侵食する力
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「立凪タクトに逢いに行く」
櫂は そう言い残して姿を消した。
学校も欠席のまま。自宅を訪ねても留守。
心配が頂点に達した幸子は、その日の放課後 帰り支度をしている三和に相談した。
「櫂の事だ。ま~た修行…なんて言って旅に出てんじゃねーの?」
「そうかなぁ…」
「心配すんなって。その内ひょっこり帰って来るよ」
櫂が戻らない旨を告げると三和はいつもの調子で答えた。幸子が心配しないよう、三和なりに気を遣ってくれたのかもしれない。
「うん、そう……。そう、だよね」
そんな三和の気持ちを無駄にしたくなくて、幸子は極力明るく見えるように頷いた。
「これから森川達とカードキャピタルに行くんだが…木梨も来るか?」
「ありがとう。でも今日はこのまま帰るよ」
「そっか。じゃーな!」
三和に別れを告げ鞄を持って下校した。
知らず知らず向かうのは櫂の住むマンション。
(どこにいるんだろう…)
道を歩いていても考えてしまうのは恋人の消息。
三和の言う通り、確かに以前も櫂は修行に出ていたことがある。ただその時も、櫂は旅立つ前に幸子に逢いに来てくれた。何も言わずにいなくなるなど考えにくい。
何も言わずに…?
いや 違う。言ったではないか。
"立凪タクトに逢いに行く"と。
(トシキ、なんだか思いつめてたな…)
ここ数週間、櫂はずっと苦しげな表情をしていた。VF甲子園予選の決勝後が特に酷かったように思う。
先導アイチに雀ヶ森レン。
友であり仲間。そして競いあうライバルであった彼らの成長が櫂を追いつめるのか…。
そこまで思案した所で幸子は目的地に着いた。
(もし今日も留守だったらタクト君の所へ行ってみよう)
そう思いながらインターホンを押した。暫しの間。
「…やっぱりいないか」
と引き返そうとした途端、ガチャリと音がしてドアが開いた。
櫂は そう言い残して姿を消した。
学校も欠席のまま。自宅を訪ねても留守。
心配が頂点に達した幸子は、その日の放課後 帰り支度をしている三和に相談した。
「櫂の事だ。ま~た修行…なんて言って旅に出てんじゃねーの?」
「そうかなぁ…」
「心配すんなって。その内ひょっこり帰って来るよ」
櫂が戻らない旨を告げると三和はいつもの調子で答えた。幸子が心配しないよう、三和なりに気を遣ってくれたのかもしれない。
「うん、そう……。そう、だよね」
そんな三和の気持ちを無駄にしたくなくて、幸子は極力明るく見えるように頷いた。
「これから森川達とカードキャピタルに行くんだが…木梨も来るか?」
「ありがとう。でも今日はこのまま帰るよ」
「そっか。じゃーな!」
三和に別れを告げ鞄を持って下校した。
知らず知らず向かうのは櫂の住むマンション。
(どこにいるんだろう…)
道を歩いていても考えてしまうのは恋人の消息。
三和の言う通り、確かに以前も櫂は修行に出ていたことがある。ただその時も、櫂は旅立つ前に幸子に逢いに来てくれた。何も言わずにいなくなるなど考えにくい。
何も言わずに…?
いや 違う。言ったではないか。
"立凪タクトに逢いに行く"と。
(トシキ、なんだか思いつめてたな…)
ここ数週間、櫂はずっと苦しげな表情をしていた。VF甲子園予選の決勝後が特に酷かったように思う。
先導アイチに雀ヶ森レン。
友であり仲間。そして競いあうライバルであった彼らの成長が櫂を追いつめるのか…。
そこまで思案した所で幸子は目的地に着いた。
(もし今日も留守だったらタクト君の所へ行ってみよう)
そう思いながらインターホンを押した。暫しの間。
「…やっぱりいないか」
と引き返そうとした途端、ガチャリと音がしてドアが開いた。