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「言ったでしょう。大丈夫だって」
デッキケースを手にした雀ヶ森レンの表情からは、いつものほわんとした穏やかさは潜められていた。
代わりにファイター特有のぴりりとした空気が彼を包んでいた。気圧されるような、そんな強者のオーラに飲まれそうになる。
「さあ、ファイトしましょう。幸子」
「……っ」
「怯えないで。すぐに呪縛から解き放ってあげるよ」
手にしたデッキケースをちらつかせてくる雀ヶ森の目に迷いはない。
雀ヶ森の目的はただひとつ――幸子をリバースから解き放つことだからだ。幸子は緊張に喉を鳴らした。
「……雀ヶ森レン、あなたとはファイトしない」
「え~っ、なぜです?」
場の空気にそぐわないあっけらかんとした声をあげる雀ヶ森。
「トシキにファイトは禁止されている。それに…雀ヶ森レン。あなたを倒すのは私じゃない。トシキよ!」
雀ヶ森は黙って幸子の様子を伺う。
なるほど。櫂は予防線をひいていたようだ。少なからずこうなる事を予測していたのか。
(だけどそんなもの、僕の前では無力です)
不本意なやり方だが揺さぶってみるか。
なんとしても幸子をリバースから解き放つ必要がある。
雀ヶ森は口角を引き上げると、少し芝居がかったような口調で言った。
「櫂は幸子を僕に奪われるのが怖いんですね」
「なに…?」
「だってそうでしょう。ファイトを禁止するなんて。僕を恐れているとしか思えません」
「雀ヶ森レン! それ以上トシキを侮辱するのは許さない!!」
「侮辱?あれ~…そう聞こえちゃいましたか?」
キッと己を睨んできた幸子の手の中のデッキケースをちらりと見、再び怒り心頭の彼女を見た。思惑通り。
「幸子、君はファイターだ。ファイターである以上、相手を捩じ伏せるにはファイトするしかありません」
「………くっ」
雀ヶ森の狙いが読めた。
要はファイトする為に挑発してきているのだろう。やり過ごすのは簡単だが、冗談でも櫂を侮辱したのは許せない。
「雀ヶ森レン、トシキを侮辱した事を後悔させてあげる!!」
「そうこなくっちゃ」
雀ヶ森が不敵に笑う。
デッキケースを手にした雀ヶ森レンの表情からは、いつものほわんとした穏やかさは潜められていた。
代わりにファイター特有のぴりりとした空気が彼を包んでいた。気圧されるような、そんな強者のオーラに飲まれそうになる。
「さあ、ファイトしましょう。幸子」
「……っ」
「怯えないで。すぐに呪縛から解き放ってあげるよ」
手にしたデッキケースをちらつかせてくる雀ヶ森の目に迷いはない。
雀ヶ森の目的はただひとつ――幸子をリバースから解き放つことだからだ。幸子は緊張に喉を鳴らした。
「……雀ヶ森レン、あなたとはファイトしない」
「え~っ、なぜです?」
場の空気にそぐわないあっけらかんとした声をあげる雀ヶ森。
「トシキにファイトは禁止されている。それに…雀ヶ森レン。あなたを倒すのは私じゃない。トシキよ!」
雀ヶ森は黙って幸子の様子を伺う。
なるほど。櫂は予防線をひいていたようだ。少なからずこうなる事を予測していたのか。
(だけどそんなもの、僕の前では無力です)
不本意なやり方だが揺さぶってみるか。
なんとしても幸子をリバースから解き放つ必要がある。
雀ヶ森は口角を引き上げると、少し芝居がかったような口調で言った。
「櫂は幸子を僕に奪われるのが怖いんですね」
「なに…?」
「だってそうでしょう。ファイトを禁止するなんて。僕を恐れているとしか思えません」
「雀ヶ森レン! それ以上トシキを侮辱するのは許さない!!」
「侮辱?あれ~…そう聞こえちゃいましたか?」
キッと己を睨んできた幸子の手の中のデッキケースをちらりと見、再び怒り心頭の彼女を見た。思惑通り。
「幸子、君はファイターだ。ファイターである以上、相手を捩じ伏せるにはファイトするしかありません」
「………くっ」
雀ヶ森の狙いが読めた。
要はファイトする為に挑発してきているのだろう。やり過ごすのは簡単だが、冗談でも櫂を侮辱したのは許せない。
「雀ヶ森レン、トシキを侮辱した事を後悔させてあげる!!」
「そうこなくっちゃ」
雀ヶ森が不敵に笑う。