1.二人の少女
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「また戦場か…。一体挑戦者はどこに……。」
「…う、うう……。」
「!いた!…いた、けど……?」
リンクの視線の先には女の子が頭を抱えながらうずくまっていた。
白いワンピース調の戦闘服に細身の剣が刺さっている。
周りを見渡しても誰もいないため、この少女が挑戦者のようだ。
「(油断をさせておいて攻撃するスタイルか。…よし。)
でぇやっ!!!」
「!キャアッ!」
「残念だけどその作戦は通用しないよ!正々堂々かかってき……
「ごめんなさいぃ!何でもするから切らないで……!」
「えっ?」
少女の懇願する姿にリンクは剣をおろした。
今まで闘ってきた挑戦者とは全く違う姿に、リンクは戸惑いを隠せないでいた。
いつもと違う現れ方、闘う意思すら感じられない少女の姿·····。
だがこのまま何もしないでおくと挑戦者は何処かに消えてしまう。
「·····君に闘う意思がないのは分かった。何か理由があるのだろう。だけど、このままにしておく訳には行けない。少し痛いけど我慢しててね。」
「えっ·····!?」
「大丈夫、痛いのは一瞬だから。」
「ちょっと待ってくださ、キャアアッ!」
「また後で会おう。」
少女はリンクに場外に投げ飛ばされ、そのまま落下した。
落下したと同時にアナウンスが入る。
《 ファイター 勝利
無垢な女剣士 未夜 参戦 》
「(未夜...それがこの子の名前か。)」
リンクは目を回している未夜を抱き、マリオ達の待つ場所へと急いだ。
転送装置を抜けた場所...ファイター控え室には、待っていましたという顔でマリオ達が立っていた。
ピカチュウがリンクの肩に駆け上り、未夜の顔を覗いた。
「こっちから見ている感じだと、この子は訳ありってことか?」
「詳しいことは分からないですけど、闘う意思がないのは明らかでした。剣を抜かなかったですし。」
「剣士か...。ならアイツらの方が詳しいか。」
「?ぽよーぽーよ。」
「え?カービィ、それは本当か?この剣、マスターハンドが持っていたって。」
「...前から思ってたんだが、何でリンクはカービィの言葉が分かるんだ...。ておい、マスターハンドの物なのか?」
カービィは必死にリンクに訴えた。
これはこの前までマスターハンドが大切に持っていた物だ、間違いない、と。
リンクとマリオは首を傾げた。
「ならマスターハンドがいつものようにこの世界に招いたってことで良いのか。でもなら闘う意思がなかった、っていうのが気になるな。」
「そうですね。彼女に聞けたら1番早いんですが...。」
「·····う、ん·····。」
「ぴか!」
未夜はゆっくりと目を覚ました。
暫く一点を見つめた後、ハッと目を大きく開けた。
状況が掴めた様子だった。
リンクは腕の中で暴れる未夜をそっとおろした。
「あの、私·····え?なんで、どういうこと·····?」
「こんにちは。どこか痛む所はない?多分お尻から落下したと思うんだけど。」
「え、いえ·····大丈夫です。痛くも痒くもありません。」
「それはよかった。なあ、多分まだよく分かってないと思うんだが、まず君の名前から教えてくれるか?さっきアナウンスで流れたけど一応。」
「あ...はい。未夜です。ここは、一体··········。」
《 挑戦者 が 現れました 挑戦者 が 現れました 》
未夜の言葉を遮るようにアナウンスが鳴り響いた。
どうやら第2闘技場からのようだ。
4人は顔を見合わせた。
「また挑戦者か。有り得なくはないが、この時期に珍しいな。」
「そうですね。第2の方では確かサムスさん達がやっているはずです。よし、繋がりました。」
「どれどれ…?うわ、クッパが一位か。挑戦者はどんなやつだ?」
「!!!のん!?」
スクリーンに映し出されたのは、乱闘に勝利したクッパと黒髪の少女だった。