1.二人の少女
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「せいやあっ!!!」
「ハッハッハ!そんな攻撃ワガハイには当たらん!」
「くっ……体は大きいのになんて素早いの…!」
「肉弾戦では勝てんぞ?その銃を使え。」
終点では先程の闘いで勝利したクッパと、黄緑を基調とした戦闘服に身を包んだ少女が闘いを繰り広げていた。
少女のパンチやキックを軽々と避け、徐々にダメージを与えるクッパ。
誰がどう見ても力の差は歴然である。
少女の腰には2丁の銃があるが、彼女が使おうとする気配はない。
正確には彼女は''使えない''のだ。
「もう…訳がわかんない…!未夜とゲームをしてたらこんな所に飛ばされるし、拳銃なんて危ない物持ってるし…!」
「ガッハッハ!そろそろ終わりにしてやるのだ!」
「っ…!目の前にはあのクッパがいるし…!夢だとしてもキツい話よ!」
クッパから身を離し次の攻撃に備えるのん。
状況が掴めていないながらも、機敏な動きから身体能力の高さが伺える。
「!もしかして未夜もあたしと同じ状況じゃ……!?」
「考え事とはワガハイ相手に良い度胸だなあ!」
「!!!しまっ…!」
「ワガハイの勝ちだ!!!」
背後にまわったクッパの重い一撃が直撃し、のんは場外へと飛ばされた。
「(あたし……負けたの…?)」
と同時にアナウンスが入る。
《 ファイター 勝利
パワフルガッツガール のん 参戦 ! 》
控え室では先程クッパと乱闘を繰り広げた三人が二人の帰りを待っていた。
ふふ、とゼルダが微笑んだ。
「中々面白そうな子がやって来ましたね。これからまた楽しくなりそう。」
「楽しそうですね、ゼルダ姫。でも何であの子武器を使わなかったんだろう…。」
「武器は使っていなかったにしろ、あの動きから身体能力は高いと見える。早く闘いたい。」
「まあサムス。スーツ越しにでもワクワクしてる貴女の顔が伺えますよ。あ、二人が帰ってきました。」
転送装置の音と共に、クッパと挑戦者のんが現れた。
よっぽど悔しかったのだろう、のんはクッパにガンを飛ばしていた。
「次は絶対負けないんだからね!覚悟してて!」
「ガッハッハ。それはその銃が使えるようになってから言うんだな、小娘よ!」
「小娘じゃない!あたしにはのんっていう名前が……」
「こんにちは、のんさん。素晴らしい闘いぶりでしたね。」
「わっ!ゼルダ姫!?」
「はい。私のことご存知なのですね。」
クッパに突っかかるのんの前にゼルダ、サムス、ロイが現れ、のんは大人しくなった。
三人の顔をまじまじと見た。
「なんて幸せな夢なんだろう……あたし何かしたかな…。」
「僕はロイ。よろしくね。今日は君の他にも挑戦者がいるみたいだよ。さっきアナウンスがかかってた。」
「えっ!まさか…。ねえ、名前とか分かったりする?」
「?うん。名前は……。」
「のんーーっ!!!」
「わっ!!!」
ロイの言葉を遮るように勢いよく未夜がのんに抱きついた。
ぽかんとするロイ達にマリオ達が説明を入れた。
「どうやら二人は知り合いらしい。」
「そうなのか?まあ雰囲気が似てると言われれば似ているが。」
「あと何故か闘いのない世界からここに来たみたいで。なぜ自分がここに来たのか分からないみたいです。」
「じゃあ彼女ものんと同様、武器を使わなかった…?」
「ああ。」
マリオ達が二人について話し合いをしている中、二人も今の状況を整理をしていた。
未夜ものんに会えてホッとしたのか、落ち着きを取り戻したようだ。
「マリオやリンク…他の人達もゲームで見たことがある。さっきまで夢かなと思ってたんだけど、未夜もいるし現実なの?」
「沢山のキャラが闘う…血も出ない…。これって……。」
「ようこそ、挑戦者。」
「「!!!」」
「マスターハンド!」
気配もなくマスターハンドが二人の後ろに現れた。
ピースをしているが誰も突っ込まない。いつも通りだ。
マスターハンドは二人を包み込んだ。
ゼルダが呆れたように口を開く。
「前から言っておりますよね?しっかりと説明をしてからここに招くように、と。」
「そうなんだけど、今回は少々問題が発生してしまって今から説明をするんだ、ごめんね。」
「ぴーかぴーかちゅう!」
「うんうん、そんなに長くかからないから、少し待っててね。」
物腰柔らかい振る舞いでマリオ達の質問攻めを回避するマスターハンド。
包み込まれた二人は身動きが取れないでいた。
質問攻めから解放されたマスターハンドは、一息つき二人をぎゅっと握った。
「さあ行こうか、お二人さん。また皆には会えるからね。」
「わっ!浮い……!?」
「しっかり掴まっててね。」
二人はマスターハンドと共にその場から消えた。
残されたファイター達の顔は、ワクワクに満ち溢れていた。
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