呼び覚ます記憶
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三枚目のダメージチェック。トリガーは――なし。
「う、ああ…っ、トシキ…っ!!」
敗北の決まった幸子の体から邪悪な何かが抜けていく。
リバースした時と同じ 強い不快感を感じ、それが晴れた次には激しい脱力感に襲われた。
「幸子!」
崩れ落ちそうになった幸子を雀ヶ森が受け止めた。幸子は荒い息を吐きながら自分を支える男を見上げた。
「レン君…」
「よく頑張ったね、幸子」
普段と変わらない ほわっとした優しい笑顔を向けられ、急に閉じ込めていた感情が込み上げてきた。目頭が熱くなる。
「ダメだったの…」
「幸子?」
「ただ見てるだけじゃダメだった。だから間違った方向に進んだトシキを止めようとした……でも、結果的にトシキを救えなかった」
幸子は両手で顔を隠すようにしてしゃくりあげた。指の隙間から涙が止めどなく零れていく。雀ヶ森は幼子をあやすように片手で彼女の背中をさすった。
「それでいいんですよ、幸子」
「えっ…」
泣き顔を見せまいと覆っていた手のひらを顔からずらし見れば、雀ヶ森の顔には柔らかい笑みが浮かんだまま。
「君はいつだって櫂を一番に考え、動いていた。大切なのはそこだよ。結果が全てではありません」
「レン君…」
「幸子はこれまで通り、櫂を愛していればいい。後は僕に任せて下さい」
高くも低くもない穏やかな声音は、しかし力強く、幸子の胸に響いた。
こくりと頷くと、雀ヶ森はとても嬉しそうな顔をする。
「櫂は最上階…ですね」
「レン君、私も連れていって。一緒に行きたい…トシキの所へ」
リバースは解けた。
だが櫂を想う気持ちは変わらないし、違えたからといって背を向けるだけが全てじゃないと今は分かる。
(何がどうなっても、私はずっとトシキを愛してる)
雀ヶ森は何も聞いてこなかった。
それでも幸子の想いが伝わったのか、いつもの笑みを浮かべたままで頷いた。
「う、ああ…っ、トシキ…っ!!」
敗北の決まった幸子の体から邪悪な何かが抜けていく。
リバースした時と同じ 強い不快感を感じ、それが晴れた次には激しい脱力感に襲われた。
「幸子!」
崩れ落ちそうになった幸子を雀ヶ森が受け止めた。幸子は荒い息を吐きながら自分を支える男を見上げた。
「レン君…」
「よく頑張ったね、幸子」
普段と変わらない ほわっとした優しい笑顔を向けられ、急に閉じ込めていた感情が込み上げてきた。目頭が熱くなる。
「ダメだったの…」
「幸子?」
「ただ見てるだけじゃダメだった。だから間違った方向に進んだトシキを止めようとした……でも、結果的にトシキを救えなかった」
幸子は両手で顔を隠すようにしてしゃくりあげた。指の隙間から涙が止めどなく零れていく。雀ヶ森は幼子をあやすように片手で彼女の背中をさすった。
「それでいいんですよ、幸子」
「えっ…」
泣き顔を見せまいと覆っていた手のひらを顔からずらし見れば、雀ヶ森の顔には柔らかい笑みが浮かんだまま。
「君はいつだって櫂を一番に考え、動いていた。大切なのはそこだよ。結果が全てではありません」
「レン君…」
「幸子はこれまで通り、櫂を愛していればいい。後は僕に任せて下さい」
高くも低くもない穏やかな声音は、しかし力強く、幸子の胸に響いた。
こくりと頷くと、雀ヶ森はとても嬉しそうな顔をする。
「櫂は最上階…ですね」
「レン君、私も連れていって。一緒に行きたい…トシキの所へ」
リバースは解けた。
だが櫂を想う気持ちは変わらないし、違えたからといって背を向けるだけが全てじゃないと今は分かる。
(何がどうなっても、私はずっとトシキを愛してる)
雀ヶ森は何も聞いてこなかった。
それでも幸子の想いが伝わったのか、いつもの笑みを浮かべたままで頷いた。