揺るがぬ絆
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――――‥‥
櫂のダメージゾーンにまた一枚カードが置かれた。
「ダメージ5。もう後がありませんよ、櫂トシキ」
力の差は歴然で、ダメージ5対3。
勝利を確信した虚無は喜びを隠しきれないように高笑いをする。
「ハハハハ! リンクジョーカーの力を使うまでもない。君がリバースファイターに戻るのは、もはや時間の問題です!」
「……」
「本望でしょう? 木梨幸子に…愛する女にかしづけるのですよ。まあ、正確には木梨幸子を乗っ取った私に、ですがね」
虚無の表情がいやらしく歪んだ。
「櫂トシキ、お前が素直に支配されるのなら……この体に触れる事も許してあげますよ。お前も…」
「黙れ!」
ぴしゃりと言い退けた櫂の表情は険しく、体は怒りに震えていた。
「その体は、お前のような卑しいものが好きにしていい体ではない!」
虚無の顔から笑みが消えた。
「あくまで逆らうというのですか…。仕方ない。ならば止めてみなさい。そのデッキでね」
「止めてみせるさ」
櫂は手札を見つめた。
自宅マンションで、幸子がファイトを挑んできた時の彼女の言葉が甦る。
『このデッキはね、ヴァンガードを始めた頃 トシキが一緒に作ってくれたデッキなんだよ』
幸子と一緒にデッキ構築は何度もおこなった。それでもあえて彼女は最初に作りあげたデッキを選んできた。
それだけこのデッキは幸子にとって意味のあるものだったのだ。
(幸子…)
力にのめり込んだ己を懸命に呼び戻そうとしてくれた幸子。
(今度は俺がお前を取り戻す!!)
手札から一枚を引き、勢いよく振りかざした。
「ライド・ザ・ヴァンガード!この世の全てのものを焼き尽くす、黙示録の炎! ドラゴニック・オーバーロード!」
リバースから解き放たれた最強龍が姿を現す――