赤閃く翡翠
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドアが開く音がしたので玄関へ出てみると、櫂が帰宅した所だった。櫂の背後でカチャリとドアが閉まる。
「おかえりなさい…」
「俺達に相応しい門出になった」
櫂の顔には笑み。手にはリンクジョーカーのデッキ。なぜか言い知れぬ不安が胸をよぎった。
櫂の後についてリビングへ入る。
ソファに座った櫂は、すぐにデッキケースからカードを取り出し広げた。
「リンクジョーカー……素晴らしい力だ」
カードをひとつひとつ確認するように眺めながら、櫂は満足そうに唸る。幸子は入口に立ったまま、茫然とその様子を眺めていた。
何度も見慣れた光景だ。
新しく構築したデッキでの初戦後、櫂はよくこうしてデッキ考察をしている。時には何時間も。
だが――何かが違う。
妙な胸騒ぎは収まる事なく幸子に警告を鳴らしている。
「ねえ、トシキ。最近カードファイト部に顔出してないよね」
櫂が顔を上げた。カードを置き、未だリビングの入口に立つ幸子を見る。
「…三和君が顔出して欲しがってたよ。トシキが……っ、んっ!!」
ハッと思った時には壁に押し付けられて唇を塞がれていた。
「幸子、お前にもこの力を分け与えてやろうか」
糸を引きながら離れた唇。
間近で見る櫂の瞳には赤い光が宿っていた。
「幸子。お前は誰のものだ?」
「っ……」
唇が震える。櫂が櫂ではないようで、うまく返事が出来ない。
「言え」
焦れた櫂が低く命令する。
その瞳に射抜かれたまま、幸子は小さな声で答えた。
「私は……トシキの、もの……」
「そうだ」
満足げに口角を引き上げた櫂は、幸子の首筋に顔を近づけ きつく吸い上げた。
「幸子。お前は俺のもの。それを忘れるな」
「おかえりなさい…」
「俺達に相応しい門出になった」
櫂の顔には笑み。手にはリンクジョーカーのデッキ。なぜか言い知れぬ不安が胸をよぎった。
櫂の後についてリビングへ入る。
ソファに座った櫂は、すぐにデッキケースからカードを取り出し広げた。
「リンクジョーカー……素晴らしい力だ」
カードをひとつひとつ確認するように眺めながら、櫂は満足そうに唸る。幸子は入口に立ったまま、茫然とその様子を眺めていた。
何度も見慣れた光景だ。
新しく構築したデッキでの初戦後、櫂はよくこうしてデッキ考察をしている。時には何時間も。
だが――何かが違う。
妙な胸騒ぎは収まる事なく幸子に警告を鳴らしている。
「ねえ、トシキ。最近カードファイト部に顔出してないよね」
櫂が顔を上げた。カードを置き、未だリビングの入口に立つ幸子を見る。
「…三和君が顔出して欲しがってたよ。トシキが……っ、んっ!!」
ハッと思った時には壁に押し付けられて唇を塞がれていた。
「幸子、お前にもこの力を分け与えてやろうか」
糸を引きながら離れた唇。
間近で見る櫂の瞳には赤い光が宿っていた。
「幸子。お前は誰のものだ?」
「っ……」
唇が震える。櫂が櫂ではないようで、うまく返事が出来ない。
「言え」
焦れた櫂が低く命令する。
その瞳に射抜かれたまま、幸子は小さな声で答えた。
「私は……トシキの、もの……」
「そうだ」
満足げに口角を引き上げた櫂は、幸子の首筋に顔を近づけ きつく吸い上げた。
「幸子。お前は俺のもの。それを忘れるな」