カラスの遠征
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昼前。合宿所に烏野高校が到着した。
「オオッ。あれはっ、あれはもしや――スカイツリー!!?」
「いや、あれは普通の鉄塔だね」
「ぶっひゃひゃひゃひゃひゃ」
付近に建つ鉄塔を見上げて感嘆の声をあげた烏野2年の田中と西谷に対し海が穏やかな口調で訂正を入れ、その横で黒尾が腹を抱えて笑う。
しかし彼らは間違いも一切気にせず元気いっぱいに東京郊外の風景を満喫していた。
黒尾の隣で烏野を出迎えた幸子は逢いたかったその人を見つけ、手を振りながら近づいていく。
「潔子ちゃん!」
「幸子!」
直ぐに清水も幸子に気づき手を振って応えてくれる。2ヶ月半ぶりに逢う清水はやはり美人だったが、もうあの時のように緊張する事はなかった。
「久しぶりだねっ。元気だった?」
「うん、元気だよ。2日間よろしくね」
「こっちこそ」
キャッキャと盛り上がっていると、スッと黒尾が幸子に近づいて来た。
「おい、幸子。先行ってるぞ」
「うん、分かった。体育館でね」
元々選手は黒尾が、マネージャーは幸子が案内する手はずになっていた。
選手はすぐに試合だ。準備もあるだろう。先に行ってもらっても問題ない。
「――‥?」
脇を通りすぎる時、黒尾の横を歩いていた澤村が一瞬意味ありげに幸子に視線を投げた。その視線の意味を考える前にニヤニヤした清水が声をかけてくる。
「幸子は相変わらず黒尾君と仲良さそうだね」
「っ、う、うん…っ。おかげさまで」
早くも顔が火照り動揺した幸子を見て清水がクスっと笑う。
今日は烏野の新マネージャーと初顔合わせだというのに既に情けない姿を見せてしまった。
そう思い清水の隣に目をやるが、彼女はおそらく今の幸子と清水のやりとりなど聞こえていなかったであろう事が容易に推測できた。
「新しく入ったウチのマネージャー」
「いっ、1年の谷地仁花です!!!」
緊張の面持ちで挨拶をした谷地。
背は幸子より更に小柄だ。すごく可愛らしい印象を受ける。
「谷地さん、だね。よろしく。私は音駒高校3年の木梨幸子」
「木梨先輩さんですね! よ、よろしくお願いシャス!!」
「(シャス!?)…そんなに堅くならなくて大丈夫だよ。それに、もっと砕けた感じで呼んでくれていいし」
緊張を解すようなるべく笑顔で話しかける。
少しの間固まっていた谷地であったが、幸子の言葉の意味を理解したらしい。
「ハイッ。じゃあ 幸子ちゃんで!」
「はは…うん、それでいいよ。私も仁花ちゃんて呼ばせてもらおうかな」
「ハイ!」
一気に砕けてきた谷地に苦笑し清水を見れば、悪戯っぽい笑顔を返してくれた。
以心伝心のようで、それがなんだか嬉しい。
「それじゃ暑いし中に入ろうか」
烏野も参加しての合宿。
楽しくなりそうだ。
「オオッ。あれはっ、あれはもしや――スカイツリー!!?」
「いや、あれは普通の鉄塔だね」
「ぶっひゃひゃひゃひゃひゃ」
付近に建つ鉄塔を見上げて感嘆の声をあげた烏野2年の田中と西谷に対し海が穏やかな口調で訂正を入れ、その横で黒尾が腹を抱えて笑う。
しかし彼らは間違いも一切気にせず元気いっぱいに東京郊外の風景を満喫していた。
黒尾の隣で烏野を出迎えた幸子は逢いたかったその人を見つけ、手を振りながら近づいていく。
「潔子ちゃん!」
「幸子!」
直ぐに清水も幸子に気づき手を振って応えてくれる。2ヶ月半ぶりに逢う清水はやはり美人だったが、もうあの時のように緊張する事はなかった。
「久しぶりだねっ。元気だった?」
「うん、元気だよ。2日間よろしくね」
「こっちこそ」
キャッキャと盛り上がっていると、スッと黒尾が幸子に近づいて来た。
「おい、幸子。先行ってるぞ」
「うん、分かった。体育館でね」
元々選手は黒尾が、マネージャーは幸子が案内する手はずになっていた。
選手はすぐに試合だ。準備もあるだろう。先に行ってもらっても問題ない。
「――‥?」
脇を通りすぎる時、黒尾の横を歩いていた澤村が一瞬意味ありげに幸子に視線を投げた。その視線の意味を考える前にニヤニヤした清水が声をかけてくる。
「幸子は相変わらず黒尾君と仲良さそうだね」
「っ、う、うん…っ。おかげさまで」
早くも顔が火照り動揺した幸子を見て清水がクスっと笑う。
今日は烏野の新マネージャーと初顔合わせだというのに既に情けない姿を見せてしまった。
そう思い清水の隣に目をやるが、彼女はおそらく今の幸子と清水のやりとりなど聞こえていなかったであろう事が容易に推測できた。
「新しく入ったウチのマネージャー」
「いっ、1年の谷地仁花です!!!」
緊張の面持ちで挨拶をした谷地。
背は幸子より更に小柄だ。すごく可愛らしい印象を受ける。
「谷地さん、だね。よろしく。私は音駒高校3年の木梨幸子」
「木梨先輩さんですね! よ、よろしくお願いシャス!!」
「(シャス!?)…そんなに堅くならなくて大丈夫だよ。それに、もっと砕けた感じで呼んでくれていいし」
緊張を解すようなるべく笑顔で話しかける。
少しの間固まっていた谷地であったが、幸子の言葉の意味を理解したらしい。
「ハイッ。じゃあ 幸子ちゃんで!」
「はは…うん、それでいいよ。私も仁花ちゃんて呼ばせてもらおうかな」
「ハイ!」
一気に砕けてきた谷地に苦笑し清水を見れば、悪戯っぽい笑顔を返してくれた。
以心伝心のようで、それがなんだか嬉しい。
「それじゃ暑いし中に入ろうか」
烏野も参加しての合宿。
楽しくなりそうだ。