貫く愛
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体が震えた。
胸の鼓動が早い。
リバースファイター…闇への誘い。その始祖が櫂。己の恋人である事実。
そして今、共通の友である三和も彼の手によりリバースファイターとなった。その三和に連れられ、幸子は櫂の許へと向かっている。
待ち望んだ恋しい男にこれから会おうというのに、幸子は言い知れぬ緊張に包まれていた。
(私は、トシキの為に何が出来るんだろう――?)
覚悟を決めたつもりだった。それでもまだ心の何処かで迷っている自分がいる。
私は――‥
「着いたぜ」
三和に声をかけられハッと顔を上げれば見覚えのある場所。櫂のマンションだった。
てっきり立凪ビルに行くのだと思っていたので、ほんの僅かに緊張が緩む。
「木梨、櫂はここでお前を待っている」
マンション入口でそう告げると、三和はくるりと背を向けた。
「三和君…!?」
「恋人の再会に水を注すほどヤボじゃねえさ。それに――」
振り返った三和の顔に、雲の切れ間から西陽が射して影を作った。
「俺にもやる事があるからな。…ダチの為に」
暫く三和の背中を見送り、改めてマンションを見上げる。
先程まで覗いていた夕陽も今や厚い雲に閉ざされていた。暗雲立ち込める、とはこの事か。
払ってみせる。必ず――。
胸の鼓動が早い。
リバースファイター…闇への誘い。その始祖が櫂。己の恋人である事実。
そして今、共通の友である三和も彼の手によりリバースファイターとなった。その三和に連れられ、幸子は櫂の許へと向かっている。
待ち望んだ恋しい男にこれから会おうというのに、幸子は言い知れぬ緊張に包まれていた。
(私は、トシキの為に何が出来るんだろう――?)
覚悟を決めたつもりだった。それでもまだ心の何処かで迷っている自分がいる。
私は――‥
「着いたぜ」
三和に声をかけられハッと顔を上げれば見覚えのある場所。櫂のマンションだった。
てっきり立凪ビルに行くのだと思っていたので、ほんの僅かに緊張が緩む。
「木梨、櫂はここでお前を待っている」
マンション入口でそう告げると、三和はくるりと背を向けた。
「三和君…!?」
「恋人の再会に水を注すほどヤボじゃねえさ。それに――」
振り返った三和の顔に、雲の切れ間から西陽が射して影を作った。
「俺にもやる事があるからな。…ダチの為に」
暫く三和の背中を見送り、改めてマンションを見上げる。
先程まで覗いていた夕陽も今や厚い雲に閉ざされていた。暗雲立ち込める、とはこの事か。
払ってみせる。必ず――。