矛盾する想い
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カードキャピタルに向かおうとしていて雀ヶ森に逢うなど なんだか不思議な偶然だ。
「久しぶり。元気だった?」
「はい。僕はいつでも元気です」
ほわーと柔らかく微笑む雀ヶ森には かつて世界を支配しようと企んでいた面影は微塵もなかった。それから雀ヶ森はキョロキョロと辺りを見回す。
「珍しい。今日は櫂と一緒じゃないんですね」
「っ! う、うん……そうなんだ」
言い淀む幸子をまじまじと見つめた雀ヶ森は、何かに気づいたようにポンと手を叩いた。
「そうか…!だから今日はユッキーといっぱい話せるんだ」
「へっ?」
「ほら、櫂って独占欲が強いじゃないですか。いつもユッキーと話してると無言の圧力をかけてくるんですよ」
「そ、そうだったんだ」
知らなかった。
そういえば雀ヶ森は櫂の昔なじみだ。櫂が転校した後の――幸子の知らない彼を知っている。
「ねえ、レン君」
「なんです、ユッキー?」
「………」
雀ヶ森に相談したい。そんな衝動に駆られた。しかし、肝心の一歩が踏み出せない。
「………」
「ユッキー?」
「……ごめん。なんでもない」
「…そうですか」
探るような目を向けた雀ヶ森であったが、それはほんの一瞬のこと。直ぐにいつもの穏やかな笑みで頷く。
「トシキの所に行かなくちゃいけないから…もう行くね」
「はい。また会いましょう」
手を振り歩み出そうとした所で雀ヶ森に呼び止められた。
「何かあったらいつでも話して下さいね。幸子」
結局カードキャピタルには寄らずに櫂のマンションへ戻った。櫂はまだ帰っていない。
「……っ、トシキ…」
相談…出来なかった。
話してしまえば、櫂を裏切ることになる……そんな気がしたのだ。
櫂がどんな状態であろうと、どんな状況にあろうと、彼を愛している気持ちに偽りはない。
その気持ちがかえって幸子を苦しめていた。
「久しぶり。元気だった?」
「はい。僕はいつでも元気です」
ほわーと柔らかく微笑む雀ヶ森には かつて世界を支配しようと企んでいた面影は微塵もなかった。それから雀ヶ森はキョロキョロと辺りを見回す。
「珍しい。今日は櫂と一緒じゃないんですね」
「っ! う、うん……そうなんだ」
言い淀む幸子をまじまじと見つめた雀ヶ森は、何かに気づいたようにポンと手を叩いた。
「そうか…!だから今日はユッキーといっぱい話せるんだ」
「へっ?」
「ほら、櫂って独占欲が強いじゃないですか。いつもユッキーと話してると無言の圧力をかけてくるんですよ」
「そ、そうだったんだ」
知らなかった。
そういえば雀ヶ森は櫂の昔なじみだ。櫂が転校した後の――幸子の知らない彼を知っている。
「ねえ、レン君」
「なんです、ユッキー?」
「………」
雀ヶ森に相談したい。そんな衝動に駆られた。しかし、肝心の一歩が踏み出せない。
「………」
「ユッキー?」
「……ごめん。なんでもない」
「…そうですか」
探るような目を向けた雀ヶ森であったが、それはほんの一瞬のこと。直ぐにいつもの穏やかな笑みで頷く。
「トシキの所に行かなくちゃいけないから…もう行くね」
「はい。また会いましょう」
手を振り歩み出そうとした所で雀ヶ森に呼び止められた。
「何かあったらいつでも話して下さいね。幸子」
結局カードキャピタルには寄らずに櫂のマンションへ戻った。櫂はまだ帰っていない。
「……っ、トシキ…」
相談…出来なかった。
話してしまえば、櫂を裏切ることになる……そんな気がしたのだ。
櫂がどんな状態であろうと、どんな状況にあろうと、彼を愛している気持ちに偽りはない。
その気持ちがかえって幸子を苦しめていた。