ADULT STORY
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ーー彼女の香りを閉じ込められたらーー
…なんて幸せだろうと思った。
天真爛漫な彼女に恋をして。
その彼女に想いを告げる事なく時は過ぎ
人伝えに結婚すると聞けば絶望した。
間の前に横たわるのは死んだばかりの彼女で。
殺した自分の愚かさよりも
その彼女の香しい香りを一生閉じ込めたい。そう思った。
「…ああ…リリー…」
横たわる彼女の胸元に顔をすり寄せれば
天国に居るかのような気分に高揚する。
ーー古代エジプト人はある香料を加えると、究極の香水が作れると信じられていた。かの有名なエジプト王の墓から出土された究極の香水が存在したという…。千年以上も月日が経つにも関わらず、香水瓶を開けられ香しい香りが周囲に放たれた途端、全ての人はえも言われぬ香りに"自分たちは楽園にいる"と錯覚させられたのだというーーー
12種類の香料がある中に
13番目の香料が存在するとすれば……
匂いが薄れないうちに彼女の衣類を脱がすと
丸カンの中に詰められた動物性の油を滑らかな彼女の全体に塗り込んでいく。麻の布で全身を包み匂いを閉じ込める。その油を彼女の身体から削ぎ落とし、集めてアルコールと混ぜ合わせていく。蒸留装置で精製した精油は水で冷され液状となる。出てきた精油は一滴一滴が彼女の魂なのだ。
手の平に収まる様な小さい香水瓶に詰め込み一滴を皮膚に垂らすと目の前で彼女が微笑んで居るかのような幻想が感じられる。至福のひとときだった。
そこに愛は存在しない。
時間が経てば全て消え去ってしまう。
彼女の冷たい亡骸を何度も犯して墓に埋めた。
(…リリー…リリー…)
冷たい彼女は何も言わない
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