LONG STORY
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薬品の香りが鼻をかすめ、目を開けると医務室のベットの上でリリーは横になっていた。ゆっくり起き上がると、マダム・ポンフリーが様子を見にやってきた。
「体調はどう?新学期は慣れないことが多くて体調を崩しやすいわ」
「大丈夫です、ありがとうございました」
ふと窓の外を見ると既に日は暮れて
腕時計をみると既に就寝前の時間だった。
「スネイプ先生がしばらくいらっしゃったけど…あの方も授業で忙しいから」
「スネイプ先生が」
「めずらしく次の授業が始まる時間だと言うのにギリギリまで。心配だったのね」
リリーが大丈夫そうだと分かるとマダム・ポンフリーは他のベットの寝具を片付け始めた。リリーは靴を履いてある程度の身なりを整えるとベットから起き上がりお礼を言って医務室から抜け出した。
「リリー、」
「セオ、どうしたの?」
声がする方へ振り向くとセオドールが壁際の石段に本を片手に座っていた。どうやら外でリリーが出て来るのを待っていたようだった。
「…まだ顔色が悪いよ」
「心配した?」
リリーがそう言うとセオドールは悲しそうな瞳でリリーの頬へ手を伸ばして眺めた。手が冷たくなっていて長い時間居たのだろう。セオドールの手をリリーは優しく包み返す。
「心配しないで、大丈夫。ちょっと新学期が大変だっただけ」
「……そう」
「貴方の方が病人みたいよ」
ほら、手が冷たくて、と笑いかける間もなくセオドールはリリーを抱きしめた。
「えっ…セオ…?」
普段なら絶対しないような突然のセオドールの行動にびっくりして心臓が飛び跳ねた。それでもセオドールなりの心配の現れなのかと感じたリリーは抱きしめ返すとほんのりシャンプーの香りがする。
「……不安なんだ」
「不安?」
ふとセオドール越しの廊下の先に目をやると黒い影があり、よく見るとスネイプ先生が遠くから歩いてくる所だった。先に居るリリー達に気づいたスネイプ先生は静かにUターンして廊下の先に消えていった。
「……あっ…」
「あ…ごめん…おやすみ」
リリーの声にパッと本来のセオドールに戻り離れて図書室の方へ歩いていく。リリーは冷や汗でベタベタだった為、お風呂の後寮の方へ戻ることにした。途中でスネイプ先生に会わないかと思ったが会うこともなく、寮の扉を静かに抜けると暖炉の前のソファーにマルフォイとクラッブとゴイルの姿があった。なんだか楽しそうに笑い話をしている。
「あいつ今頃フィルチに見つかって困ってるだろうな…」
「…誰が?」
その声に3人はびっくりしてマルフォイは振り向きリリーの表情をみて少し表情が気まずそうに強ばった。
「……ポッターだよ。あとは赤毛のウィーズリーあいつらは今誰もいないトロフィー室にいる」
「…ドラコ、…貴方…」
「どうしてリリーがそんな顔をするんだ、…それより体調は大丈夫か?今日食事の席に居なかったが……おい!」
ドラコの話をすべて聞くこともなくリリーは寮を飛び出した。今なら間に合うかもしれないとそう思ったのだ。
地下牢の廊下を駆け足で走っていると前方からタイミング悪くスネイプに出会してしまった。がっしり肩を掴まれて完全に止められてしまう。
「……エヴァンス、もう消灯時間だ。どこへ行く?」
「あ……お風呂に」
「一般生徒用のお風呂はこちらじゃないだろうエヴァンス…もう監督生になったつもりかね?」
咄嗟に嘘を付いてしまったがこの間にもハリーがフィルチに捕まってるかもしれない…そう考えたリリーは焦っていた。
「医務室に忘れ物があって…それからお風呂へ…もう消灯時間なのは分かってます!でも身体が汗で気持ち悪くて…」
「…しかし、あまり校内をウロウロするのは頂けない」
そう言いながらスネイプはリリーの肩を掴んでいた手をパッと離した。
「ありがとうございます…今日の事もご心配お掛けしました」
リリーは助けてもらったこともあり、嘘をつくのは心苦しかったが、スネイプに一礼をし、急いでトロフィー室に向かった。
案の定トロフィー室の扉の隙間から見えるハリーとロン、そしてハーマイオニーが不安な表情で杖を構えていた。驚かせないように小声で
「(ハリー!)」
「誰だ!?……その声は……」
向こうから扉を開けてもらうと、3人は驚いたような安堵したような表情で迎え入れてくれた。
「ドラコはここに来ないわ」
「やっぱり!私たち騙されてたのよ!」
ハーマイオニーの問いかけにバツが悪そうにハリーとロンはキッと睨みつけた。
「どうしてリリーがここに?」
「フィルチがもうすぐ来てしまうからよ!」
ガチャガチャと隣の部屋から鍵を解錠しようとする音がトロフィー室に響き渡った。その瞬間リリー達は見つからんと走ってトロフィー室を抜け出して走った。
「早く!」
暗くて自分達が何処にいるのか分からないまま近くの階段を駆け上がり階段から見られないように急いで近くの廊下まで4人は走り抜けた。
「…っはあ…はあ」
「リリー、君が居なかったら今頃…」
「ありがとう、…なんだか複雑…マルフォイは許せないけど」
「リリーありがとう…!さぁ、早く寮へ帰りましょう…」
「そこにいるのはだーれだ!?」
「ピーブス!」
「こんな夜中に歩き回っちゃいけないんだー!」
ポルターガイストのピーブス…ホグワーツで生徒にイタズラをするのが大好きで特に狙いは新入生だった。ビープスは息を大きく吸い込むと寝ている全生徒が起きてしまうくらいの大声で叫び出した。
「みんな!こっち!」
見つかってしまう前にリリー達は急いで近くの特に暗い廊下の先へ走り部屋の扉を見つけたが鍵が閉まっていた。
「どうしよう!」
「ロン!そこをどいて!アロホモーラ!」
ハーマイオニーが杖を引き抜いて呪文をかけるとパッと扉が開き、4人は急いで駆け込んだ。
「とんだ1日だ…」
「ホントに…急いで…」
獣臭い温かい風に自然4人は振り返ると、巨大な3つの頭の犬が侵入者に気付いて鼻をひくつかせながら目を開けた。みるみるうちに牙を剥き出しにして襲い掛かりそうに構え始めた。アブソレムの未来の羊皮紙に書いてあったそのままの三頭犬だった。
「急いで!逃げるのよ!」
「ウワワアア!!!」
「リリー!こっちにきて!」
呆気に取られていたリリーはハリーに手を引かれ身体を引き寄せられながら皆が一斉に扉の外へ飛び出た。
「あ…ありがとう…私腰抜けそうになって…」
「いいんだ…さっき助けてもらったし」
「なんなんだ…あれ」
「と、とりあえず…寮へ帰りましょう…」
「ええ…じゃぁ私はこっちだから…」
「1人で大丈夫?」
2人ももちろん優しいけれど、ハリーはもっと優しかった。寮が違えどみんなの様子を見ている。
「大丈夫よ…今日の深夜の見回りはスネイプ先生だから、…3人は気をつけて帰ってね」
「またね、ありがとう」
3人はその言葉が響いたようで辺りに警戒しながら帰って行った。リリーも気をつけながら地下牢の方へ足を進める。
三頭犬は本当に居たんだ…
しかし居たのが校内だった。…という事は先生達が飼っている事になる。あんなに大きな三頭犬を?何故?
考えているうちに地下牢の寮に着きゆっくり静かに扉を通った。暖炉のそばのソファーにマルフォイがただ1人リリーの帰りを待っていた。マルフォイは真剣な顔で立ち上がりリリーに近づく。
「遅かったな…本当にポッター達の所へ行ったのか…?」
「行ったわ。大丈夫よ」
「…リリー何故そこまでする?スリザリンとして品格を…」
「…もう友達だもの」
自然と口から出た言葉に自分でも驚いたが、ドラコはもっと驚いていた。目を見開き、信じられない表情をしていたがその表情はすぐ変わり深刻そうな顔になった。
「あいつは僕達とは友達にならない。…嘘だ」
「…そんなことない。ハリーは優しいわ」
「リリーはどっちの味方なんだ?!自分の寮の自覚はないのか?!」
「ドラコ…」
「すまない…でも父上が言ってたんだ!君にも…分かるだろう…」
ドラコはそう言いきゅっと口を紡ぐと男子寮の方へ戻って行った。
「体調はどう?新学期は慣れないことが多くて体調を崩しやすいわ」
「大丈夫です、ありがとうございました」
ふと窓の外を見ると既に日は暮れて
腕時計をみると既に就寝前の時間だった。
「スネイプ先生がしばらくいらっしゃったけど…あの方も授業で忙しいから」
「スネイプ先生が」
「めずらしく次の授業が始まる時間だと言うのにギリギリまで。心配だったのね」
リリーが大丈夫そうだと分かるとマダム・ポンフリーは他のベットの寝具を片付け始めた。リリーは靴を履いてある程度の身なりを整えるとベットから起き上がりお礼を言って医務室から抜け出した。
「リリー、」
「セオ、どうしたの?」
声がする方へ振り向くとセオドールが壁際の石段に本を片手に座っていた。どうやら外でリリーが出て来るのを待っていたようだった。
「…まだ顔色が悪いよ」
「心配した?」
リリーがそう言うとセオドールは悲しそうな瞳でリリーの頬へ手を伸ばして眺めた。手が冷たくなっていて長い時間居たのだろう。セオドールの手をリリーは優しく包み返す。
「心配しないで、大丈夫。ちょっと新学期が大変だっただけ」
「……そう」
「貴方の方が病人みたいよ」
ほら、手が冷たくて、と笑いかける間もなくセオドールはリリーを抱きしめた。
「えっ…セオ…?」
普段なら絶対しないような突然のセオドールの行動にびっくりして心臓が飛び跳ねた。それでもセオドールなりの心配の現れなのかと感じたリリーは抱きしめ返すとほんのりシャンプーの香りがする。
「……不安なんだ」
「不安?」
ふとセオドール越しの廊下の先に目をやると黒い影があり、よく見るとスネイプ先生が遠くから歩いてくる所だった。先に居るリリー達に気づいたスネイプ先生は静かにUターンして廊下の先に消えていった。
「……あっ…」
「あ…ごめん…おやすみ」
リリーの声にパッと本来のセオドールに戻り離れて図書室の方へ歩いていく。リリーは冷や汗でベタベタだった為、お風呂の後寮の方へ戻ることにした。途中でスネイプ先生に会わないかと思ったが会うこともなく、寮の扉を静かに抜けると暖炉の前のソファーにマルフォイとクラッブとゴイルの姿があった。なんだか楽しそうに笑い話をしている。
「あいつ今頃フィルチに見つかって困ってるだろうな…」
「…誰が?」
その声に3人はびっくりしてマルフォイは振り向きリリーの表情をみて少し表情が気まずそうに強ばった。
「……ポッターだよ。あとは赤毛のウィーズリーあいつらは今誰もいないトロフィー室にいる」
「…ドラコ、…貴方…」
「どうしてリリーがそんな顔をするんだ、…それより体調は大丈夫か?今日食事の席に居なかったが……おい!」
ドラコの話をすべて聞くこともなくリリーは寮を飛び出した。今なら間に合うかもしれないとそう思ったのだ。
地下牢の廊下を駆け足で走っていると前方からタイミング悪くスネイプに出会してしまった。がっしり肩を掴まれて完全に止められてしまう。
「……エヴァンス、もう消灯時間だ。どこへ行く?」
「あ……お風呂に」
「一般生徒用のお風呂はこちらじゃないだろうエヴァンス…もう監督生になったつもりかね?」
咄嗟に嘘を付いてしまったがこの間にもハリーがフィルチに捕まってるかもしれない…そう考えたリリーは焦っていた。
「医務室に忘れ物があって…それからお風呂へ…もう消灯時間なのは分かってます!でも身体が汗で気持ち悪くて…」
「…しかし、あまり校内をウロウロするのは頂けない」
そう言いながらスネイプはリリーの肩を掴んでいた手をパッと離した。
「ありがとうございます…今日の事もご心配お掛けしました」
リリーは助けてもらったこともあり、嘘をつくのは心苦しかったが、スネイプに一礼をし、急いでトロフィー室に向かった。
案の定トロフィー室の扉の隙間から見えるハリーとロン、そしてハーマイオニーが不安な表情で杖を構えていた。驚かせないように小声で
「(ハリー!)」
「誰だ!?……その声は……」
向こうから扉を開けてもらうと、3人は驚いたような安堵したような表情で迎え入れてくれた。
「ドラコはここに来ないわ」
「やっぱり!私たち騙されてたのよ!」
ハーマイオニーの問いかけにバツが悪そうにハリーとロンはキッと睨みつけた。
「どうしてリリーがここに?」
「フィルチがもうすぐ来てしまうからよ!」
ガチャガチャと隣の部屋から鍵を解錠しようとする音がトロフィー室に響き渡った。その瞬間リリー達は見つからんと走ってトロフィー室を抜け出して走った。
「早く!」
暗くて自分達が何処にいるのか分からないまま近くの階段を駆け上がり階段から見られないように急いで近くの廊下まで4人は走り抜けた。
「…っはあ…はあ」
「リリー、君が居なかったら今頃…」
「ありがとう、…なんだか複雑…マルフォイは許せないけど」
「リリーありがとう…!さぁ、早く寮へ帰りましょう…」
「そこにいるのはだーれだ!?」
「ピーブス!」
「こんな夜中に歩き回っちゃいけないんだー!」
ポルターガイストのピーブス…ホグワーツで生徒にイタズラをするのが大好きで特に狙いは新入生だった。ビープスは息を大きく吸い込むと寝ている全生徒が起きてしまうくらいの大声で叫び出した。
「みんな!こっち!」
見つかってしまう前にリリー達は急いで近くの特に暗い廊下の先へ走り部屋の扉を見つけたが鍵が閉まっていた。
「どうしよう!」
「ロン!そこをどいて!アロホモーラ!」
ハーマイオニーが杖を引き抜いて呪文をかけるとパッと扉が開き、4人は急いで駆け込んだ。
「とんだ1日だ…」
「ホントに…急いで…」
獣臭い温かい風に自然4人は振り返ると、巨大な3つの頭の犬が侵入者に気付いて鼻をひくつかせながら目を開けた。みるみるうちに牙を剥き出しにして襲い掛かりそうに構え始めた。アブソレムの未来の羊皮紙に書いてあったそのままの三頭犬だった。
「急いで!逃げるのよ!」
「ウワワアア!!!」
「リリー!こっちにきて!」
呆気に取られていたリリーはハリーに手を引かれ身体を引き寄せられながら皆が一斉に扉の外へ飛び出た。
「あ…ありがとう…私腰抜けそうになって…」
「いいんだ…さっき助けてもらったし」
「なんなんだ…あれ」
「と、とりあえず…寮へ帰りましょう…」
「ええ…じゃぁ私はこっちだから…」
「1人で大丈夫?」
2人ももちろん優しいけれど、ハリーはもっと優しかった。寮が違えどみんなの様子を見ている。
「大丈夫よ…今日の深夜の見回りはスネイプ先生だから、…3人は気をつけて帰ってね」
「またね、ありがとう」
3人はその言葉が響いたようで辺りに警戒しながら帰って行った。リリーも気をつけながら地下牢の方へ足を進める。
三頭犬は本当に居たんだ…
しかし居たのが校内だった。…という事は先生達が飼っている事になる。あんなに大きな三頭犬を?何故?
考えているうちに地下牢の寮に着きゆっくり静かに扉を通った。暖炉のそばのソファーにマルフォイがただ1人リリーの帰りを待っていた。マルフォイは真剣な顔で立ち上がりリリーに近づく。
「遅かったな…本当にポッター達の所へ行ったのか…?」
「行ったわ。大丈夫よ」
「…リリー何故そこまでする?スリザリンとして品格を…」
「…もう友達だもの」
自然と口から出た言葉に自分でも驚いたが、ドラコはもっと驚いていた。目を見開き、信じられない表情をしていたがその表情はすぐ変わり深刻そうな顔になった。
「あいつは僕達とは友達にならない。…嘘だ」
「…そんなことない。ハリーは優しいわ」
「リリーはどっちの味方なんだ?!自分の寮の自覚はないのか?!」
「ドラコ…」
「すまない…でも父上が言ってたんだ!君にも…分かるだろう…」
ドラコはそう言いきゅっと口を紡ぐと男子寮の方へ戻って行った。
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