常夏にライド!!
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暑い南の島の、程好い温度に設定されたペンションの一室。クイーンサイズの広々としたベッドの上で幸子は目を覚ました。
自分を守るように回された腕の主――櫂はまだよく眠っている。
「ふふ…」
幸子は思わず笑みを溢した。
普段はツンと凛々しい彼のその寝顔は何処か幼い。こんな櫂の表情を伺うチャンスは希少だと思った。
規則正しく上下する胸と、すー…という小さな寝息を聞きながら、幸子は昨日の事を思い出していた。
あの恥ずかしかった部屋割り発表後、食事を作るべく食堂に行き 銘々思い思いの料理を作り上げた。
幸子はといえば、メイン調理は櫂に任せ、彼が鮮やかな手際で調理した豪華な伊勢エビ料理を堪能した。
その夜みんなで雀ヶ森の怪談話と肝だめしをして…
櫂と並んで花火を見た。
花火はもちろんだが、彩る星空がなんとも美しく――幸子は幸せな気持ちでいっぱいだった。
(…でも)
と、依然櫂の寝顔を伺いながら思う。
ひとつ意外な事があった。
同じ部屋、同じベッドで寝ているにも関わらず、櫂は全く手を出してくる素振りはなかった。
ファイトにおいても幸子との関係においても、攻めの姿勢を崩さない櫂トシキにしては珍しい。部屋割りを知った時に覚悟はしていたので、本音を言えば少々拍子抜けした。
「……って。やだなぁ、私……これじゃ期待してたみたいじゃない」
「何を期待していたんだ?」
一人言に返事があった驚きに櫂を見れば、薄く目を開きこちらを見ていた。
「ト、トシキ…!! 起きてたの!?」
「少し前に目が覚めた」
ふ…と鼻に抜けたように笑い、幸子の髪に指を通して鋤く。まだ寝ぼけているのだろうか。普段よりスキンシップが積極的だ。
「それより……何を期待していたんだ?」
「な、なにも…」
「幸子」
薄く開かれた翡翠の目。
少し掠れた低い声。
寝起きの櫂は妙な色気があり毒だ。
恥ずかしくて目を逸らそうとすれば、髪を鋤いていた手を顎にかけられ引き寄せられた。
「トシキ…っ」
「少し黙れ」
ゆっくり、ゆっくりと…互いの距離が0になる。
自分を守るように回された腕の主――櫂はまだよく眠っている。
「ふふ…」
幸子は思わず笑みを溢した。
普段はツンと凛々しい彼のその寝顔は何処か幼い。こんな櫂の表情を伺うチャンスは希少だと思った。
規則正しく上下する胸と、すー…という小さな寝息を聞きながら、幸子は昨日の事を思い出していた。
あの恥ずかしかった部屋割り発表後、食事を作るべく食堂に行き 銘々思い思いの料理を作り上げた。
幸子はといえば、メイン調理は櫂に任せ、彼が鮮やかな手際で調理した豪華な伊勢エビ料理を堪能した。
その夜みんなで雀ヶ森の怪談話と肝だめしをして…
櫂と並んで花火を見た。
花火はもちろんだが、彩る星空がなんとも美しく――幸子は幸せな気持ちでいっぱいだった。
(…でも)
と、依然櫂の寝顔を伺いながら思う。
ひとつ意外な事があった。
同じ部屋、同じベッドで寝ているにも関わらず、櫂は全く手を出してくる素振りはなかった。
ファイトにおいても幸子との関係においても、攻めの姿勢を崩さない櫂トシキにしては珍しい。部屋割りを知った時に覚悟はしていたので、本音を言えば少々拍子抜けした。
「……って。やだなぁ、私……これじゃ期待してたみたいじゃない」
「何を期待していたんだ?」
一人言に返事があった驚きに櫂を見れば、薄く目を開きこちらを見ていた。
「ト、トシキ…!! 起きてたの!?」
「少し前に目が覚めた」
ふ…と鼻に抜けたように笑い、幸子の髪に指を通して鋤く。まだ寝ぼけているのだろうか。普段よりスキンシップが積極的だ。
「それより……何を期待していたんだ?」
「な、なにも…」
「幸子」
薄く開かれた翡翠の目。
少し掠れた低い声。
寝起きの櫂は妙な色気があり毒だ。
恥ずかしくて目を逸らそうとすれば、髪を鋤いていた手を顎にかけられ引き寄せられた。
「トシキ…っ」
「少し黙れ」
ゆっくり、ゆっくりと…互いの距離が0になる。