短い話
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いつか来るいつか来るとは思ってはいたもののそれがあまりに突然すぎて、恥ずかしながら僕は少々パニックになってしまった。
彼の年齢的にもそろそろかなとは思っていたけどもう少し先である可能性もあったし、何よりもっと正規の手続きを踏んでやってくるものだと思ってたからこの慌てぶりには目をつむってほしい。心の準備をしてなかった。クロス元帥相変わらず雑すぎてつらい…。期待した僕がバカだった。
「あわわわわわわ」
「兄さん!マキがコーヒーこぼしながらあわあわ言ってるわ!」
「こんなマキくん見たことない…」
「故障?故障なの?」
人をロボットみたいに言うのやめて…と口に出す余裕もなく、適当にコーヒーカップを放り出して僕は走り出した。後ろから「マキどこへ!?」「暴走?暴走なの?」と聞こえるけどオール無視。モニターの端に映った人影、ポニーテールじゃなかった?やばくない?
「あ?おいどうした?」
入り口でリーバーさんとすれ違った。僕の慌てように驚いたようで、声をかけてくるがごめんなさい無視で。あとで説明するからとにかく今は現場に駆けつけないといけない。あのラストサムライすぐ刀抜くからこわいよ!
▽
「マキ!マキじゃないですか!」
そう叫ぶアレンくんの顔には大きくHELPと書いてあった。神田は今にも抜刀しかけでこっちを見た途端あからさまに嫌そうな顔をした。は?お前何しに来たの?とでも言いたげに僕を睨みつける。未だ手は刀から離さない。隙あらばお前も斬る!ってか?狂犬すぎない?
「ストーップストーップストーップ!」
「あ?」
「離れて離れて。離れてプリーズ」
「テメェ何しに来やがった」
神田とアレンくんの間に割って入ると神田は眉間の皺をさらに深くして僕に噛み付いて来た。君が勘違いで人を殺すのを止めてあげたんじゃんよ…と思うけどこの無差別抜刀するマンには通じないんだろうな。僕を見ながら刀抜くのやめて。アレンくんはアレンくんで僕の左手をぶんぶん振り回しながら「マキ〜〜〜!会いたかったですよ〜〜!」なんて感動の再会を1人で勝手に進めている。この張り詰めた空気読めないの…?そういうのってお互い向き合ってやるもんじゃないの?僕はアレンくんを庇うようにして立っているので目の前にしているのは神田だ。アレンくん僕の左斜め後頭部に話しかけてるけどそういうの気にしないタイプなのかな。アレンくんが喋るたび神田くんの血管がピキピキしてるからちょっと黙ろうね。そろそろ僕の左腕もちぎれそうだ。
「神田。この子はエクソシストです。アクマじゃありません」
「…なんだと?」
「彼はアレン。アレン…」
「…」
「…アレンほにゃらら」
「ほにゃらら?」
「ウォーカーです!!」
苗字忘れててごめん…。何せ1年ぶりだから…名前覚えてただけでも頑張ったほうだから許してほしい。アレンくんは「ひどいです!」なんて頬を膨らませているけど君そんな無邪気な感じだったかね。
「アレンくん元帥から何か持たされてませんか?」
「え?」
紹介状でもあればスムーズに事が進むしこの青筋たてまくりの神田も納得するだろうに、ていうかそれくらい用意してないとさすがにクロス元帥無責任すぎるし持ってると言って。僕の切望も虚しくアレンくんはふるふると顔を横にふった。
あ、でも、と人差し指をたてた。
「紹介状送っておくって言ってました。コムイって人宛に」
コムイさん絶対殺すマンになりそう…。
ロボット系男子シリーズ
2016.5.26