気ないがそれは角都だから良い。いっそ殺してくれたら気が楽になるのに。
『…今度は失禁するなよ、片付けが面倒だ』
「…ぅぅぅ…ヴェ…」
意識が遠のきながらこんな事別に私も好きでもなかったのにと思った。だからと言って角都の殺し癖に無理矢理付き合っているわけでもない。まあどうせ死ぬなら好きな人の腕で、目の前で死にたいと思っただけだった。死んだ先は何もない無なのだろうか。けれど必ず次目を開ける時には魂と肉体はくっ付いたままで気だるさだけが残っている。
「……角都…」
角都がケチった安宿で天井にあった顔のようなシミも変わってない。…ケチったとは言ったが屋根があって野宿以外の宿は有り難い事なのである。飛段の時は野宿は当たり前と聞いていたので角都なりの配慮なのかもしれない。首を傾けると角都が何事も無かったかのように和室の座椅子で背を向けて新聞を読んでいた。リリーはゆっくり起き上がって近づくと角都の背中に寄りかかる。顔をくっ付けると心臓の音が大きく聴こえた。
「…結局殺さないんだね」
『喜んで殺される奴なんて居るか。癪なだけだ』
「でもどうせ死ぬなら、角都に殺された方がマシ」
『…もう黙れ』
角都の腕力で多少雑に引き寄せられ、胡座の中に座らせられると壊れ物を扱うように優しくキスをした。なんでこういう時だけ優しいキスをするんだろう。リリーは舌を出すと角都は甘噛みしながら舐めとった。
「…もっと触って、」
『…分かっている。そう焦るな』
角都は持っていた新聞を端の方へ投げるとリリーを覆い被さるようにして抱き締めた。角都は少し溜息を付いてリリーに話し掛ける。
『何故そんな死にたがる?そんなに今の仕事が嫌か?』
「…まぁ、角都の賞金首集めにはもう飽き飽きしてるけど…そうじゃないよ。死にたいわけじゃない。…でも死ぬ時は角都以外で死にたくないんだ」
『全く意味が分からんな、死因にこだわるのが』
「別にこだわってるわけじゃないけど…私にとって角都に殺されるのが1番死因としてマシってこと…分からなくてもいい。でも、私が殺されそうになったらそれよりも先に殺してほしい」
『…わがままな小娘だな』
「…私知ってるよ…角都が殺そうとしてる時勃ってるの」
誰かが居るわけじゃないのにコソコソと角都に耳打ちをすると、角都は無言でリリーのズボンに手をかけ無理矢理脱がし、前戯も無くすでに勃起していたものを宛てがう。少し濡れてはいたがメリメリと音を立てて肉壁に摩擦を感じ鈍痛が走り、全て入ってないのに奥まで押し潰された。
「…っ!…痛あ…」
『…煩いから前戯はナシだ。そのうち濡れてくるだろう』
「…んんっ…あぁっ!…」
角都は腰を引くと体重を使ってそのまま打ち付ける。内臓が中でグチャグチャにすり潰されるような痛みと後から追いつくように快楽がやってきた。呼吸もやっとの状態で大きく息をしようと口を開けると角都の舌が入ってくる。上も下も押し潰されるように繋がれて酸欠になりそうだった。目眩と目がチカチカしてきた所で角都が舌を引き抜く。涙と唾液で犬に舐め回されたように顔がベチャベチャだったリリーの顔を見て角都が珍しく笑った。
『…酷い顔だ』
そう言った割には満足そうな顔をしている。あんなに痛かったはずかのに今は欲しくて欲しくてたまらない。腰が自然に動き出すが角都の下にいるため満足に動けないでいると、角都が腕を引いて体位を変えリリーを上に乗せると角都が下から腰を突き上げた。中で串刺しになるような圧迫感が堪らない。突き上げられているうちにもうイきそうだった。
「……っうう!んんん!!ん!」
『……っ…!出すぞ…』
腰を掴まれたため突き上げられた衝撃が逃げることなく奥深い所で吐き出される。心臓が弾けるように高鳴り脱力して角都の隣に倒れ込むように仰向けになった。ゆっくり天井ゆ見上げると顔のようなシミは変わらずそこにあり、丁度目が合ったような気がしてなんだか気味が悪くなった。
「………角都、上向いてたのによくあの天井のシミ気にならなかったね」
『フン…屋根があるだけマシだ…それにあのシミがあるおかげでここは安いんだ』
「…フフ、角都らしい」
-