掴み取る未来
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ダメージゾーンにひらひらと舞い落ちたカードのトリガーは――なし。
「馬鹿な……この私が……?!」
「貴様は目先の情報だけに捕らわれて相手の力量を見誤ったのだ」
「くぅ……おのれ……!!」
「約束だ。返してもらうぞ」
空気の抜けた風船のように、急速に力を失い膝をついた虚無に近づいた櫂は、その腕を取り己に引き寄せる。
「離せ! 離せぇっ!!」
「帰って来い――幸子!」
抵抗する虚無に構わず想いを流し込むように唇を重ねた。
絹を裂くような悲鳴を上げて幸子の体から黒い影が抜けていき、やがて彼女の体は抵抗をなくした。
ゆっくりと唇を離すと、眠りから覚めたように幸子の閉じていた瞳がゆっくりと開かれる。その瞳には本来の明るい光が宿っていた。
「……トシ、キ……」
「幸子!」
反射的に抱きしめて彼女のぬくもりを感じた。
「夢を見てたの…」
「夢?」
「何処か暗い場所にいて、そこからトシキと私のファイトを眺めているの」
「……?!」
「ファイトしてる私はトシキを闇に引き込もうとしていて………あれは本当に、夢…だったの…?」
「夢だ。もう忘れろ」
そっと告げて幸子を抱きしめる腕に力を込めた。
「トシキ……?」
「悪い…夢だ…」
もうきっと、悪夢は見ない。
ゴオオオ…という地鳴りが2人を現実に引き戻す。
虚無の消失によりリングは今度こそ跡形もなく崩れさろうとしていた。
「櫂くん! 幸子さん! 早く脱出しよう!!」
先導が入口を指して叫ぶ。
「分かった、アイチ。行くぞ、幸子」
「はい!」
櫂が手を差し伸べた。
幸子がその手を取る。
違えた道は、今再びしっかりと結ばれた。
「馬鹿な……この私が……?!」
「貴様は目先の情報だけに捕らわれて相手の力量を見誤ったのだ」
「くぅ……おのれ……!!」
「約束だ。返してもらうぞ」
空気の抜けた風船のように、急速に力を失い膝をついた虚無に近づいた櫂は、その腕を取り己に引き寄せる。
「離せ! 離せぇっ!!」
「帰って来い――幸子!」
抵抗する虚無に構わず想いを流し込むように唇を重ねた。
絹を裂くような悲鳴を上げて幸子の体から黒い影が抜けていき、やがて彼女の体は抵抗をなくした。
ゆっくりと唇を離すと、眠りから覚めたように幸子の閉じていた瞳がゆっくりと開かれる。その瞳には本来の明るい光が宿っていた。
「……トシ、キ……」
「幸子!」
反射的に抱きしめて彼女のぬくもりを感じた。
「夢を見てたの…」
「夢?」
「何処か暗い場所にいて、そこからトシキと私のファイトを眺めているの」
「……?!」
「ファイトしてる私はトシキを闇に引き込もうとしていて………あれは本当に、夢…だったの…?」
「夢だ。もう忘れろ」
そっと告げて幸子を抱きしめる腕に力を込めた。
「トシキ……?」
「悪い…夢だ…」
もうきっと、悪夢は見ない。
ゴオオオ…という地鳴りが2人を現実に引き戻す。
虚無の消失によりリングは今度こそ跡形もなく崩れさろうとしていた。
「櫂くん! 幸子さん! 早く脱出しよう!!」
先導が入口を指して叫ぶ。
「分かった、アイチ。行くぞ、幸子」
「はい!」
櫂が手を差し伸べた。
幸子がその手を取る。
違えた道は、今再びしっかりと結ばれた。