対極の先導者
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ビルの一室。最上階近くの控え室のような場所。
櫂はそこに幸子を連れてきた。
「幸子、ここで俺を待っていろ」
先程のタクトとのやりとりが、幸子をこの先へ連れて行くべきではないと櫂に判断させた。
「トシキ…っ」
「最強になって必ず迎えに来る」
不安そうな幸子を抱き寄せ、髪を撫で鋤く。すると彼女は手を伸ばして背伸びし、きゅっと櫂の首に腕を絡めた。
「待ってる。ずっと…ずっと傍にいるから」
「!……」
「だから離さないで」
「……当然だ」
ゆっくり…ゆっくりと、唇が重なった。
―――――‥‥
櫂が退室してからどれくらい経つだろうか。
時間にしてみれば僅か十数分程であろう。
だが幸子にとってはそれがおそろしく長い時に感じられた。
(トシキ…)
椅子に腰かけた幸子は無意識に両手を握りあわせていた。その手の中にはデッキケース。
恋しさからくる不安が一気に押し寄せてくる。
早く櫂に逢いたい…。
―――ガチャ
「!!!」
不意にドアが開いた。
ビクリとして伺えば、開いたドアからよく知る笑顔が幸子を眺めていた。
「待たせたね、幸子」
まるで待ち合わせでもしていたかのように、その男は普段と変わらぬ軽やかな口調と足取りで室内に足を踏み入れてきた。
「よく一人で頑張ったね。後は任せて下さい」
「雀ヶ森レン…」
ガタッと椅子から立ち上がった幸子が眉を潜めてその名を呼んだ。
なぜここに雀ヶ森が…。そんな疑問を見透かしたかのように、彼は穏やかだがしっかりとした口調で言う。
「言ったでしょう。大丈夫だって」
デッキケースを手にした雀ヶ森レンからは柔らかい雰囲気が潜められ、不敵な笑みが浮かんでいた。その笑いは場にそぐわない妖艶な空気を纏い、艶めいてさえ見えた。
櫂はそこに幸子を連れてきた。
「幸子、ここで俺を待っていろ」
先程のタクトとのやりとりが、幸子をこの先へ連れて行くべきではないと櫂に判断させた。
「トシキ…っ」
「最強になって必ず迎えに来る」
不安そうな幸子を抱き寄せ、髪を撫で鋤く。すると彼女は手を伸ばして背伸びし、きゅっと櫂の首に腕を絡めた。
「待ってる。ずっと…ずっと傍にいるから」
「!……」
「だから離さないで」
「……当然だ」
ゆっくり…ゆっくりと、唇が重なった。
―――――‥‥
櫂が退室してからどれくらい経つだろうか。
時間にしてみれば僅か十数分程であろう。
だが幸子にとってはそれがおそろしく長い時に感じられた。
(トシキ…)
椅子に腰かけた幸子は無意識に両手を握りあわせていた。その手の中にはデッキケース。
恋しさからくる不安が一気に押し寄せてくる。
早く櫂に逢いたい…。
―――ガチャ
「!!!」
不意にドアが開いた。
ビクリとして伺えば、開いたドアからよく知る笑顔が幸子を眺めていた。
「待たせたね、幸子」
まるで待ち合わせでもしていたかのように、その男は普段と変わらぬ軽やかな口調と足取りで室内に足を踏み入れてきた。
「よく一人で頑張ったね。後は任せて下さい」
「雀ヶ森レン…」
ガタッと椅子から立ち上がった幸子が眉を潜めてその名を呼んだ。
なぜここに雀ヶ森が…。そんな疑問を見透かしたかのように、彼は穏やかだがしっかりとした口調で言う。
「言ったでしょう。大丈夫だって」
デッキケースを手にした雀ヶ森レンからは柔らかい雰囲気が潜められ、不敵な笑みが浮かんでいた。その笑いは場にそぐわない妖艶な空気を纏い、艶めいてさえ見えた。