矛盾する想い
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ふと目を覚ますとぼんやりした灯りに照らされた薄暗い天井が目に入った。
一見して自分の部屋ではないここは――‥
(トシキの部屋…)
ソファで抱かれた後、今度は寝室に運ばれ何度も愛されている内に意識を手放してしまったようだ。完全に陽は暮れているが、夜が更けている訳ではないらしい。
体に残る気だるさを感じながら、幸子は数時間前を思い出す。
行方をくらませていた櫂を訪ねて彼の自宅へ来てみると、逢いたかった彼の姿がそこにあった。
それから櫂に導かれて家に上がり……櫂の様子がおかしいと感じたのはそのあとだった。
(リンクジョーカー…)
今まで聞いた事のないそのクランが櫂の変貌に関わっているなどとは考えすぎだろうか…。
「目が覚めたか」
「!!」
横から声をかけられ、振り返るとベッドに座り込みデッキ構築に勤しんでいた櫂と目があった。ズボンを穿いてはいるが上半身は裸のままだ。
「今、何時…?」
「20時前だ」
シーツを胸元まで引き上げながら尋ねると、櫂は短く答えて再びカードに没頭していった。
「リンクジョーカー…」
さっき頭の中で呟いた言葉を今度は口に出す。
「そうだ。俺を完全なる勝利へと導く最強のクラン」
「……なるかみは?もう使わないの?」
カードを選ぶ手の動きが止まった。
「リンクジョーカーより、トシキにはなるかみやかげろうの方が似合ってるのに…」
「俺にはもう必要ない」
哀しい…と素直に思った。
なるかみやかげろう…龍の戦士達は彼の分身であったはずなのに。
幸子の瞳が揺れるのを見た櫂は、彼女の頬に貼りついた髪を耳にかけてやり、手の甲で頬を撫でた。
「そんな顔をするな」
「だって……なんだかトシキじゃないみたい」
頬を撫でていた指が顎にかかり上向かせられる。
「リバース」
「えっ…!?」
「俺は生まれ変わったんだ」
普段は澄んだエメラルドグリーンの瞳に赤い光が宿っていた。それは燃えるような赤でありながら、ヒンヤリとした冷たさを帯びている。
「トシキ…」
「幸子。お前は黙って俺の傍にいればいい」
ぶつけられるように唇を重ねてくる櫂。
例え様子が違えども愛する男に変わりはなく――触れられれば幸子の体は熱を帯びていった。
一見して自分の部屋ではないここは――‥
(トシキの部屋…)
ソファで抱かれた後、今度は寝室に運ばれ何度も愛されている内に意識を手放してしまったようだ。完全に陽は暮れているが、夜が更けている訳ではないらしい。
体に残る気だるさを感じながら、幸子は数時間前を思い出す。
行方をくらませていた櫂を訪ねて彼の自宅へ来てみると、逢いたかった彼の姿がそこにあった。
それから櫂に導かれて家に上がり……櫂の様子がおかしいと感じたのはそのあとだった。
(リンクジョーカー…)
今まで聞いた事のないそのクランが櫂の変貌に関わっているなどとは考えすぎだろうか…。
「目が覚めたか」
「!!」
横から声をかけられ、振り返るとベッドに座り込みデッキ構築に勤しんでいた櫂と目があった。ズボンを穿いてはいるが上半身は裸のままだ。
「今、何時…?」
「20時前だ」
シーツを胸元まで引き上げながら尋ねると、櫂は短く答えて再びカードに没頭していった。
「リンクジョーカー…」
さっき頭の中で呟いた言葉を今度は口に出す。
「そうだ。俺を完全なる勝利へと導く最強のクラン」
「……なるかみは?もう使わないの?」
カードを選ぶ手の動きが止まった。
「リンクジョーカーより、トシキにはなるかみやかげろうの方が似合ってるのに…」
「俺にはもう必要ない」
哀しい…と素直に思った。
なるかみやかげろう…龍の戦士達は彼の分身であったはずなのに。
幸子の瞳が揺れるのを見た櫂は、彼女の頬に貼りついた髪を耳にかけてやり、手の甲で頬を撫でた。
「そんな顔をするな」
「だって……なんだかトシキじゃないみたい」
頬を撫でていた指が顎にかかり上向かせられる。
「リバース」
「えっ…!?」
「俺は生まれ変わったんだ」
普段は澄んだエメラルドグリーンの瞳に赤い光が宿っていた。それは燃えるような赤でありながら、ヒンヤリとした冷たさを帯びている。
「トシキ…」
「幸子。お前は黙って俺の傍にいればいい」
ぶつけられるように唇を重ねてくる櫂。
例え様子が違えども愛する男に変わりはなく――触れられれば幸子の体は熱を帯びていった。