深まる疑惑
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三和が歩みを止めたことに幸子の足も自然と止まる。覗き込んだ三和はなんとも言えない表情をしていた。
「三和君…?」
「あ、ああ。ネットの噂だったな」
心配そうに幸子が呼べば、ハッとした三和は話を戻した。
「世界各地のカードファイターに起きてる異変だ」
「異変…?」
「ある日突然強くなったかと思えば、性格までも一変しているという。しかもそのファイターは自分と同じようなファイターを増やそうとして誰彼構わずファイトを申し込んでくるそうだ」
幸子は何も応えなかった。
ぎゅっと結んでいた唇が震え、鼓動が早鐘を打つ。
三和の伝えた噂――それが本当なら今までの事に辻褄があう。
「木梨――何か知らないか?」
ちらりと幸子の様子を盗み見ながら三和が尋ねた。
おそらくこれが話の本題。三和の聞きたかったところだろう。
「っ…」
頭の中に最近の出来事がフラッシュバックする。
幸子はすがるような目で三和を見つめ、震える唇を開きかけた。しかしすぐに口を閉じ、三和から視線を逸らす。
「木梨?」
幸子はふるふると力なく首を横に振った。
「ごめん…」
「……そっか。悪ぃ。変なコト聞いちまったな」
ふう、と大きく息を吐いた三和が幸子から視線を外した。
「なあ、木梨」
「……なに?」
「これがお前の愛のカタチか?」
「っ…!!」
三和の声音は普段と変わらず、責めるようなそれは全く感じられなかった。
それ故に、三和の言葉は幸子に深く突き刺さる。
「っ、三和君……っ!!」
バッと顔を上げて三和を見れば、彼は苦笑する。
「んな泣きそうな顔すんな。お前にそんな顔させたとあっちゃ、櫂の奴になに言われるか想像に難くねー」
困ったように笑う三和に、幸子は真剣なまなざしを向ける。
「もう少しだけ時間をちょうだい。そうしたら…」
「ん、ああ。待ってるぜ」
ヒラリと手を振り三和は歩き出した。
そのあとはもう、三和がこの話題に触れることはなかった。
「三和君…?」
「あ、ああ。ネットの噂だったな」
心配そうに幸子が呼べば、ハッとした三和は話を戻した。
「世界各地のカードファイターに起きてる異変だ」
「異変…?」
「ある日突然強くなったかと思えば、性格までも一変しているという。しかもそのファイターは自分と同じようなファイターを増やそうとして誰彼構わずファイトを申し込んでくるそうだ」
幸子は何も応えなかった。
ぎゅっと結んでいた唇が震え、鼓動が早鐘を打つ。
三和の伝えた噂――それが本当なら今までの事に辻褄があう。
「木梨――何か知らないか?」
ちらりと幸子の様子を盗み見ながら三和が尋ねた。
おそらくこれが話の本題。三和の聞きたかったところだろう。
「っ…」
頭の中に最近の出来事がフラッシュバックする。
幸子はすがるような目で三和を見つめ、震える唇を開きかけた。しかしすぐに口を閉じ、三和から視線を逸らす。
「木梨?」
幸子はふるふると力なく首を横に振った。
「ごめん…」
「……そっか。悪ぃ。変なコト聞いちまったな」
ふう、と大きく息を吐いた三和が幸子から視線を外した。
「なあ、木梨」
「……なに?」
「これがお前の愛のカタチか?」
「っ…!!」
三和の声音は普段と変わらず、責めるようなそれは全く感じられなかった。
それ故に、三和の言葉は幸子に深く突き刺さる。
「っ、三和君……っ!!」
バッと顔を上げて三和を見れば、彼は苦笑する。
「んな泣きそうな顔すんな。お前にそんな顔させたとあっちゃ、櫂の奴になに言われるか想像に難くねー」
困ったように笑う三和に、幸子は真剣なまなざしを向ける。
「もう少しだけ時間をちょうだい。そうしたら…」
「ん、ああ。待ってるぜ」
ヒラリと手を振り三和は歩き出した。
そのあとはもう、三和がこの話題に触れることはなかった。