誘う虚無
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暗転していた視界が戻る。
感じていた不快感はなくなっており、むしろ気分は高揚していた。
どうやらまだ見慣れた櫂の自宅の廊下にいるらしい。
「幸子」
名を呼ばれて顔をあげれば、立ったままこちらを見つめている櫂。
何よりも愛しい、大切な存在――。
「来い」
「……はい」
素直に頷くと、櫂の許へと歩いていきその胸に身を預ける。すぐに櫂の片腕に抱きしめられた。
愛しい男の温もりを感じてしまえば、自分がつまらない事にこだわっていたんだと実感する。
櫂自身が強さを求めているのだ。何を否定する必要があろうか。黙ってついていけばいい。
「俺の傍を離れるな」
「はい」
「良い子だ」
顎を掬われ上向かせられる。満足そうな櫂の顔が間近にあった。そのままゆっくりと、唇が重なる。
「トシキ…愛してるよ」
光を失った幸子の瞳が櫂だけを映して微笑んだ。
感じていた不快感はなくなっており、むしろ気分は高揚していた。
どうやらまだ見慣れた櫂の自宅の廊下にいるらしい。
「幸子」
名を呼ばれて顔をあげれば、立ったままこちらを見つめている櫂。
何よりも愛しい、大切な存在――。
「来い」
「……はい」
素直に頷くと、櫂の許へと歩いていきその胸に身を預ける。すぐに櫂の片腕に抱きしめられた。
愛しい男の温もりを感じてしまえば、自分がつまらない事にこだわっていたんだと実感する。
櫂自身が強さを求めているのだ。何を否定する必要があろうか。黙ってついていけばいい。
「俺の傍を離れるな」
「はい」
「良い子だ」
顎を掬われ上向かせられる。満足そうな櫂の顔が間近にあった。そのままゆっくりと、唇が重なる。
「トシキ…愛してるよ」
光を失った幸子の瞳が櫂だけを映して微笑んだ。