帰還する始祖
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マンションの玄関口に出てから数分もしない内に迎えの車はやって来た。
行動の早さから察するに、タクトの秘書も空港で櫂に気づいていたのだろう。気づいていて、あえて櫂の好きにさせ後を追ってきたのだ。
『参りましょう。タクト様がお待ちです』
車から降りてきた秘書は恭しく頭を下げた。
後部座席に櫂を乗せ、車は走り出したが、見知った公園にさしかかった所で再び停車する。
見覚えある背中を認め、櫂は無言で車を降りた。
「櫂……」
困ったような、そんな表情で三和は櫂を呼んだ。
「まさかお前がこんな事の片棒を担いでいたとはな…。こりゃ木梨も話辛い訳だ」
あいつのことだ。きっと一人で抱え込んで悩んでいたんだろう。
「…幸子はどこにいる?」
「さあな。愛想でもつかしたんじゃねえの?…今のお前に失望して、な」
何時になく強い言葉を浴びせてくる三和。櫂は明らかな嫌悪を剥き出しにした。
「幸子は俺のものだ」
「以前のお前の、だろ?いい加減あいつを苦しめてることに気づけ」
「……」
櫂は無言で背を向け数歩進んでから振り返る。
「それで……お前はどうするつもりだ、三和」
「ファイトして俺が勝てばお前は目を覚ます……だろ?」
と懐からデッキケースを取り出した。
「これをこのまま見過ごしたんじゃ、俺はお前のダチとは言えない、だ」
三和の顔から笑顔が消えた。
意を決したようにデッキケースを櫂に突きつける。
「俺は俺の力の全てを賭けてお前に勝つ!」
「無駄だ」
静かに告げると、櫂は同じくカードを取り出した。
リンクジョーカーの禍々しいオーラが、友をも飲み込んでいく…。
行動の早さから察するに、タクトの秘書も空港で櫂に気づいていたのだろう。気づいていて、あえて櫂の好きにさせ後を追ってきたのだ。
『参りましょう。タクト様がお待ちです』
車から降りてきた秘書は恭しく頭を下げた。
後部座席に櫂を乗せ、車は走り出したが、見知った公園にさしかかった所で再び停車する。
見覚えある背中を認め、櫂は無言で車を降りた。
「櫂……」
困ったような、そんな表情で三和は櫂を呼んだ。
「まさかお前がこんな事の片棒を担いでいたとはな…。こりゃ木梨も話辛い訳だ」
あいつのことだ。きっと一人で抱え込んで悩んでいたんだろう。
「…幸子はどこにいる?」
「さあな。愛想でもつかしたんじゃねえの?…今のお前に失望して、な」
何時になく強い言葉を浴びせてくる三和。櫂は明らかな嫌悪を剥き出しにした。
「幸子は俺のものだ」
「以前のお前の、だろ?いい加減あいつを苦しめてることに気づけ」
「……」
櫂は無言で背を向け数歩進んでから振り返る。
「それで……お前はどうするつもりだ、三和」
「ファイトして俺が勝てばお前は目を覚ます……だろ?」
と懐からデッキケースを取り出した。
「これをこのまま見過ごしたんじゃ、俺はお前のダチとは言えない、だ」
三和の顔から笑顔が消えた。
意を決したようにデッキケースを櫂に突きつける。
「俺は俺の力の全てを賭けてお前に勝つ!」
「無駄だ」
静かに告げると、櫂は同じくカードを取り出した。
リンクジョーカーの禍々しいオーラが、友をも飲み込んでいく…。