揺るがぬ絆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「逃がしませんよ――櫂トシキ」
そう言って幸子は口角を最大限に引き上げた。
「バカな…」
櫂は眉間に皺を寄せ苦しげに呻いた。
愛する女の目元に浮かぶ赤い痣――それは紛れもないリバースの証。
櫂の表情が想像通りだった為か、幸子の笑みは更に深さを増す。
「何をそんなに驚いているんです、櫂トシキ?言ったはずですよ。君がいる限り必ず戻ると」
「なぜだ?! ……お前はタクトと共に……!!」
「ええ、リングの中に消えました。ですが私の一部はここに留まったのです。――櫂トシキ、お前の中に」
ファーストリバースファイターである櫂の中に、虚無が己の力の一部を寄生させていたのは分かった。だがそれでも納得いかない面がある。
「なぜ俺ではなく幸子に憑依した!?」
自分が依り代にされるのなら分かる。
なぜ幸子なのだ?!!
幸子の体を乗っ取った虚無は 櫂がその疑問をぶつけてくるのも想定内だったらしく、肩を揺らして可笑しそうに笑った。
「移ったんですよ。君が木梨幸子と接触した時にね」
「――?!!」
櫂は言葉を失った。
この邪悪なる者が言うには幸子にリンクジョーカーの力が移ったのは――。
「まさか……?!」
「そう。櫂トシキ、お前自ら私が木梨幸子の体に乗り移る機会を与えてしまったんです」
「くっ……!!」
櫂は目を閉じ唇を噛んだ。まさかあの口付けで。悔やんでも悔やみきれない…!!
「幸子は関係ないだろう。乗っ取るなら俺の体にしろ!」
「私はこの体が気に入ったのです。出ていくつもりはありません」
虚無が自分の体を五指で示す。
幸子が汚されているようで堪らなく不愉快だった。
「櫂君…」
「アイチ、下がっていろ。これは俺の問題だ。俺がカタをつける」
心配そうに声をかけてきた先導を制し、櫂はキッと虚無を睨み付けた。
「ならば幸子の中から貴様を追い出すまでだ!」
懐から取り出したデッキを突きつける。
彼女に乗り移った虚無は、その行動が分かっていたかのように手のひらを上に上げる。空間が歪み、手の中にデッキが現れた。
「もう一度リバースしてあげましょう――櫂トシキ。お前の愛する者の手で」
「貴様の好きにはさせん」
両者は距離を取り向かい合った。
「スタンドアップ「ザ」ヴァンガード!」
そう言って幸子は口角を最大限に引き上げた。
「バカな…」
櫂は眉間に皺を寄せ苦しげに呻いた。
愛する女の目元に浮かぶ赤い痣――それは紛れもないリバースの証。
櫂の表情が想像通りだった為か、幸子の笑みは更に深さを増す。
「何をそんなに驚いているんです、櫂トシキ?言ったはずですよ。君がいる限り必ず戻ると」
「なぜだ?! ……お前はタクトと共に……!!」
「ええ、リングの中に消えました。ですが私の一部はここに留まったのです。――櫂トシキ、お前の中に」
ファーストリバースファイターである櫂の中に、虚無が己の力の一部を寄生させていたのは分かった。だがそれでも納得いかない面がある。
「なぜ俺ではなく幸子に憑依した!?」
自分が依り代にされるのなら分かる。
なぜ幸子なのだ?!!
幸子の体を乗っ取った虚無は 櫂がその疑問をぶつけてくるのも想定内だったらしく、肩を揺らして可笑しそうに笑った。
「移ったんですよ。君が木梨幸子と接触した時にね」
「――?!!」
櫂は言葉を失った。
この邪悪なる者が言うには幸子にリンクジョーカーの力が移ったのは――。
「まさか……?!」
「そう。櫂トシキ、お前自ら私が木梨幸子の体に乗り移る機会を与えてしまったんです」
「くっ……!!」
櫂は目を閉じ唇を噛んだ。まさかあの口付けで。悔やんでも悔やみきれない…!!
「幸子は関係ないだろう。乗っ取るなら俺の体にしろ!」
「私はこの体が気に入ったのです。出ていくつもりはありません」
虚無が自分の体を五指で示す。
幸子が汚されているようで堪らなく不愉快だった。
「櫂君…」
「アイチ、下がっていろ。これは俺の問題だ。俺がカタをつける」
心配そうに声をかけてきた先導を制し、櫂はキッと虚無を睨み付けた。
「ならば幸子の中から貴様を追い出すまでだ!」
懐から取り出したデッキを突きつける。
彼女に乗り移った虚無は、その行動が分かっていたかのように手のひらを上に上げる。空間が歪み、手の中にデッキが現れた。
「もう一度リバースしてあげましょう――櫂トシキ。お前の愛する者の手で」
「貴様の好きにはさせん」
両者は距離を取り向かい合った。
「スタンドアップ「ザ」ヴァンガード!」