SHORT STORY
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「…まだ起きてたのかリリー」
「セブルス、今日はこれ読んで」
「またシェイクスピアか?」
「私はこれが好きなの」
セブルスは仕事があらかた終わり寝室へ向かうと、流石に寝ていると思っていたリリーが本を持って待っていた。セブルスがリリーが寝る前に本を読み聞かせするのは2人の日課であり、落ち着ける時間でもあった。セブルスはリリーから本を受け取り、ベットサイドにもたれ掛かると本を開いた。
我が恋人の目に太陽の輝きはない
彼女の唇より珊瑚のほうがずっと赤い
雪が白いとすれば彼女の胸の色は薄墨色
彼女の頭には黒い針金が生えている
赤や白 まだら模様のバラを見たが
彼女の頬にはどんなバラも咲いてはいない
ある種の香りには彼女のはく息よりも
かぐわしい匂いのするものがある
私は彼女の話すところが好きだが
音楽のほうがずっと快い音をたてる
私は女神の歩く姿を見たことはないが
彼女が歩くのは地面の上なのだ
それでも誓っていうが 私の恋人は
偽の比喩で褒めたてられた
どんな女にも引けをとらない
ゆっくりと静かに響くセブルスの心地よい優しく包まれるような声が詩を豊かに想像させる。
「…おやすみリリー」
セブルスは微睡むリリーにキスを落とすと、近くの灯りを消してベットに潜り込む。2人の体温の暖かさに包まれながら眠りについた。